笛系まとめ

夢もカプもごった混ぜ。
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椎葉 @siiba66

【いっそ拘束して/@tizuki13】急にふっといなくなっちゃいそう、と不意に呟いた彼女。抑揚のないそれは実のところ、本音であることが多くて。だから顔を覗き込んで、頬にキスをした。啄むように、食べてしまうように。「手錠でも掛けてみる?」お前になら構わないって、本気なんだけどな。

2011-08-10 21:57:34
椎葉 @siiba66

【雨の中にただ佇んで/@yuzuzaki】夕立の中、彼は空を仰いで立ち尽くしていた。「…柾輝」呼んだ声はスコールのような雨と雷鳴に阻まれる。それでいい、構わない。ただ、見守っていたかった。彼の帰る場所であるために。片手にふわふわのタオルを持って、抱きしめる準備をしていよう。

2011-08-10 22:00:39
椎葉 @siiba66

【ばか。たったその一言だけ/@oracle310】口下手。彼を表すのにこれほど適した表現はない。意思疎通の努力はしているし、今ではかなり分かり合えていると思う。だけど、別の人格である以上完全に分かり合うなんて無理だ。だからこそ悩みくらい話してほしい。そんな思いを乗せて、一言だけ。

2011-08-10 22:03:52
椎葉 @siiba66

【君の手を握りしめて/@m_ra1】例えば泣きそうなとき。落ち込んでいるとき。三上はいつも何も言わずに側にいてくれる。――じゃあ、逆だったら?問いの答えは案外難しくて、思考を止めた。止めて、そっと手を伸ばす。何も出来ないけれど、側にいる。触れた冷たい指先に、熱を分けられるように。

2011-08-10 22:41:58
椎葉 @siiba66

【信じたい、でも、信じられない/@ruins36】好き。誰が。三上が。誰を。私を?右から左に通り抜けていく言葉に、ぽかんと見上げることしか出来なかった。そんな私に焦れたように、彼は答えを急かす。私の心は決まっているけれど、でも。――言葉を、気持ちを受け入れるためにあと3秒だけ。

2011-08-10 22:43:58
椎葉 @siiba66

【死にそうに幸せ/@a0p7p1y6】このまんま死んじゃっても良いなあ。広い胸元に顔を埋めて呟いた言葉が、耳ざとい彼に拾い上げられてしまった。ぎゅっと腕の力が強まる。「…克朗、苦しい」「死なれたら、俺が困る」文句を素通りして、想いだけを寄せられる。――ああ、貴方がそんなだから。

2011-08-10 22:46:22
椎葉 @siiba66

【愛し方なんて分からない/@mzrmxxx】俺の世界にはこれまでサッカーしかなかった。高鳴る心臓も、頬に上る血も、全てそれが生んできたものだった。だから目の前の、自分とは違う生き物をどうしていいのか分からなくて。「――るみね、」好きだとか愛してるとか言えずに、ただ手を伸ばした。

2011-08-10 22:49:28
椎葉 @siiba66

【鳴らない電話/@xxbacioxx】携帯電話が鳴らなくなったのはいつからだろう。もうぼんやりした記憶。けれどそれが悲しくないのは、電話越しじゃなく、直接声を聞ける場所にいつもいるからだ。「英士」「何?」呼べば、返事が来る。「何でもないよ」全てを理解しているように、彼は笑った。

2011-08-10 22:51:53
椎葉 @siiba66

【君しか知らない/@cleanwc】気づいた時には、君だけだった。初恋と、呼ぶべきもの。実らないなんて迷信は全部すっ飛ばして、いつしか自然に側にいた。まるでそれがあるべき姿であるように。「亮ー」「あ?」緩く緩く、愛しさに満ちた日常会話。他なんて知らなくていい。君だけでいい。

2011-08-10 22:54:26
椎葉 @siiba66

【あと少しだけこのままで/@beni708】後ろから不意に回る腕と共に、肩口にくすぐったさを感じた。ふわりと香るのは、慣れた匂い。「――シゲちゃん?」問いに返事はない。こういう時は大抵、疲れている時だ。無理に引き剥がすことはせず、そっと手を伸ばして存外柔らかな髪を梳いた。

2011-08-10 23:01:15
椎葉 @siiba66

【目隠ししようか@kiyo_mr】笑顔で言った英士に、嫌な予感しかしなかった。不服を継げてみれば、じゃあ目を閉じて、と言い直される。渋々それに従って、5秒。左手が取られて、――これは。もしかしなくても。「そろそろ、いいよね?」ダイヤモンドが滲んだのは、涙の所為なんかじゃない。

2011-08-10 23:04:17
椎葉 @siiba66

【そのままの君でいて/@naginooon】もうちょっと身長高くなりたい。可愛くなりたい。そんな事を繰り返す彼女に、いつも苦笑が零れる。頭を撫でて、「そのままでいい」と言えば、でも、と返ってくるけれど。――なあ、そんなお前を好きになったんだからと言ったら、どんな顔をする?

2011-08-10 23:10:15
椎葉 @siiba66

【今夜は帰らないで/@okome_t/渋ケー】その言葉ひとつ紡ぐのに、どれほどの勇気が必要だっただろう。例えば、普通の恋人同士だったなら、ありふれた睦言だろうに。自分達の恋には障害が多すぎて、それでもどうしようもなく、好きで、だから、「――渋沢、」そして継いだ言葉が、震えた。

2011-08-16 21:28:12
椎葉 @siiba66

【あまい蜜のような/@yuntim】「ゆい」――平馬さんが、名前を呼ぶ。低いその声はいつも、やけに甘い響を伴って聞こえる気がする。他の誰に呼ばれるのとも違う、幸せを紡ぐ魔法のように。「へーまさん、」応えるように呼ぶ名前は、特別な言葉。砂糖菓子よりも蜂蜜よりも甘く、甘く。

2011-08-16 21:30:47
椎葉 @siiba66

【いっそ拘束して/@l_asami】ダン、っと派手にコンクリートを叩く音が響いた。整った顔に落ちる影。その瞳に映る私は、嗚呼、どんな顔をしているのだろう。そんな事を気にする余裕さえ、なかった。「亮の、ばか」好きなの。好き、なの。もう逃げられないのに、どうか気づいて。

2011-08-16 21:34:20
椎葉 @siiba66

【一目見たときから私の世界は君だけだった/@m_ra1】好きってどんなに言っても、たくさんのキスの雨も、毎日抱きしめる大きな身体も、全部全部、まだ足りない。言葉にはしないけれど貪欲に求める私に、けれどあなたは笑うだけ。ねえ、どれだけ声に出したら、伝わるんだろう?

2011-08-16 21:38:44
椎葉 @siiba66

【この鍵は渡しておくから/@ruins36】誕生日プレゼントを渡したら、じゃあ俺からも、と意外な言葉が返ってきた。一人暮らしの彼の部屋。通うようになって、数ヶ月。それは想いを伝えた日からと同意義で。「――良、平、」微かな音を立てた、小さな鍵。それは心の鍵にも、似ていた。

2011-08-16 21:40:55
椎葉 @siiba66

【試してみる?/@yuzuzaki】「――ユズ」低い声に、ぴくりと肩が震える。時計は、9時半。振り向かなくても分かる、無言の圧力。やると言った事をやらない、そういう事を彼――柾輝は一番嫌う。「……そろそろやらねぇと、1週間飯作んねぇからな」「!」ずるい。本気を試されてる。

2011-08-16 21:43:03
椎葉 @siiba66

【お前がいない/@xxbacioxx】「…弥生?」起きて、まだはっきりしない頭で名前を呼ぶ。ぐるりと見回す室内、人の気配はない。――ああ、そうだ。寝る前に、出かけるとか聞いた気がする。もう一度ベッドに倒れこむ。出かけてる、なんていつもの事なのに。――早く帰ってくればいいと願った。

2011-08-16 21:49:00
椎葉 @siiba66

【可愛いにも程がある/@a0p7p1y6】「克朗、粉ついてる」彼女の視線の先は口元。先刻食べた大福のものだろうと擦ってみるけれど、逆だったらしい。小さく笑って、拭ってくれようと伸ばした――彼女の手はしかし、届かない。そんな拗ねた顔が見たくてわざとやっている、なんて言えない。

2011-08-16 21:51:41
椎葉 @siiba66

【この手を離さない/@yauzzz】初めて手を繋いだ日の事を、今でも覚えている。柾輝の大きな手はずっと変わらないまま、すっぽりと私の手を包み込む。その温かさに、優しさに、どれほど救われてきただろう。「柾輝」「ん?」「…何でもない」この先何があっても離したくないと、心から想った。

2011-08-16 22:02:40
椎葉 @siiba66

【君の名は/@m10mkm】吸い寄せられるように、視線が捕らわれた。広いフィールドの真ん中で駆け回る、黒髪の綺麗な人。真っ直ぐな視線と、そのプレイに、90分ずっと目が離せなかった。偶然やってきた試合で見つけた彼。「……みかみ、あきら」――その時確かに、恋に落ちる音を、聞いた。

2011-08-16 22:05:32
椎葉 @siiba66

【同じ空を見ていた/@youccoo】背中の芝の感触が、心地良い。真っ青な空は何処までも突き抜けるように高く。眩しくて少し目を細めるけれど、閉じてしまいたいとは思わない。目の前に、未来が広がっているようで。「――一馬」仲間の呼ぶ声は隣から聞こえて、嗚呼、きっと同じ世界を見ていた。

2011-08-20 23:12:59
椎葉 @siiba66

【また泣かせたね、ごめん/@ricomica】誕生日おめでとう、と。銀色を華奢な左手の薬指に嵌めたら、あっという間に大きな瞳が揺らぐのが見えた。――泣かせたいわけじゃ、ないんだけど、でも。「――ずっと一緒にいる権利、俺に頂戴?」泣き顔も好きだから、なんて、言う代わりに。

2011-08-20 23:16:24
椎葉 @siiba66

【駅の改札口で待っていて@tizuki13】「はい、今日も1日お疲れ様」乾いた電子音と共に改札を潜り抜けると、予想しなかった声と笑顔が出迎えてくれた。「――秀二、なんで、」殆ど無意識に零れた声に、彼は笑みを深める。「そんなの、聞かなくても分かるでしょ」――ああもう、本当にずるい。

2011-08-23 00:10:54
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