ライスのアニメ感想:#100 REDLINE(製作:マッドハウス、2010年)
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はい。記念すべきアニメ感想100回目は昨年2010年公開の劇場アニメ作品「REDLINE」。アニマトリックスなどで一部で有名だった小池健監督初作品でもあります。公開時に感想をきちんとつぶやいてなかったので、今回BDの発売を記念しての感想となりました。
2011-08-13 01:24:23さて、REDLINE。製作はマッドハウス。監督は初監督の小池健監督。原作はプロダクションIGなどで活躍するプロデューサーの石井克人さん、そして脚本がその石井さん、攻殻機動隊-STAND ALONE COMPLEXの櫻井圭記さん、エヴァやフリクリ、スタドラの榎戸洋司さんという布陣。
2011-08-13 01:29:55さらにwikipediaにも載っていませんが、作品全体の構成を榎戸さんが手がけています。これは最初劇場で見た時、驚きとともに納得&歓喜しましたねえ。まさか構成までしてるとは思っていなかったので(前情報で脚本やるのは知ってました)。
2011-08-13 01:33:03お話は極めてシンプルです。5年に一度開催される全宇宙最大規模の超危険なカーレース、REDLINEの模様を活写した、いわゆるレースモノ。そこにまつわるドラマと言った印象。キャストは主役のJPをキムタク、ヒロインのソノシーを蒼井優我演じています。メインもサブも割と違和感なく聞けます。
2011-08-13 01:37:22誤字訂正 我→が
そして自殺してしまった声優、郷里大輔さんの遺作でもあり、現在病気療養中の青野武さんの最新の仕事(のはず)でもありますね。そういった点でもなかなか感慨深い作品でもあります。
2011-08-13 01:39:02さて、本編は三つのストーリーに分かれていると思います。一つはREDLINEレースの様子、二つ目はJPとソノシーのラブロマンス、三つ目はJPの相棒であり彼を使って八百長レースを仕組むフリスビーの話。
2011-08-13 01:41:50作品自体が「壮大な物語のクライマックス100分間」というコンセプトの基に作られている作品ですので、結構、話と設定に穴があったり、脳内補完すべき箇所が散見されたりしてますが、そこを手書きにこだわった作画とケレン味溢れるストーリーで乗り切った映画とも言えます。
2011-08-13 01:45:39それぞれの話のラインを見ている限りだと、REDLINEのレースと骨子を石井さん、フリスビー界隈&他のレーサー、ロボワールドなどのストーリーを櫻井さん、JPとソノシー界隈の話を榎戸さんが作り、全体を榎戸さんがまとめたんじゃないかなあという想像をしています。
2011-08-13 01:48:01メインストーリーはJPとソノシーのストーリーです。草レーサーだったJPと親がジャンク屋&レーサーで必然的にレーサーの夢を持ったソノシー。REDLINE参戦が決まった後で、二人は出会ったけど実はもっと以前に…というストーリーライン。
2011-08-13 01:51:27一方、フリスビー(声は浅野忠信)の話にもJPはもちろん関わっていて、JPの相棒であり、彼の愛車トランザムのメカニックでもあるフリスビーはJPをレースを勝たせるために高価なパーツを手に入れる手段として八百長レースに手を染めていく。という硬派なストーリー。
2011-08-13 01:54:44さらにはREDLINE開催地は軍事惑星ロボワールドと決まったからさあ大変ということでロボワールド軍とレーサーの攻防が大小さまざまあり、ゴールを目指すというストーリーでした。
2011-08-13 01:56:05全体としてはJPの最初の台詞で「ケレン味たっぷりにやってるんだ!」というのを地で行くストーリーで車の大爆走する超スピードに乗って進行する話なので深く考えずに見ることも可能な作品ですねえ。超危険なレースを体感するという点では一級品じゃないでしょうか。
2011-08-13 01:58:49細かく見ていくと、フリスビー側は贖罪のストーリーなのですね。フリスビーはただJPをレースで勝たせたいがために、自らの手を犯罪に染めていき、もう引き戻せない所まで来てしまっていたが、やっぱりJPの勝つ所を見たかったという。
2011-08-13 02:00:45JPはそのフリスビーの葛藤を知ってか知らずか、彼のチューンアップしたトランザムに乗り続けて、八百長に加担し続けていたという。彼らを表す言葉として「運命共同体」というのが出てきますがまさにそうなわけで、結局二人とも地はレース狂のマシン狂なんですよね。
2011-08-13 02:03:43彼ら二人とエンジンの調達を担当するモグラおやじとかつてはチームを組んで、レースに参加していたという描写があり、今と昔では関係が変わってしまったことが強調されていますがやはりその本質は変わっていないという。
2011-08-13 02:05:31この八百長サイドにはイヌキ組というヤクザが当然のごとく加担していて、フリスビーの足枷になっていたわけですが、どうも組長のイヌキがJPとフリスビーの運命を分けた張本人という裏設定がどうもあるように思いました。キーワードは黄金。JPには過去の憧憬として、フリスビーには取引相手として。
2011-08-13 02:09:24JPはただ単に車に乗って美女にちやほやされる金持ちに憧れを抱き、巨万の富を手に入れる事を夢見て、レースを始めたきっかけになったようですが、フリスビーはそのJPの夢を支えるために、悪魔と取引をしてしまったという流れかなあと。※JPのエピソードはメインエピソードにも繋がっていきます
2011-08-13 02:11:36しかしフリスビーの性根は腐りきっていなくて、REDLINEに参戦できたJPの活姿を見たくなったという本音が出て、イヌキ組に反抗したというわけかなあと。当然黙っているわけでもなく、窮地に陥ってしまうけど、そこへやってきたのがかつての仲間であるモグラおやじだったという話。
2011-08-13 02:13:47誤字訂正 活→勝つ
そしてフリスビーは自分の侵した罪にむせびながらもJPの戦う姿を見守る事が出来たって言う渋いエピソード。これが本編の裏に流れているエピソードであるわけですが、メインエピソードはレースを軸にしたラブストーリーです。
2011-08-13 02:16:05誤字訂正 侵した→犯した
「すごく優しい男」の異名をとるJP、彼がREDLINEを目指すきっかけになったのが少年の頃に出会ったソノシーだったというストーリー。ソノシーは覚えていないけど、それでも彼女とレースに参戦する日を夢見ていたという。元々金儲けのために、始めたレースだったわけだが始めて彼に目的が出来た
2011-08-13 02:19:05誤字訂正 始めて彼に→初めて彼に
それがソノシー。REDLINEがスタートする前段階のあれこれで、JPがソノシーに言い寄ったり、淡いランデブーがあったりするのはそういう過去に起因するものだったんじゃないのかなあと思うわけです。結構純情なラブストーリーが展開されていたりします。
2011-08-13 02:23:15