マスター・オブ・パペッツ #3

ネオサイタマ電脳IRC空間 http://ninjaheads.hatenablog.jp/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【この物語は】 ・舞台は近未来、ネオサイタマ ・ニンジャは常人を遥かに超える身体能力を持った存在であり、闇の社会を支配している ・太古の昔から生き続ける「リアルニンジャ」たちが世界に帰還し、混沌の世が訪れようとしている。ダークカラテエンパイアだ ・ニンジャスレイヤーが戦う!

2021-06-03 21:04:57
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【現在のエピソードは】 ・狩りの儀式「ストラグル・オブ・カリュドーン」の標的にされたニンジャスレイヤー ・七人の狩人がネオサイタマに潜入した ・規定に従って一人ずつ襲ってくる奴らを最終的に全員倒し、狩人の後ろ盾のリアルニンジャ達にも、自分達がどれだけ間違った事をしたかわからせろ

2021-06-03 21:07:37
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【ニンジャの凄さ】 ・身体能力が常人の三倍以上 ・銃弾を指で掴んだり躱したりする ・カラテで戦車を破壊したりする ・「ジツ(術)」を使って火を出したり、天変地異を起こしたりする ・強いので、悪い奴がかなり多い ・ニンジャの暴威を目の当たりにすると嘔吐したり記憶を失ったり発狂する(NRS)

2021-06-03 21:11:58
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

【ネオサイタマ】 ・ハイテクノロジーの坩堝 ・編笠を被った人やチョンマゲ、パンクス、サラリマンなどが暮らす ・犯罪が発生しやすい ・暗黒メガコーポが勢力争いをしている ・インターネットが盛んなので、神経をLAN接続したりしている ・世界中のヤバい奴らの憧れ ・命がけで成功を掴み取れ

2021-06-03 21:15:31
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

マークスリーは唸りをあげるプラズマカタナを鞘走らせ、スモトリニンジャを冷たく見据えた。殺気が衝突し、二者の間の空気がどろりと濁った。その時だ。「イヤーッ!」KRAAAASH!スモトリニンジャの後ろで、壁が破砕し、吹き飛んだ。カラテによって壁を壊し、入ってきたのは、赤黒のニンジャだった。 0

2021-06-03 21:22:05
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「フゴゴゴーッ!」スモトリニンジャは咆哮をあげ、狙いをマークスリーから赤黒のニンジャに切り替えた。音と動きに反応したのだ。床を摩擦熱で焼き焦がしながら方向転換し、赤黒のニンジャに突進する!「イヤーッ!」「アバーッ!」鋭い裏拳がスモトリニンジャの顔面に焼印を捺した! 1

2021-06-03 21:25:43
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

突進が充分な速度を得る前に封じ込める、苛烈なカラテだった。「アバババーッ!」スモトリニンジャは悲鳴をあげ、たたらを踏んだ。その瞬間、マークスリーは床を蹴っていた。美少年の冷たい眼差しが空気に軌跡を残す。彼が着地した時、スモトリニンジャは首と胴体を水平に切断されていた。 2

2021-06-03 21:27:59
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「サヨナラ!」スモトリニンジャは爆発四散した。「俺様が爆発しちまった!?」ピーボディが悲鳴をあげた。マークスリーは振り返り、処刑の手さばきでプラズマカタナを振り上げた。「否。貴方はニンジャではない。生きる価値のない底辺の非ニンジャです。己をわきまえて死ぬといい……」 3

2021-06-03 21:30:32
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「待ってください!」コトブキが叫んだ。マークスリーは訝しみ、赤黒のニンジャは眉根を寄せた。コトブキは這いつくばるピーボディの腕を捻じった。「確保!」「グワーッ!」「戦いは終わりました。この犯罪ハッカーにこれ以上の戦闘意志はありません。ザック=サンも無事ですし、野望は潰えました」 4

2021-06-03 21:32:57
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「理解できない。あなたは何を言っているのですか?生かす価値のないクズではないですか」「とにかく、そうしましょう」コトブキはその場のものを使ってピーボディを後ろ手に縛り上げた。そして赤黒のニンジャを見た。「ニンジャスレイヤー=サン」「……どういう状況だ。これは」彼は睨んだ。 5

2021-06-03 21:36:18
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「フッ……」マークスリーは髪をかきあげ、悠然とアイサツした。「ドーモ。ニンジャスレイヤー=サン。マークスリーです」「ドーモ。マークスリー=サン。ニンジャスレイヤーです」ニンジャスレイヤーはアイサツに応じた。アイサツされれば応えねばならない。古事記にも書かれた掟である。 6

2021-06-03 21:38:16
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「待ってください!」オジギ終了と同時にニンジャスレイヤーが襲いかかるのを待たず、コトブキが再度叫んだ。「彼は違うんです!」「違う?」「ニ……ニンジャスレイヤー=サン、貴方を手配したのはタキ=サンですね?ですが、それを待たず、このマークスリー=サンが救出に力を貸してくれて……」 7

2021-06-03 21:44:04
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「エット……」ザックはニンジャスレイヤー、コトブキ、マークスリーを交互に見た。コトブキはザックに目配せをした。ザックは黙った。ピーボディは「チクショウ!」と呻いた。マークスリーはニンジャスレイヤーに隙のない構えで対峙する。「見ての通り、僕はレディの力となるべく馳せ参じたまで」 8

2021-06-03 21:47:21
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「なんでもいいが、それなら、用は済んだな」ニンジャスレイヤーは拳を握り込んだ。「ここで仕留める」「フ……まさしく獣だな」マークスリーは己の眉間に指を当て、やれやれと首を振ってみせた。「対戦開始の鐘が鳴っていない以上、僕が今ここで貴方の相手をしてあげる筋合いはありませんよ」 9

2021-06-03 21:52:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「……おれにはある」「待ってください、ニンジャスレイヤー=サン!」コトブキは逡巡したが、諦めて、知った相手に話す口調となった。「その……今は、おさめてください!」「!」マークスリーはその瞬間、ピザタキとニンジャスレイヤーの繋がりを確信した。同時に、奇妙な胸騒ぎをおぼえた。 10

2021-06-03 21:55:36
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「彼は、これまでの相手と様子が違うのです」「実際そうなんだ」ザックも助け舟を出した。「お、俺もバッチリ、アニキが言った七人の名前は覚えてっから……こいつの名前聞いた時は、超ヤベエと思ったよ……だけど……」「情報は共有済みというわけですか」マークスリーはニンジャスレイヤーを睨む。11

2021-06-03 21:59:33
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ニンジャスレイヤーの殺気が背中に陽炎を生じた。「フ……安心してください。僕は騎士として正々堂々の戦いを貫く。この場にいるのが他の狩人でなかったことを幸運に思うがいい」マークスリーは人質作戦など取らぬ事を示すべく、横に退いた。コトブキはニンジャスレイヤーのもとに駆け寄った。 12

2021-06-03 22:02:38
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「……正々堂々か」ニンジャスレイヤーは貫くような眼差しでマークスリーを見た。マークスリーは凝視を真っ向受けた。「その場の状況において、必要とされる振る舞いを取るまでです」七人がかりのカンジ・キルは多勢無勢のイクサではなく、あくまでカリュドーンの儀式の端緒を開くもの。正当だ。 13

2021-06-03 22:07:17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「とにかく、このままこの場にいると、増援のギャングが来る可能性があります」コトブキが躊躇いがちに口を挟んだ。「ザック=サンも外傷は無いですがPTSD的かも知れません。まずは……ピザタキに戻りましょう。少なくとも、マークスリー=サンに対して、この件に関しては、お礼をしなければ」 14

2021-06-03 22:09:48
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ニンジャスレイヤーの目に赤黒の火が走った。彼はコトブキをザックの方向にどけると、マークスリーに向かって一歩踏み出した。マークスリーは怯まず、胸を張って待ち構えた。二者の間の空気がキリング・オーラで飴のようにこごった……! 15

2021-06-03 22:15:41
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

チーン!オーブン・レンジが音を鳴らした。「焼けましたね!」カウ・ガール姿のコトブキが、溌剌と中身を取りに行った。その場を明るく鼓舞するようなカラ元気だった。カウンター奥のタキは青褪めた表情でコトブキを目で追い、テーブルを見、入り口付近で壁に寄りかかって立つマスラダを見た。 17

2021-06-03 22:19:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

テーブル席でトルティーヤ・チップスをゴミを見るような目で見ているのはマークスリーだ。同席するザックは気まずそうにしながらトルティーヤにディップをつけ、口に運ぶ。ザックの大好きなトルティーヤだが、ダンボールを噛むような顔だ。マスラダはマークスリーを凝視し、いっときも目を離さない。18

2021-06-03 22:22:41