【思い出語り】プリパラ筐体の不名誉なバージョンと名誉な対応

いちプレイヤーとして、筐体の挙動と当時の運営の発表から、あの時に何が起きたかを考察して、感想を交えながらまとめてみた。
バグそのものは、決して好ましい出来事ではなかったけど、あの時の運営の頑張りはいつまでも覚えていたい。

前提知識

プリパラ筐体では、ICカードのようなアイテムを使用せず、プリチケ（カード）に印刷される二次元コードに、最新のセーブデータを書きこむ設計になっていた。
（古いプリチケをスキャンするとセーブデータも過去に戻る）
それとは別に「プリパラクラブ」というスコアランキングなど閲覧できるウェブサイトが過去にあり、その名残でハイスコアなど一部のプレイ情報をサーバに送信する機能が備わっていた。
（サーバにセーブデータの全体を保存できなかったのは、稼働開始当時の通信機器の性能では難しかったという説がある）

なお、文中で「マイチケ」という用語が使われているが、これは「自分のセーブデータ入りのプリチケ」という意味合い。

経緯

当時は、新型コロナウイルスの流行の第一波であり、ゲームセンターに対する休業要請期間と、新弾『ライブ7弾』の稼働開始日が被ってしまった。
そこで『ライブ7弾』への切り替えを打ち消す処置を行ったはずなのに、どういうわけか『ライブ7弾』のコーデを排出してしまうバグが発生した。
5.07.02.00はそれを修正するためのアップデートのはずだった。
しかし、それが前例のない重大なバグを発生させてしまった。

持っていたはずのアイテムが突如として消えるのである。

バグ発生当初、運営でも原因が分からず混乱していた様子で（ゲーム内にある）『コインショッピング』を利用すると、買ったアイテムが消えてしまうので、『コインショッピング』は利用しないでくださいという趣旨のアナウンスがされた。
（下記リンク参考）

しかし、実際には『コインショッピング』の利用の有無にかかわらず、5.07.02.00で2回以上遊ぶと、過去に入手した物を含めて所持アイテムが失われるバグであることが判明した。

プリパラ筐体は2014年に稼働を開始した歴史ある作品で、稼働開始当初から遊び続けているプレイヤーもいる。
しかも『コインショッピング』とは無縁のアイテムまで消失してしまう。もはやコインを配布して買い直しをお願いする対応で済ませることはできない状況であった。

上に戻って『前提知識』を読み直してほしい。
この2つの記録をどうにか合体できれば、失われるデータは最小限で済むだろうという判断だろうか。

すなわちバグが発生する直前に印刷された二次元コードのセーブデータ＋
サーバに保存されている最新のスコア（いいね数）という合体である。

かくして『一番新しいマイチケをスキャンしてね』と案内している運営が、故意に過去のマイチケをスキャンするようにプレイヤーに呼びかけるという前代未聞の対応が行われた。

（下記リンク参考）

最近の対応の変化

3回目の緊急事態宣言では、東京都など一部地域でゲームセンターに対する休業要請が再び行われたものの、弾そのものを延期する対応ではなく、一部のイベントについて後日機会を設ける対応が取られている。