大野更紗さんの『困ってるひと』と、社会保障制度のあり方について
改めて大野更紗さんの『困っている人』を読み返す。やっぱりWebより本のほうが読みやすい。そしてこの本が「社会保障とは何か」を率直に示している本であることを改めて実感する。「困っている人に持続可能な形で手を差し伸べる精度」それが社会保障精度の根幹である。
2011-08-09 16:24:59逆にいえば「持続可能でなければ、社会保障の意味はない」とも言える。それは社会保障が「権利」であって「特権ではないこと」の重要性と繋がってくる。「困っているのだと声高に叫ばないと受けられない精度」は、社会保障では無いのだ。
2011-08-09 16:26:13本の中で、彼女は常にペーパーの海に埋もれている。それは行政が彼女に対して「保障して欲しければ、ペーパーを通じてその意志を叫べ」と強要しているのである。そしてそのことに彼女は疲れ果てている。
2011-08-09 16:27:53世間は多分、この本を「難病女子の闘病記」として読むのだろう。しかし本当はこの本は「持続可能でないボロボロの社会保障に困らされている人の話」である。
2011-08-09 16:29:30彼女は本の中で「困っている人に必要なのは、優しい人とのつながりではなく、持続可能な社会保障制度だ」と明言している。優しさは風邪などの一時的な疾患に対しては有効であろうが、持続的な困難に対しては、支えられる方にも支える方にも、深刻なダメージを与えてしまう。
2011-08-09 16:31:44この本を単なる「難病女子奮戦記」から、いかにして「社会保障を通じた扶助の重要性」につなげていけるか、そして「やさしい個人」を利用という私たちの甘えを排除につなげていけるか。それがこの本を評する人の役割だろう。
2011-08-09 16:35:20RT @fujitatakanori: 8月10日「わたしたちの声をきいてください!生活保護利用者デモ」 http://hotplus2011.blog.fc2.com/blog-entry-76.html
2011-08-09 16:51:23社会保障が叫ぶ声の大きさで決定される「特権」に過ぎないなら、数の少ない難病患者の社会保障は後回しにされる。放射性物質への叫びはすぐに大きくなっても、難病患者の叫びは小さなままだ。
2011-08-09 16:53:59