ナコ @nakotic の #twnovel 全部

なこのついのべを全部まとめてみた。 ひまな時にどうぞ。
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ナコ@文学フリマ東京Q-01 @nakotic

#twnovel 「何故、こんなことをしたのか?貴方の身体に、貴方の皮膚に、私を刻み込むために。私のことが忘れられなくなるように。愛でも憎しみでも、私に対して、強い感情を抱くように。いつか愛する人に出会ったのなら、その時に私を思い出すように。愛していますよ、貴方を」

2011-02-27 03:52:38
ナコ@文学フリマ東京Q-01 @nakotic

#twnovel 鋭いナイフも、致死性の毒も、自爆のための爆弾も、今はしまっておこう。まずは素手で戦うこと。武器の性能ではなく、自分の拳で。手が痛くなるように。きちんと痛みを引き受けられるように。飛び道具なんて、信用できない。弾が切れたら、おしまいだろう?(ある格闘家の言葉)

2011-02-26 23:29:36
ナコ@文学フリマ東京Q-01 @nakotic

秋成、あんただったら、こんな時、どうする?あんただって、私と同じで、泣けないだろう?十年前から一緒に歩いている、私の片割れ。決して肌を触れ合うことのない、架空の半身。 #twnovel

2011-02-26 21:29:02
ナコ@文学フリマ東京Q-01 @nakotic

#twnovel 私の身体から、私の意思とは無関係に、体液が零れ出る。涙が滲む。口から空気を取り込みすぎて、口腔が渇いている。「薬、を」。私の皮膚の下を波立たせる、私の免疫システムを攻撃してくる、なにか。粘膜の違和感を抑え込むために、意思に反して指をあてがってしまう。花粉が来た。

2011-02-26 21:16:15
ナコ@文学フリマ東京Q-01 @nakotic

#twnovel 触れ合う手の熱さや、唇の味や、皮膚の滑らかさに、まったくと言っていいほど、違和感などなかった。睫毛が触れ合うほどの距離で見つめ合う。これは私。見つめる瞳の向こう側から見つめてくる私の、その奥にいるのも私だった。かつてなく安らいだ表情で、うっとりとほほ笑んでいる。

2011-02-22 15:38:03
ナコ@文学フリマ東京Q-01 @nakotic

そして、花束のような蜜月は終わり、再び砂浜のような日常が始まる。 #twnovel

2011-02-21 04:28:37
ナコ@文学フリマ東京Q-01 @nakotic

「どんなに最悪の状況でも、常に最善を尽くすこと。泣かないこと。喚かないこと。歯を食いしばって笑うこと。さいごには一人きりだと知ること、だ。辿り着いた先がどんな地獄だろうと、人間はそこで生きていかなければいけない。」 #twnovel

2011-02-18 01:41:13
ナコ@文学フリマ東京Q-01 @nakotic

心の強さと情の厚さを両立させることはできるのだろうか。あるいは、明晰に慈悲深く狂うということ。 #twnovel

2011-02-06 17:26:41
ナコ@文学フリマ東京Q-01 @nakotic

#twnovel 帰りの電車内、何か違和感がある。何だろう。ふと足元を見る。「あ」自分以外の全ての人間の、足が左右逆だった。停車駅のアナウンスを聞いて、目の前に座っている男性が、週刊誌から顔を上げた。左右が逆に付いている目が、俺の目と合う。

2011-02-03 01:19:00
ナコ@文学フリマ東京Q-01 @nakotic

ザッケローニタワー。呪われた塔。晴れ間のささない最果ての荒野にそびえる。その先端は雲の中に霞み、時折鈍い色の雷が落ちる。それを目指す旅人の多くは荒野の獣に食われ、辿り着いた者が帰還したという話も聞かない。恐らく、辿り着いた時に生涯の幸運を使い果たしてしまったのだ。#twnovel

2011-01-30 13:56:52
ナコ@文学フリマ東京Q-01 @nakotic

野に咲く花は、摘まれることを待っているんだろうか。その時は白い手で摘まれて、しばらくは明るいリビングで注目を浴びて、そののちに干からびて捨てられるのだろう。それとも、誰にも見つけられずに種を作って、そのあと冬がきてひっそりと枯れるのだろうか。 #twnovel

2011-01-28 23:17:13
ナコ@文学フリマ東京Q-01 @nakotic

#twnovel 星が瞬く。足早な背中を追うのも忘れ、見とれた。「終電が」と、振り向いた影。息が煙っているのは、煙草を咥えているから。燻されたようなコートに背を屈めて顔を近づけると、体格の割に長い腕に引き寄せられた。頬の横に、煙草の熱を感じる。「満月ですね」と、彼は言った。

2011-01-26 18:33:25
ナコ@文学フリマ東京Q-01 @nakotic

#twnovel 下降する密室。花の匂い。外は雨だろうか。窓のない部屋で夜中に雨音がした。三階。彼女が花束を突き返す。二階。僕は花束を押しつける。一階。扉が開く。外は快晴。最後に彼女が、花束を僕に叩きつける。受け止め損なった花束は、夜の雨で濡れた路上でばらばらに。走り去る彼女。

2010-10-04 20:32:24
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