第二話

＿＿＿の箱庭 @kami_bake

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幾許かの時間が過ぎ、黒い霧は辺りから消え去った。

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そこに在るのは、美しい箱庭の世界。いつも通りの箱庭。

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「ありがとうございました、お疲れさまでした皆さん。」

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蒼い首巻を身に着けた子供のような貌をした神は、ふよふよと浮かびながら嬉しそうに微笑んだ。

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「あくまで叶えられる範囲のみ、ですが…何かご希望の謝礼などございますか？」

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ひとりひとりの顔を見やり、尋ねる。

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「う～ん…僕は気持ちよく眠れるならそれでいいかなぁ」

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ふぁ、と一つあくびをしてヒュプは答える。

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「そうですね…強いて申し上げるならば、暫く暇を頂いても？」

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「…ええ、そういうことなら＿＿いえ、そういうことでなくても勿論構いませんよ。」

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ゼルシーは黄金に輝く瞳に優しげな色を滲ませて答えた。

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ゼルシーには全てお見通しなのだろうとタナシスは思案する。

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「私は……特に思い浮かぶものは…………ない、な……」

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「おや、そうですか？ならばこれを機に貴方もゆっくり家で休まれるのは如何でしょう？」 暫くは私一人でもなんとかなりそうですから、と付け加えてゼルシーは返した。

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「なら、僕と一緒にお昼寝しようよ。」

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「……ああ、君は、＿＿」

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「ヒュプ、だよ。僕と、兄さんと一緒に、どうかなあ。」

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「…すまない、ヒュプ。…ならば………そう、させて………もらおう……」

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ヒュプとヴィーヌのやり取りを微笑ましそうに眺めてから、ゼルシーはシナーとアレンの方へと向き直る。

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「お二人は如何ですか？なにかご希望は…」

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「そ、そんな言葉で俺を油断させようとしても無駄だぞ！！」

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「アレン君、何か欲しいものややりたいことはあるかな。」 「俺は、シナー様がいてくださればそれで充分です…！」 pic.twitter.com/i6RJLdzYmj

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「ふふ、そんな風に言われると少し照れてしまうね。」

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にこ、とシナーはアレンに微笑みかけて返す。