掌小説語り～自作つぃのべる集～79

リュカ @ryuka511

いつかこんな日が来ると思っていた。いつも他人の為に戦い、自分の事は後回し。傷ついても尚笑う君に皆甘え過ぎなんだ。満身創痍で帰還した君はついに倒れ動かなくなった。それでも君がまた立ち上がるのを待ってる。なぜ自分で戦わない?君はもう眠っていい。僕が戦う。君を利用するだけの輩と #twnovel

リュカ @ryuka511

私を吸血鬼にした奴は、支配も導きもせず姿を消した。後天性の半吸血鬼という中途半端な存在になり、どう生きればいいのかも分からず彷徨う。吸血衝動を抑える為に人里から離れた。私は人間だ。この衝動を抑え切り生涯吸血しなければ、人間に戻って死ねるのではないかと、微かな希望を抱く #twnovel

リュカ @ryuka511

ペチカの傍、ロッキングチェアに揺られ主が微睡んでいる。昔は言い争いもしたが、今は私の事もよくわからなくなっているようだ。床に落ちた膝掛けを戻してやろうと引っ張る。意外と重いな。私も歳を取ったか。「あら、可愛い猫ちゃん。どこから来たの?」私はあんたの可愛い飼い猫だっての #novelber

リュカ @ryuka511

ほぅ、と満足げなため息と共に本を閉じる。自分もいつか、この主人公のような劇的な恋をしてみたい。その相手があの人だったら、どんなに素敵だろうか。本を抱きしめ今度は切ないため息を吐く。叶うはずのない恋をしている。でも決着を付けたくはなくて、物語のヒロインに自分を重ね夢を見る #twnovel