前田健太郎『女性のいない民主主義』読書メモ集

前田健太郎『女性のいない民主主義』(岩波新書、2020)の読書メモをまとめました。
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荒木優太 @arishima_takeo

「緊縮財政は同時に軍縮をともなう以上、軍部や右翼からの反発も予想された」(前田健太郎『女性のいない民主主義』)。もしかして左派が緊縮財政派だって批判されるのってこれと関係あるの?

2021-06-23 08:57:08
荒木優太 @arishima_takeo

「マンタラプションは、「男性」を指す「man」と「遮ること」を指す「interruption」を組み合わせた造語であり、マンスプレイニングにやや遅れて流行を開始した」(前田健太郎『女性のいない民主主義』)。うーん、覚えられんなあ。足を広げる方はなんてんだっけ。

2021-06-23 09:55:02
荒木優太 @arishima_takeo

一九三一年、市川房枝が第二回全日本婦選大会の開会の辞を述べようとした際、右翼活動家の赤尾敏が市川を壇上からひきずり下ろそうとした。赤尾は、女性参政権が認められた戦後も市川の関わる集会に登場し、同様の妨害行為を働いたという。by前田健太郎『女性のいない民主主義』

2021-06-23 09:58:59
荒木優太 @arishima_takeo

「最近の若者はごく自然に男女平等の感覚をもっている」って言説と「最近の若者はフェミニズムを時代遅れだとして関心を示さない」という言説にはどういうふうに付き合っていけばいいのか。

2021-06-23 11:19:57
荒木優太 @arishima_takeo

権力者が、選挙に敗北して退場する可能性があるかどうか。ある国が民主主義国であるかを判定する基準は、それだけである。by前田健太郎『女性のいない民主主義』

2021-06-23 11:34:05
荒木優太 @arishima_takeo

「今日の世界における様々な政治体制の中で、相対的に民主主義体制に近いものを、ポリアーキー(polyarchy)と呼ぶ。ポリアーキーは、普通選挙権を付与する「参加」と、複数政党による競争的な選挙を認める「異議申し立て」という二つの要素から構成されている」(『女性のいない民主主義』)。へぇ。

2021-06-23 11:44:45
荒木優太 @arishima_takeo

「代表性の確保された議会とは、議会の構成が、階級、ジェンダー、民族などの要素に照らして、社会の人口構成がきちんと反映されている議会である。このような意味での代表を、描写的代表(descriptive representation)と呼ぶ」(『女性のいない民主主義』)。へぇー。男女比平等論もこれに近いか。

2021-06-23 11:49:43
荒木優太 @arishima_takeo

女性参政権も含めた形で民主主義の概念を厳密に適用するならば、政治学の教科書における民主主義の歴史は書き換えられねばならない。その場合、民主主義の第一の波は、一八二八年のアメリカではなく、一八九三年のニュージーランドで始まる。by前田健太郎『女性のいない民主主義』

2021-06-24 13:26:04
荒木優太 @arishima_takeo

「元々、多元主義モデルは、ヨーロッパで見られるような階級対立のない、アメリカの利益集団政治を記述するために生まれたものである」(前田健太郎『女性のいない民主主義』)。ああ、たしかにな。そう考えるとマルクス主義者がプラグマティストを批判するのもよく分かる。

2021-06-24 14:19:37
荒木優太 @arishima_takeo

多元主義が階級闘争を骨抜きにさせるものであり、アメリカ的イデオロギーを押しつけるものではないか疑惑に対して、デューイあたりなんか言ってないか?

2021-06-24 14:22:02
荒木優太 @arishima_takeo

「多くの有権者は、女性候補者に偏見を抱く以前に、そもそも政治に対する関心が薄い」(前田健太郎『女性のいない民主主義』)。これは、【多くの読者は、女性批評家に偏見を抱く前に、そもそも批評に対する関心が薄い】とも言い換えられそうだが。

2021-06-24 15:13:44
荒木優太 @arishima_takeo

政治的無関心を前提にした単純接触効果で支持基盤を作ろうとしたさい、女性立候補者にとって不利に働くのは、ジェンダー規範(家事や育児を疎かにしてはならない)も勿論だが、それ以上に投票者の側に男性的なアプローチを誘発させて、そのコミュニケーションがウゼエというのが大きいのではないか。

2021-06-24 15:20:44
荒木優太 @arishima_takeo

前田健太郎『女性のいない民主主義』読了。噂に違わずいい本だった。普通の教科書だと一章をフェミニズムで項化して済ませてしまうところを、ジェンダーと無縁な政治はありえないという前提のもと政治学解説する。フェミニズムの本読んだなーって読後感ではないので、きっとその企図は成功していよう。

2021-06-24 15:41:38
荒木優太 @arishima_takeo

日本でのジェンダー・クオータ制の導入が待たれるが、その思想的バックボーンがどうなっているのかはもうちょっと知りたかった。女性比の強制だけだと性的マイノリティにとって不十分であることは言及されるが、その強制には障碍者、子供、フリーターなどは入れなくていいのか等。

2021-06-24 15:48:12
荒木優太 @arishima_takeo

クオータ制を求めるに足る属性の要件とはなんなのか。女性比を強制するにしても、若年女性と高齢女性を分けなくていい積極的理由などはあるのか。

2021-06-24 15:49:47
荒木優太 @arishima_takeo

アン・フィリップ『存在の政治』やモナ・リナ・クルック『政治における女性のためのクオータ』の翻訳が待たれる(…が、されそうもないか…)。

2021-06-24 15:52:47