(おかんまとめ28)朝の三分小説~おかん~(善光寺炎上編)

おかん447からおかん463まで。  姥捨てを超え、ついに長野市へとたどり着いたおかん。  長野市は長野県でも都会なので、おかんはいつも以上盗賊稼業に精を出そうとします。  が、そこへ現れるミノタウルス僧兵たち。こいつらが何なのかはよくわかりませんが、どうやら長野市でも力を持っている善光寺の僧兵たちのようです。  善光寺を支配するのはヘルガンツ大僧正という僧侶。彼の起こす奇跡が偽物だと看破したおかんは、金のにおいを嗅ぎつけ善光寺侵入を決意します。 続きを読む
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カメックスシ @agodenderu

おかん447 長野県で大きな街を二つ挙げるなら松本市と長野市だろう。 姨捨を超え、この長野市におかんもたどり着いた。 「流石長野市、秩序が維持されてるし、高く売れそうな車が沢山走ってるぞ」 でもすぐには盗まない。まずは善光寺で窃盗の無事と大漁を祈願しに行くのだ。

2017-08-04 06:57:17
カメックスシ @agodenderu

おかん448 善光寺の参道には多数の出店が並び賑わっていた。 「すごい賑わいだなぁ。それにミノタウルス僧兵が沢山いるぞ」 「牛に挽かれて善光寺」という言葉があるように、善光寺にはミノタウルス僧が多数いて、絶大な影響力を持っていた。 「オラオラっミノタウルス僧兵様のお通りだぜ」

2017-08-07 06:55:14
カメックスシ @agodenderu

おかん449 ミノタウルス僧兵に目をつけられないように進んでゆくと 「そこの君ヘルガンツ大僧正の育てたもずくを買わんかね」 と露店商に呼び止められた。 「誰?」 「知らないのかい、かつて善光寺がミノタウルス軍団に襲撃された時にどこからか現れ、ミノタウルス達に仏教を教えた偉人だよ」

2017-08-08 06:58:04
カメックスシ @agodenderu

おかん450 「ありがたい大僧正だろ。もずく買っときな。大僧正がいなかったら俺達ミノタウルスに殺されてたぜ。それがどうだ、大僧正のおかげでミノタウルス僧兵に税金を払えば生きていける」 「あっうん、急ぐんで」 みんな騙されてる気がするが危ないので関わりたくないとおかんは思った。

2017-08-09 06:57:45
カメックスシ @agodenderu

おかん451 善光寺で必勝祈願を済ませ、帰ろうとした時だ。 「スーパー大僧正タイム」 寺のイルミネーションが光り本堂から僧が現れ歓声が起こる。 「みんな元気ですかな。ヘルガンツ大僧正じゃぜ。今日もみんなに奇跡をお見せしたいので百円を入れてくれ」 すると群衆が百円を賽銭しだした。

2017-08-10 06:55:58
カメックスシ @agodenderu

おかん452 「みんな百円をくれたぜ。では一つ奇跡をお見せしようぜ。たとえばこの石を」 大僧正が普通の石を手で撫でると金塊に変わってしまった。 沸き上がる観衆。しかし、おかんにはわかっていた。あれは石に偽造された信玄餅なのだ。ますます怪しい、本物の大僧正がどこかにいるはずだ。

2017-08-16 06:57:19
カメックスシ @agodenderu

おかん453 おかんの予想では本物の大僧正とヘルガンツ大僧正が入れ替わり、本物の大僧正は今もどこかに監禁されている。だとしたら自分のすべき事は本物の大僧正を奪還して、ヘルガンツ大僧正に身代金と口止め料を請求する事だろう。 そういう訳でおかんは早速善光寺の周囲を調査し始めた。

2017-08-17 06:55:04
カメックスシ @agodenderu

おかん454 「すいませんピザモンスターです」 おかんはピザ屋を装って本堂の中に入った。 本堂の中はあからさまに怪しい地下への階段以外に怪しいものはなかった。 「もしかしてこの奥なのか」 さらに奥は洞窟のようになっており、そこにはポテトチップス食べ放題の牢屋もあった。

2017-08-18 06:59:57
カメックスシ @agodenderu

おかん455 牢屋の中ではやはり本物の大僧正がピザポテトを食べていた。 「助けに来ました」 「おお、なんとありがたい」 「では救出料として500万円もらいましょうか」 「なんて奴じゃ」 本物の大僧正はこの時、ヘルガンツ大僧正以上の悪党に目をつけられたのではないかと思った。

2017-08-21 06:55:16
カメックスシ @agodenderu

おかん256 本物の大僧正は契約書にサインさせられて檻から出た。 「もう少しだけ私達に付き合ってもらうよ。これからヘルガンツ大僧正を脅迫に行くからね」 「誰を脅迫するんだぜ」 いつの間にかヘルガンツ大僧正はおかんの背後にいた。 「本物の大僧正はあげないしお前は地獄送りだぜ」

2017-08-22 06:55:09
カメックスシ @agodenderu

おかん257 ヘルガンツ大僧正は悪の仏法の力でおかんを圧倒した。 「ヘルガンツ大僧正め、よくも。このままやられるくらいなら善光寺に火を放ってやる」 「うわっやめろ」 おかんはガソリンを撒き散らしてから、本物の大僧正を抱えて逃亡した。 善光寺は大きな火災にならなかったそうだ。

2017-08-23 06:57:03
カメックスシ @agodenderu

おかん258 「このまま逃げられてはたまらんぜ。我が真の姿を見せる時が来たか」 悪の気がヘルガンツ大僧正を包み、その姿を変えていく。 ヘルガンツ大僧正はかつて近隣の自治会を滅ぼした悪魔の唐揚げにその姿を変えた。 「今殺してやるぞ」 おかんを追って飛んでいった先は大門の前だった。

2017-08-24 06:58:07
カメックスシ @agodenderu

おかん259 「おかんめ今すぐ地獄行きだぜ」 「それはどうかな、これを見ろ」 おかんの手にはビデオカメラかが。 「牢屋での事も全部ネットに流している。お前の正体も悪事も全部ばれてるんだ。さあみなさんこの巨悪に制裁を」 おかんと悪魔の唐揚げは二人まとめて群衆に石を投げつけられた。

2017-08-25 06:57:28
カメックスシ @agodenderu

おかん260 おかんと悪魔の唐揚げは群衆から四里も逃げた所で二手に別れた。 二人の勝負は引き分けという形で幕を閉じたのだった。 「おかんよ、大変な事をしたなぁ」 群衆から逃げきったおかんの道を塞いだのはいなり寿司のような頭巾を被った男だった。 「なんだアンタ」 「助六マン」

2017-08-28 06:54:31
カメックスシ @agodenderu

おかん261 助六マンがどこの誰なのか知らないが、勝手に長野市の真実を語り始めた。 「長野市三柱と呼ばれる三人がおってな、その内の一人がヘルガンツ大僧正。そして、二人目が長野市の裏の顔、ギャング王藤谷だ。ギャング王藤谷はエレベーターを自在に出現させる能力でのし上がった苦労人だ」

2017-08-29 06:57:36
カメックスシ @agodenderu

おかん462 「そして、最後の一人が長野市長兼商工会議長兼長野県警総監兼自治会長兼信州さわやかテニスクラブ会長を努める久米隆弘だ。長野市のあらゆる権力はこの男に行き着くと言ってもいい」 「はぁそれで」 「つまりお前はこいつらを敵に回したと言ってもいい」 「なんかいつも通りだな」

2017-08-30 07:02:54
カメックスシ @agodenderu

おかん463 「忠告はそれだけだ。帰って寝ていいぞ」 おかんは駐車場に寝に行った。 「これで良かったのですか大僧正」 地中から大僧正が顔を出した。 「あれは大悪党だが悪党に支配された長野市を救えるかも知れん。残り二人と同士討ちするまでは死なれては困る」 「善光寺炎上編」完

2017-08-31 07:01:35