「ワクチンの接種が進めば新型コロナは撲滅されてコロナ前の生活に戻れるだろう」と期待している人が多いようだ。
2021-06-25 23:48:35しかしその期待に水を差すようで申し訳ないが、生物学的に考えて新型コロナウイルスを撲滅することは不可能である。 今回はその根拠を述べて行こうと思う。
2021-06-25 23:48:42ワクチンを打っても感染はするし、変異も起こる
まず、ワクチンを接種してもその人が新型コロナに感染しなくなるわけではない。 もちろんある程度は感染も重症化も防げるのだが、100%完全に防ぐことはできない。 つまり、もしワクチンの接種率が100%になっても、一部の人には感染するためウイルスは細々と生存を続ける。
2021-06-25 23:48:49例えばインフルエンザにもワクチンはあるが、ワクチンで感染が防げる割合は50%程度しかないため、インフルエンザも撲滅できていない。
2021-06-25 23:48:54「新型コロナワクチンは90%以上の高い効果があるじゃないか」と思うかもしれない。 ワクチンが(変異株でない従来型の)新型コロナに対して高い効果を示すのは、実は当たり前のことなのである。
2021-06-25 23:48:59なぜなら、新型コロナが誕生した当時、新型コロナに対する免疫を持つ人は存在しなかったので、新型コロナウイルスの側も免疫を回避する必要が無かった。
2021-06-25 23:49:04人の持つ免疫はウイルスに対し「選択圧」(=ある生物の生存率を下げる環境要因)を生じさせる。 免疫を持つ人が増えていくと、免疫を回避する変異を獲得したウイルスが生き残るようになり、そうした変異株が中心となって広まるようになる。
2021-06-25 23:49:08当初、新型コロナの免疫を持つ人がいなかったということは、免疫を回避する変異株がもし生まれたとしても、その変異株に特に有利な状況にはならない。 免疫を回避する変異株よりも、単純に感染力や増殖力の強い変異株が生存に有利となるので、免疫回避株が広まることはなかった。
2021-06-25 23:49:15だからこそ、免疫を持つ人が既に多くいるインフルエンザよりも高い90%以上というワクチン効果が出たのは当然と言えるのだ。
2021-06-25 23:49:21だが今後、ワクチン接種が進んでいけば免疫を回避する変異株が出てきた時にその株が中心となって感染が広がることは必定であり、もはや時間の問題である。
2021-06-25 23:49:27免疫を回避する機能を持つ変異株が出てきた時、その株がどの程度の確率で免疫を回避できるのか、インフルエンザワクチンの50%より高いのか低いのかは分からない。
2021-06-25 23:49:31ただ、新型コロナウイルスがインフルエンザウイルスよりも変異しやすいことを考えると、インフルエンザワクチンよりもワクチンの効果は低い(例えば20~40%)程度になるかも知れない。 (なお、変異の非常に速いウイルスであるHIVは変異が速すぎてワクチンの効果はほぼゼロである)
2021-06-25 23:49:37野生動物の存在
では、そうした免疫回避株が出てくる前のワクチン効果が高いうちにワクチン接種を早急に進め、ウイルスを駆逐してしまうことはできないのだろうか? しかしもはやそれすらも不可能だ。
2021-06-25 23:49:44なぜなら新型コロナは人獣共通感染症である。ペットや動物園にいる動物だけでなく、野生動物からも新型コロナウイルスは検出されている。 デンマークで毛皮を取るためのミンクから新型コロナの変異株が人に感染したというニュースを知っている人も多いだろう。 www3.nhk.or.jp/news/html/2020…
2021-06-25 23:49:51地球上の全ての野生動物にワクチンを接種することなどできない。 もう新型コロナウイルスを地球上から撲滅させることは不可能なのである。
2021-06-25 23:49:57ほぼ全人類が感染し免疫が広がれば「普通の風邪」に
新型コロナは最終的にどうなるかというと、早かれ遅かれほとんどの人が感染することになる(ワクチンを打っていれば無症状で済むことが多くなるだろうが)。
2021-06-25 23:50:03そして全人類が幼い子供の段階で免疫を獲得するようになれば、歳を取ってから再び感染しても重症化することは少なくなり、いずれいわゆる「普通の風邪」の一種になることだろう。 mainichi.jp/articles/20210…
2021-06-25 23:50:09