ナコ @nakotic の #twnovel 全部

ナコ@文学フリマ東京Q-01 @nakotic

西の魔女は旅立った。東の魔女に会うために。ひたすら東に向かって、ある時東の魔女に会った。北の魔女も旅立った。南の魔女に会うために。ひたすら南に向かって、ある時南の魔女にあった。本当は北も南も東も西もなくて、ただ会いたい人に会うための目印があっただけ。 #twnovel

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猫は好きなんだけど、夏は熱いしなあ。毛も抜けるし。と思っていたら、冷んやりした猫が我が家に来るようになった。膝に乗ると涼しい。毛も抜けない。鳴かない。餌も食べない。たまに透けているけど可愛くて良い猫だ。今も私の膝で冷んやりごろごろしている。ちなみに三毛。メス。 #twnovel

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彼は敵です。頭に大きな羽飾りをつけて、顔に派手なペイントを施しています。昨日はマクドナルドのドナルドでした。「一体なぜ、毎日そんななんです？」敵なのですが、聞いてみました。「君にとって俺は、仮装敵なんだろ？」「いえ、違いました」こんな奴を相手にする意味は無い。 #twnovel

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にゃあにゃあ。今日はねこの日。世界のあらゆるねこに敬意をはらって下さい。まぐろかかつぶしで結構です。にゃあ。夏は暑いです。ねこのためのひんやりした場所を要求します。にんげんは暑いから近寄らないでください。お水は常温。にうにうでも良いです。水浴びは拒否します。　#twnovel　

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図書館に主がいるという。噂は聞いていたけど、誰も見たことがなかった。どんな風なのかも知らなかった。ある日、開架の一番奥の、一筋だけ夕日が射す辺りにひと目でそれと分かるものがあった。立派な一冊。大きな本。見たこともない装丁。読めない文字。これが主。本たちの王。 #twnovel

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「くじにくじで」と、くじら。「ん？」「くじにくじで、まってる」「九時に久慈ね」「くじができたら」「籤？」「あたるといいな」「当たるよ。セブンイレブンのやつね」「くじにくじでくじ」「九時に久慈で籤だね」くじらとのデートはこんなのばかり。くじらだからしょうがない。 #twnovel

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「僕たちよい子？」揃いの服の子供たち。みんなよい子。弱い者いじめしないし、喧嘩しないし、お菓子も仲良く分けられる。「一番よい子は？」決められないよ。みんなよい子。「一番がいい！」じゃあ、王様と殿様と皇帝と社長と…。「ぼく大将！」うん、君はよい子の大将。でいい？ #twnovel

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夢でもし会えたら素敵なことね。あなたに会えないままもう何年眠り続けているのかも分からないまま、私は今日も夢の国を彷徨い続けている。夢の国で出会うには、お互いが思い合っていないといけないということも知っている。夢でもし会えたら。もし、いつか、夢で。 #twnovel

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今日はシイナさんは早ばんです。コネコは朝おきておににりを食べました。おかかとしゃけのです。その後は縁側にありがいたので観察しました。お昼にもおににりを食べました。しゃけとツナのです。お昼寝したらシイナさんが帰ってきました。もうお夕飯です。 #twnovel @Arima_hs

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世界が止まってしまった。沈まない太陽。産まれない胎児。人々の爪と髪は伸びない。作者の書く物語は終わらない。キーボードを叩く指は止まらない。ディスプレイに現れる文字数だけが増えてゆく。 #twnovel

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「タヌキリスキック！キックキック！」突然蹴られました。いたい。「げしの日だからげしげしです」「それ、夏至…」「げしげしキックキック！」「うう」タヌキリスは意外と脚力もあります。「げしの日たのしいー！」 #twnovel

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「今日はタヌキリスとリスとその仲間たちの日です」と、宣言されました。「げしの日ですから」「夏至…？」「かじかじ族のことです」「それ、齧歯…」「クルミをよこすといいです」タヌキリスはいつでも偉そうです。 #twnovel

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「タヌキリスリス、家で冷えてる♪心ウキウキワクワクー」帰宅したらタヌキリスが冷蔵庫で涼んでいた。「蒸し暑いたぬ」家で冷えてる筈の麦酒は床に転がっている。冷蔵庫にはタヌキリスがみっしり詰まっている。「この箱、涼しいけど狭いたぬ」私は、温くなった麦酒を開けた。　#twnovel

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ぐるぐる、うずまき。うずまきこねこ。しっぽがぐるぐる、丸まって、からだもぐるんと、丸くなる。もようもぐるぐる、うずまきこねこ。おうちのまわりをぐるぐるしたら、おうちの中でもぐるぐるするよ。夢はぐるぐる、世界のまちを、たくさんぐるぐる回ること。　#twnovel　

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失くしものですか？ではどうぞ、台帳に記入をお願いします。失くしてしまったものなんて、ほとんど出てこないですけどね。台帳が厚くなるばかりです。大切なものほど見つけられない。失くさないのが一番です。この台帳には、そんな話ばかり集まっていますよ。ご覧になりますか？ #twnovel

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彼女は毎朝新しくなる。前日までの記憶が消えてしまうのだ。おはよう。始めまして。昼頃までに私と恋に落ち、午後は庭を散歩し、手をつなぐ。早い夕飯を食べたら並んで本を読み、屋上で月を見てから別れる。さようなら。また明日。その明日がくる事を、私はどんなに願うだろうか。 #twnovel

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ロボとミイ。「あなた、自分がロボットだからって人格が偽物だとか思っちゃいけないわ。だって本物の人間の人格だって、本物かどうかなんて分からないじゃない。あたしは、そうして悩んでるあなたの人格は本物だと思うわよ」「…ナヤム、ワルクナイ？ ロボ、ホンモノ？」「ええ」 #twnovel

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魔女の引越しです。鞄一つの荷物を背負って、箒に乗って。この塔とも今日でお別れ。もっと大きな塔に役目が移ったので、魔女もそちらに行くのです。さよなら。長いこと有難う。でも。「この街の墓標にはあんたが一番相応しいって、今でも思ってる」赤い塔がひときわ赤く光ります。 #twnovel

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バターを室温で柔らかくし、野生の記憶を呼び起こす大自然の映像を一晩見せると虎に戻ります。その後、ぐるぐる回るとバターに戻ります。もう一度柔らかくし、虎猫の映像を一晩見せるとかわいい虎猫のできあがりです。ふかふかのパンケーキみたいにかわいいです。　#twnovel　

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「助けてもらった亀でございます。お礼をしようと思うのですが、竜宮城の財政が破綻してリストラされてしまったのです…」「ううむ」「何かお礼が出来ればと」私は、経営するレストランの料理を彼に任せることにした。名物はスープだ。海亀のスープばかりよく売れる。 #twnovel

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「では、志望動機を教えてください」熱意で一次選考を通過したリスになりたいキリギリスの二次面接です。「今までは遊んで暮らしていましたが、これからはリス目指して、頑張って貯蓄したいです！」「ふむふむ」昆虫だけど埋めた場所忘れないかな、と面接官は思います。　#twnovel　

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「キリギリスです！本物のリスになりたいです！」リス志望者の面接です。しかし、この緑色の志望者は、どうやら昆虫です。「熱意は買うけど…」「リスになりたいです！」面接官リスは書類に「ギリギリリス」と書き込みました。一次選考は熱意で通過です。　#twnovel　

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王様の大事な金の毛の羊が毛刈りの直後にどこかに行ってしまいました。毛の刈られた金の毛の羊は、普通の羊と見分けがつきません。遊牧民に連れられて、金の毛の羊は草原へ。沢山の金の毛の羊たちが草をはんでいます。草原の夕日で羊たちがきらきら光っています。 #twnovel

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今まで見たこともないほど美しい娘が生まれたので、15の歳まで大切に育てて龍神の生贄にした。娘が湖に沈んだ数日後、今まで見たこともない美しい猫が娘の家に現れた。天空から声がする。「釣銭だ」猫は娘の両親によく懐き、おつりと名付けられ、大切にされたという。 #twnovel

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遠浅の海の底に、ガラスの大きな箱のが沈んでいます。陸族園。箱からは空気を送り込む配管が伸び、中では陸上に住む様々な生き物が展示されています。「変な生き物！棒みたいな細長いヒレで動いてる」魚の子供が驚きます。陸族たちは、遥か水面上の青空と太陽を懐かしんでいます。 #twnovel