コロナ禍の食と農 講座 第2回「コロナ禍と気候危機を警告に、根本から食・農・経済を考え直す」視聴報告2021.1.23

NPO法人 使い捨て時代を考える会が主催する「有機農業は地球を救う連続講座」です。講師は食糧問題研究家の平賀 緑さん。
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くうのる @kuunoru

平賀氏>現在の農業が気候変動に影響を与えているのは随分前からティム・ラングらが指摘。しかし日本語の文献は古いものしかない。生産だけでなく農薬の生産、流通、小売り等、フードマイレージで言われる距離以外の問題も多数。近いものを食べていればいいというわけでもない #第2回コロナ禍の食と農

2021-06-04 12:05:36
くうのる @kuunoru

平賀氏>どういうものを食べるかで違う。2001年にティム・ラングの研究室で学んだが、当時すでにフードマイレージの話はしていなかった。持続可能な食と農をどう築くかの話に。そのあたりの話が日本ではなかなか聞かれない。 #第2回コロナ禍の食と農

2021-06-04 12:05:44
くうのる @kuunoru

平賀氏>2019年の国連気候行動サミットでグレタさんがスピーチしたが、日本の環境大臣は飛行機で行ってステーキを食べてご満悦。最も環境負荷の高いと言われる牛肉を環境大臣が食べ、それが世界で報道され総スカンを食った。 #第2回コロナ禍の食と農

2021-06-04 12:05:54
くうのる @kuunoru

平賀氏>私は昔は食料と環境の話をしていたが、大学院に入ってから食料システムの話にシフトした。しかし日本でこの問題が軽視されてきたことにこれでショックを受け、以降は気候危機の問題を強調して紹介をするようにしている。 #第2回コロナ禍の食と農

2021-06-04 12:06:04
くうのる @kuunoru

平賀氏>海外では2006年にFAOが畜産業による環境への影響を指摘、それで菜食になる人もかなりいた。しかし肉だけか。食を支える穀物はどうか。食料工場では外から餌を投入しないといけない。本来は鶏も牛も自分で餌を採った。牛は人間の食べない草を食べてタンパク質に変えてた #第2回コロナ禍の食と農

2021-06-04 12:06:11
くうのる @kuunoru

平賀氏>また小麦9kgを北アメリカから欧州に輸出するよりも肉1kgの方が高く売れる。だから穀物を動物に食べさせて肉を得るという近代的な畜産が始まった。では穀物+油糧種子(グレイン)はどのように使われ誰がコントロールしているのか。 #第2回コロナ禍の食と農

2021-06-04 12:06:22
くうのる @kuunoru

平賀氏>その使われ方を見ると、人間が直接食べるもの=フード42%、動物に食べさせているもの=フィード35%、その他21%はバイオディーゼル等。人間が食べるものを動物や食べたりバイオ燃料にするのが悪いのではという話もあるが、なぜそうなったのか。 #第2回コロナ禍の食と農

2021-06-04 12:06:31
くうのる @kuunoru

平賀氏>付加価値がついて儲かるから、肉や燃料にする別の使い方を増やしていった。穀物の価格と石油の価格は見事に連動。燃料、農薬、化学肥料などで石油を多消費。穀物・油糧種子はほとんど遺伝子組み換え作物。逆に言うと、穀物・油糧種子がまず遺伝子組み換えで開発された #第2回コロナ禍の食と農

2021-06-04 12:06:41
くうのる @kuunoru

平賀氏>2018年遺伝子組み換え作物の半分が大豆、三分の一がトウモロコシ、油を取るのと飼料。五分の一が綿花で繊維と油を取る。残りはキャノーラ=菜種で油と、かすは肥料に。遺伝子組み換え作物のほとんどが穀物と油糧種子。 #第2回コロナ禍の食と農

2021-06-04 12:07:03
くうのる @kuunoru

平賀氏>日本の食料自給率は低いと言われるが、米はほぼ100%自給。足を引っ張るのは小麦12%、大豆7%、砂糖類28%、油脂類12%(ただし動物性含む。植物油だけなら2,3%)、飼料27%。穀物・油糧種子と呼ばれる食材の原料が特に自給率が低い。 #第2回コロナ禍の食と農

2021-06-04 12:07:12
くうのる @kuunoru

平賀氏>誰がこれをコントロールしているのか。多国籍穀物メジャー。ABCDと呼ばれる5社、アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド、ブンゲ、カーギル、ルイ・ドレフェス。穀物商社が世界貿易の9割を握る。表には出ないが、一般に口にする大豆等のほとんどはこれらの手を経ている #第2回コロナ禍の食と農

2021-06-04 12:07:22
くうのる @kuunoru

平賀氏>日本でスーパーで手に入る砂糖、油、小麦粉、思い浮かべてほしい(写真)。普通はこれら2社ではないか? そこには総合商社が関わっている。今の学生はあまり認識していないようだが、総合商社が投資しているコンビニ等を見るとわかりやすい。 #第2回コロナ禍の食と農

2021-06-04 12:07:32
くうのる @kuunoru

平賀氏>(※具体的社名が出ているため文字には起こさない。大手の××商事、××物産などが、アグリビジネスと組み、大手コンビニに卸していることを紹介)たとえば穀物商社として頑張っている○○社は、北米から輸入した穀物を中国へ、それを中国で豚肉等に加工し、日本で売る。 #第2回コロナ禍の食と農

2021-06-04 12:08:05
くうのる @kuunoru

平賀氏>ちなみに学生にはコンビニやスーパーでバナナを買いドールだったら○○商事だと紹介している。日系総合商社の戦略とは、たとえば出資したブラジルの農場で生産したものを、出資した中国の工場で加工して日本へ。その過程で需要を増やしていき、ビジネスを大きくする。 #第2回コロナ禍の食と農

2021-06-04 12:08:17
くうのる @kuunoru

平賀氏>需要を増やすとは。食べものは本来、人間が生きるための必須のもの。しかし大量生産されたものをより多く食べさせる戦略は○○協会など業界団体にたくさんある。特に砂糖や油や塩。この問題について研究された本「フードトラップ」がある。 #第2回コロナ禍の食と農

2021-06-04 12:08:25
くうのる @kuunoru

平賀氏>砂糖だけ油だけを大量に食べる人はいない。しかし、シュークリーム、ケーキなど何でもいいが、砂糖と油をうまく組み合わせると、人は必要以上に食べるようになるという研究を企業が公的資金も使って行っている。この本には「砂糖や油や塩、添加物。これは兵器に近い」 #第2回コロナ禍の食と農

2021-06-04 12:08:36
くうのる @kuunoru

平賀氏>消費者にもっと買わせるようにするために兵器である。つまり人間の胃袋のキャパシティは決まっていて、それ以上に食べさせるにはどうするか、経済成長のために取られた戦略は、不要不急、付加価値を付けた肉や贅沢な料理、旅行、オリンピック需要、ふるさと納税等。 #第2回コロナ禍の食と農

2021-06-04 12:08:48
くうのる @kuunoru

平賀氏>まとめていく。命の糧の食べ物と経済成長のための食料システムは分けてほしいと最初に言った。「食べもの」と「商品」を分けて考えると様々な矛盾がすっきり見える。洋食か和食か、小麦か米かという話ではない。 #第2回コロナ禍の食と農

2021-06-04 12:08:59
くうのる @kuunoru

平賀氏>自分で育てた小麦をじっくり醸したパンと、売っているふわふわのパン、どちらが主食になり得るのか。最近出た本「反穀物の人類史」によれば、なぜ穀物が主食になったのかをさかのぼると、メソポタミア文明の頃から、征服する側にとって都合のいい作物が穀物だったと。 #第2回コロナ禍の食と農

2021-06-04 12:09:07
くうのる @kuunoru

平賀氏>それは人の健康や自然にとって有益なものとは限らなかったのではないかと。なぜ芋ではなく穀物なのか。じゃがいもの方が育つのは早い。だが蓄積できない、重くて運搬が不便、腐りやすい。蓄えるには穀物がいい、税金を取るにも穀物がいいと見事にまとめられている。 #第2回コロナ禍の食と農

2021-06-04 12:09:18
くうのる @kuunoru

平賀氏>食と資本主義の歴史に私が注目しているのはそこ。現在の資本主義的食料システムは、食品=自然の恵みという話ではなく、食品=食べられる商品、資本主義の経済システムに組み込まれているもの。それゆえに地球や人を壊す仕組みになっている。 #第2回コロナ禍の食と農

2021-06-04 12:09:26
くうのる @kuunoru

平賀氏>ビフォーコロナ時代から食べもの、農業関係には問題が山積していた。しかし、資本主義経済的には何も問題ではない。当然の働き、まっとうに機能していたからこうなった。だからまずはその仕組みを理解するところから始める必要。大学でもそういう講義をしている。 #第2回コロナ禍の食と農

2021-06-04 12:09:34
くうのる @kuunoru

平賀氏>食から世界経済の成り立ちを学ぶための本がたくさん出ている。今日は説明しないが、要は、日本では食べものとは文化や個人の嗜好の話で扱われるが、経済の話を理解することが大事。 #第2回コロナ禍の食と農

2021-06-04 12:09:44
くうのる @kuunoru

平賀氏>重い話から離れて、今後の話。パンデミックの食と農。工業的畜産、大量生産したものを市場原理で世界に広げるサプライチェーンが今ある。パンデミックで物流が寸断されたり労働者が動けなくなって生産が止まったり、劣悪な労働環境を無視してクラスターが広がったり。 #第2回コロナ禍の食と農

2021-06-04 12:09:53
くうのる @kuunoru

平賀氏>ちょっと穀物の輸入が止まると自給率がという騒ぎになるが、穀物がそれだけの問題ではないのは先ほど話したとおり。パンデミックでは外食産業が大変だったが、一方でスーパーやコンビニでは品がなくなった。もっとも影響を受けたのはグローバルサプライチェーンと思う #第2回コロナ禍の食と農

2021-06-04 12:10:05