【アニスの味】福間健二 #k2fact304

福間健二 @acasaazul

何屋さんなのか。きみの作った旋律が地下室からきこえる。水の飲み方足りなくて抽象を割れない。レイクストリート歩いても仮定にしかならない。そんな細胞の始末、ほほえみながらだ。鉛筆で素顔が書いてある。ジャンル、死にすぎ。気にしないけど、きみの旋律がきこえる。（アニスの味１）#k2fact304

福間健二 @acasaazul

用意されているもの。用意されていることが退屈なのだ。熱愛、ノース・フェイスのリュックに傘なんか入れていたらだめだ。辺鄙とか不便とか言われたくない土地からの、踊るキノコのフラッシュ。だれの愚劣さをあばくのだ。壊した。作った。大きな道具ほど溺れながらだ。（アニスの味２）#k2fact304

福間健二 @acasaazul

郵便局、薬局、野菜畑。きみが用のあるのはどれでもなくて、交差点付近。香りは黙って咲く花からなのだ。人の親切に甘えられないきみでも足を滑らすことはある。助けられたら倍のお返し。泣くよりも歌っているほうがいいラジオの老婆のように。やがて西の空が赤くなる。（アニスの味３）#k2fact304

福間健二 @acasaazul

ホットに。でも、ラジオで姿が見えないからじゃない。ここは構成の法則に逆らう。夏みかんの木の下でかかとに触れた人。なぜなのだ。知ってもらいたかった計画を葬るまでの心を、駅に伝言板があったころの感触と一緒に置いてきたふりをしたのは。いまは変装して渡り歩く。（アニスの味４）#k2fact304

福間健二 @acasaazul

湿度を理解する。着飾らず、メークの仕上げは知らない国の澄んだ空。降りていく旋律だとして、だまされる人もそんなに悔しがらないように付点リズムの例題を。ヒントは、虫と植物が好きなピアノの先生。彼女の庭で育ったホップの天ぷらをごちそうになる。これだと思った。（アニスの味５）#k2fact304

福間健二 @acasaazul

悪い習慣。子どものときから夜、地球を抜けだして盛岡劇場のショーを見に行く。葬られた死者を起こして。ドント・カム・ナウ、だから行く。知ってもらいたかった計画もっとあったと悔やまないように。傲慢で、謙虚。宮沢さんに見つめられるまでの、流れ星。お客じゃない。（アニスの味６）#k2fact304

福間健二 @acasaazul

朝、暗いうちにアニスの味の強い酒をひっかけて入る山の労働。警察に見つかったらカードを出す。どうでもいいカードでも、残念そうに。昼はクリームなしのパイ。うとうとするとハチが飛ぶ。このショーは全部、実話。新しい生きものになることも出会うこともなく日が暮れる。（アニスの味７）#k2fact304

福間健二 @acasaazul

しゃがみこむ黒い女性たち。するのは、そうすることになっていることだけ。いちばんの楽しみは、でも、ジャンプする大桶。夜の底からのメッセージ、でなければ山を降りてたどりつく歓楽街の爆発だ。イコール、どうしてマイナスが二つ。体重を感じさせない挨拶はうれしい。（アニスの味８）#k2fact304

福間健二 @acasaazul

【訂正】 しゃがみこむ黒い女性たち。 ↓ しゃがみこむ黒い服の女性たち。 （アニスの味８）#k2fact304

福間健二 @acasaazul

ホウキをもった二人。いつもきれいにしてくれて。そんなことないです。わたしは雑な性分だから。とんでもない、憧れています。体重、どちらも抜けていて、ギリシャ、本当はマケドニアの寒い村のアルバニア人に見つめられる朝だ。山形の枝豆とうちの庭のミョウガ、どうぞ。（アニスの味９）#k2fact304

福間健二 @acasaazul

イエガーマイスターにも、アニスの味。狂った夏の背景に打つ釘になるのだとして、人よ、流れ星よ、絶望しているだけでいいのか。この街角の明日を買う者はいなくなった。地球の未来についてなら最初から言えばよかったが、きみの旋律から生まれた娘たちは落ち着いている。（アニスの味10）#k2fact304