日経サイエンス2019年4月号に掲載された「分断の心理学 SNSが加速するタコツボ社会」

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郡司芽久(キリン研究者) @AnatomyGiraffe

Anatomist / Morphologist.東洋大学助教。博士(農学)。小さい頃からキリンが好きで、2017年3月に念願のキリン博士になりました。動物(特にキリン)の体の構造や動きの研究をしています。 著書→キリン解剖記(ナツメ社2019)・キリンのひづめヒトの指:比べてわかる生き物の進化(NHK出版2022)

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郡司芽久(キリン研究者) @AnatomyGiraffe

日経サイエンス2019年4月号に掲載された「分断の心理学 SNSが加速するタコツボ社会」、今こそ読むべき。 ・東日本大震災直後、原発関連の情報発信は科学者が中心となり、幅広い層に影響を与えていた ・一年後には、科学者に懐疑的な派閥が情報発信の中心なり、科学クラスターとの分断が生まれた 1/6 pic.twitter.com/f85Xli70pW

2021-08-22 18:26:08
拡大
郡司芽久(キリン研究者) @AnatomyGiraffe

・2年後には極端な懐疑派層の勢力が拡大し、科学クラスターとの分断はさらに深刻に ・同時に、科学クラスターが周縁化する中で、科学クラスターの発信は、福島について議論する人々に届くように語るものではなく、懐疑派層への批判・攻撃的なものへとなっていった 2/6

2021-08-22 18:26:09
郡司芽久(キリン研究者) @AnatomyGiraffe

・震災直後、科学者の周囲には著名なジャーナリストがいて、情報のハブになっていたが、数年後両者は断絶する ・この分断は、科学的議論の支持者が「福島について非科学的情報をシェアした」という理由でジャーナリストを批判し、切り捨ててきたことが一因なのではないだろうかと分析 3/6

2021-08-22 18:26:09
郡司芽久(キリン研究者) @AnatomyGiraffe

・科学クラスターは「穏健な懐疑派」とも言える層を安易に切り捨てず、そこから中間層へアプローチすることが重要 ・マスメディアは、各クラスターをつなぎ、報道を通じて「分断」を防ぐ役割を担うべき ・科学的な議論と懐疑論の接点・合意点を探る”媒介者”になるのが本来のジャーナリストの役割 4/6

2021-08-22 18:26:09
郡司芽久(キリン研究者) @AnatomyGiraffe

「社会における分断が問題になるのは、対立陣営を言い負かすための論争にばかり時間を割いてしまい、本当に議論が必要な問題についての問題解決にむけた議論が進まないからだ。分断を超えて接続を形成しないと、何も進まない」(p50-51より)5/6

2021-08-22 18:26:09
郡司芽久(キリン研究者) @AnatomyGiraffe

最後にHPVワクチンを例に出して、「原発問題以上に分断が進み、コミュニケーションは無きに等しい」と。10年前と同じことを繰り返しているんだ…と愕然とした気持ちになりました。 この記事だけでも購入できるようなので、気になった方は是非。6/6 nikkei-science.com/201904_044.html

2021-08-22 18:26:10
郡司芽久(キリン研究者) @AnatomyGiraffe

マスメディアとの付き合い方は、身近なところでも折りに触れて話題に上がるけど、結局のところ「信頼できるジャーナリストを自分の目で見極めて、長い時間をかけて関係性を築き上げ、互いに成長し合っていくしかない」というのが私の考えです。甘ちゃんの理想論と言われてしまうかもしれませんが。

2021-08-22 20:08:21