加齢と薬物療法とフレイルについて

加齢で体にどのような変化が起こるのかを簡単に解説しました。
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ファーマ💊@薬学系Vtuber @vt_pharma

加齢と薬物療法の注意点について少し呟いていきます。

2021-07-25 23:21:38
ファーマ💊@薬学系Vtuber @vt_pharma

多くの経口薬は口から体内に入った後、まず胃で溶解され、その後、小腸で吸収されます。小腸で吸収されたものは門脈を通って肝臓に集められます。まずそこで一度分解されたのちに全身に分布します。その後腎臓を経て尿として体の外に排泄されたり再び肝臓に戻って分解を受けたりします。

2021-07-25 23:25:36
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歳をとると体では色々な変化が起こります。 高齢者では体の組成が変化することをご存知でしょうか? ポイントは ✅水分が減少する ✅脂肪の割合が増加する の2点です。 pic.twitter.com/s4OSGaWhfp

2021-07-25 23:28:19
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臓器の機能も加齢とともに変化していくと言われています。 特に低下が著しいのは ✅腎機能 ✅呼吸機能 ✅心機能 以上の3点は特に注意すべきかと思います。 pic.twitter.com/mMClzCca2y

2021-07-25 23:30:20
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ファーマ💊@薬学系Vtuber @vt_pharma

ここまでのおさらいです。 高齢者の生理的変化のポイントをまとめると ①腎機能への血の巡りが悪くなり機能が低下している。 ②肺活量が低下している。 ③心機能が低下している。 ④体の組成が変化しており、若年者より脂肪が多く水分が少ない #Twitter薬学会

2021-07-25 23:33:30
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さらに問題となるのはフレイルです。

2021-07-25 23:34:22
ファーマ💊@薬学系Vtuber @vt_pharma

フレイルとは健康と病気の間の状況を指す言葉です。 ピンピンしている人がいきなり寝たきりになったりしませんよね。一般的には健康で済まされることが多いのですが、健康であるように見えて、身体機能の衰えがあり、病気の一歩手前という状態をフレイルと特に言います。

2021-07-25 23:36:41
ファーマ💊@薬学系Vtuber @vt_pharma

フレイルは体が弱っている、と言うことを表すだけの概念ではなく ①身体的な虚弱(筋肉不足など) ②社会的な虚弱(引きこもりなど) ③精神・心理的な虚弱(認知症、うつなど) の複合的な状況のことを指します。どれか1つに問題があると連作的に残りの部分も虚弱になっていくことが多いです。

2021-07-25 23:39:03
ファーマ💊@薬学系Vtuber @vt_pharma

フレイルはそれだけで生存率を低下させるとのデータもあります。心血管疾患の調査のために行われた5317人の65歳以上の高齢者の疫学調査のデータを解析したところ、フレイルの人はフレイルであるだけで生存率が大きく低下することがわかりました。 J Gerontol A Bio Sci Med Sci, 56:M146-M157 (2001) pic.twitter.com/vgs5vMRymQ

2021-07-25 23:44:15
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ファーマ💊@薬学系Vtuber @vt_pharma

フレイルの定義は以下の通りです。 自分でチェックしやすい方法としては ✅ペットボトルのキャップを外せるか ✅横断歩道が青のうちに渡り切れるか ✅出かける習慣があるか などです。心当たりのある人は注意しましょう。 pic.twitter.com/zZnMYLKPBg

2021-07-25 23:47:49
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ファーマ💊@薬学系Vtuber @vt_pharma

筋力のチェックは簡単に行うことができます。 自分の両手で自分の太ももを囲ってみてください。隙間が出来てしまった人は筋肉量に不安のある方です。タンパク質の摂取量を増やしたり、運動習慣をつけたりする必要がありそうです。

2021-07-25 23:50:43
ファーマ💊@薬学系Vtuber @vt_pharma

1日に摂取すべきタンパク質量は ✅体重×1.2g 程度のタンパク質 が良いとされています。(ただし、腎臓病のある方はもう少しタンパク質を減らすべき場合もあります。) #Twitter薬学会

2021-07-25 23:53:23
ファーマ💊@薬学系Vtuber @vt_pharma

補足です。 高齢者のフレイル予防に必要なタンパク量が体重×1.2g程度(体格問わず最低1日60g)が良いとされています。 メタ解析で1日のタンパク摂取が1.3g×BWを超えても筋肉の増加効率はさほど上昇しなかったとの報告があります。 Nutrition Reviews, Volume 79, Issue 1, January 2021, Pages 66 twitter.com/vt_pharma/stat…

2021-07-26 00:19:06
ファーマ💊@薬学系Vtuber @vt_pharma

International Society of Sports Nutritionのposision standでは、身体活動の多い人が1.4~2.0g/kg/dayのタンパク質を摂取することは、安全であるだけでなく、運動トレーニングへの適応を向上させる可能性がある、としています。 J Int Soc Sports Nutr 4, 8 (2007)

2021-07-26 00:27:07
ファーマ💊@薬学系Vtuber @vt_pharma

健やかに過ごすために、病気を未然に回避するという考え方も大切です。 ぜひ頭の片隅に止めておいていただけると幸いです。

2021-07-25 23:54:52