芸能事務所社長のコメントを読み解いてみる。

まとめでチェックするポイント

千葉県警の動画削除行為の評価

• 8月26日～9月10日の動きについて
  　世間は夏休み期間中で、かつパラリンピックの最中でもあった。この状態で千葉県警の職員がどこまで俊敏に動けただろうか？この9営業日という短い間に、抗議文書は警察署の内外でどのように扱われていたのだろうか？
• 千葉県警と芸能事務所の間で交わされた話
  　契約上9月17日まで公開と決めている筈の動画を9月10日まで公開とすることに変更する場合に、一方的に動画を削除することは可能なのだろうか？
  　一旦納品した動画の所有権等、芸能事務所と千葉県警との間である程度丁寧な話し合いが、削除前に行われていたのではないだろうか？

『新しい女と古い女』という対立構図

• 問題の食い違い
  　フェミ議連は『性的対象物として描写し、かつ強調』という風に、動画を作成した側の配慮の問題にしているのに対してVTuberを支持する側は『社長は女性』『動画製作者は女性』『検討の際には警察署の女性職員も参画している』など、動画の関係者の性別の問題にすり替えた印象が強い。
• なぜ食い違ったのか
  　動画が問題無い＝VTuberの起用は問題無い、という表現や雇用の問題に変わることにより、この件が千葉県警の社内コンプライアンスの問題であることを隠している印象がある。

9月9日

芸能事務所社長がツイート。
その数時間後に東京の区議会議員がツイート。

気付いたこと

• 『連絡がありました』
  →『誰に』：『千葉県警から』は周知の必要が無いのだろうか？
  →『いつ』：ツイート日の9月9日当日に突然連絡があったのか不明の状態での報告をしている。

• 『見た目が女性蔑視にあたるという抗議』

• 『見た目だけで女性蔑視となる理由はどうなのでしょうか』

• 『このモデルで行こうと進めた私は女性蔑視をしているのでしょうか』
  →フェミ議連が『性的対象物として描写し、かつ強調しています』という指摘をしているのを、ここでは端的に『女性蔑視』と言い換えている。
  

• 『SNSを通じて抗議を出したという内容を拝見』
  →千葉県警からは『抗議があった』と内容だけ教えられたのだろうと推察出来る文章。

• 『女性が活躍できる場所にして行きたい気持ちは同じ』

• 『女性が活躍をしやすい環境を』
  →女性蔑視をしていない、という主張。

• 『～関りや努力や信頼を、警察の方を通じてそちらへ伝えていただきましたが』
  →この件に関して9月9日前に2回以上連絡を取り合っているというのが伺える文章。

• 『最終的に削除で終わりとは』
  →本当は千葉県警に言うべき事だが、ここであえてフェミ議連への訴えに混ぜ入れている。

• 『警察の方にご迷惑をおかけしてしまった』
  →千葉県警は迷惑しているらしいということが伺える文章。フェミ議連の要請を受け入れない協力体制は得られなかったということが分かる。

• 『本来の目的に目を向けて行けない～』
  →千葉県警の提出した回答書に準じた文章。千葉県警は何がアウトか分からないからまた苦情が来るかもしれないので今後はVTuberの起用を控える方向なのかもしれない事が伺える。

• 『削除される作品は弊社のYouTubeには残します』
  →契約関係についても千葉県警と折り合いがついている事が伺える文章。前文節から繋げて、動画の出戻りを『私は女性蔑視してないということを皆にジャッジしてもらいます』という意味に言い換えている。

9月10日

署名運動開始。

気付いたこと

• 議員ツイート『VTuberのコラボが全国フェミニスト議員連盟の抗議によって中断された件』
  →千葉県警が動画を削除したのはフェミ議連の抗議によってである、ということを主張している。
• 『女性が活躍できる場所を作りあげていきたい。』
  →女性蔑視していない、という主張。

気付いたこと

• 『それだけの力を出してきている』
• 『警察側がそれを無視して掲載を続けることは不可能だと判断されたのは仕方ない事だと思います』
  →千葉県警が動画を削除したのはフェミ議連の圧力によってである、ということを主張している。
• 『交通安全のPRは1年半前から～』
• 『警察の方のご協力の元～』
• 『何度もご足労いただき～』
• 『ご迷惑をおかけするのは私の望んでいることではありません』
• 『松戸警察、松戸東警察の皆様には感謝しかありません』
  →VTuber側からは千葉県警の行為を責めないという事が伺える文章。
• 『動画の内容は、警察の皆様の思いが詰まっており』
  -『動画は警察の方のお気持ち～』
  →動画の内容は警察の担当者も確認して問題無いという判断をしている、という事が分かる文章。
• 『私は松戸市で起業をした女性経営者です』
• 『私達女性が生きやすい社会を作り出せる』
  →女性蔑視はしていない、という主張。

9月18日

フェミ議連のサイトにお知らせが掲載される。

9月20日

フェミ議連共同代表がツイート。

気付いたこと

• 『間に挟まれてる警察の方の気持ち』
• 『警察とのお話し合いでも、警察の方が同じように感じていることを認識しました』
  →千葉県警側はフェミ議連の圧力を感じていることが伺える文章。
• 『全てに忙しい、準備がまだと答えてこなかった』
  →フェミ議連の時間稼ぎの言い訳は取材した記者から聞いていたということだが、警察の担当者からは聞いていないのだろうか？
• 『結末は、責任の押し付けでした』
• 『話し合いの解決を望んだ私』
  →対話を無視するフェミ議連と対話を望むVTuber側という対比構図をはっきりさせている。
  →千葉県警との話し合いも同様に不調であったのではないかということが伺える。

9月24日

生配信動画に出演

気付いたこと

• 時系列の確認
  ①7月16日、千葉県警が動画を公開
  ②8月26日、フェミ議連が抗議文書を各所に提出
  （③9月5日、某垢がこの件を簡易的にツイートする）
  ④9月9日、県警が議連に回答書を提出
  ⑤同日、芸能事務所社長が動画削除の件をツイートする
  ⑥9月10日、県警が動画を削除
  ⑦同日、署名運動開始

※どうやら③は9月5日前に別のツイがあるようですが未確認

• 芸能事務所はこの抗議の件をいつ知ったのか？
  00:40:20～
  『得意げになって抗議したぞってツイートをしてたんですね』
  『その得意げ(ツイート)が無ければ気付かなかった』
  『抗議の内容は知らされていたんですけど、誰からっていうのは知らされていなかった』
  『そこで「えっ？」ってなって見ていったっていう感じだった』
  →抗議文書を警察が受け取った②後に、抗議の内容を警察から知らされていた。
  →フェミ議連の自慢げツイートは③の前に呟かれていたらしい。
  01:02:00～
  『(戸定梨香)本人もたまたまそれを自分の名前で検索してる時に丁度その抗議したぞっていうの(③のツイ)を自分で発見したものですから。まぁそれを全部辿っていって全部見てしまって「こういうものが上がってるんですけど」って私の方に連絡くれて。なので相当ショックだったと思いますよ。』
  →戸定梨香さんがツイート発見したのは③の後、④の前であって、削除前日に突然警察署から連絡があってから知ったというわけではないと推察できる。
  →戸定梨香さんは③～④の間に知った≠社長も同じ時期に知った
  →社長は②以降③の前に、既に警察から聞かされて知っていたが、戸定梨香さんのメンタルを気遣ってあえて伏せていた可能性もある。

【参考資料】

• 警察との連絡を取り合っている様子
  1:37:00～
  『警察の方はすべての取材に答えてくださってますし、私にも何度も連絡をくださってお話を重ねているので、すごく誠意を見せてくださっておりますし。まぁ誠意というか何かあるわけじゃないんですけど。』
  →警察と何度も連絡を取っていた＝誠意を見せている。という主張。
  1:37:40～
  『でも相手側の話は何もできてないので、結局警察の方もそこが私たちとできていないと、じゃあ次の作品は何にしたらいいのか分からないから、やっぱりウンとも言えないような状況で。「約束はできない」っていう答えが出るのは当然だと思うんですよね。』
  →②以降に、削除した後の動画のアーカイブや今後コラボ継続の条件や方針についての話をしていたが、警察はフェミ議連から再度抗議される可能性を否定できなかった模様。
  →警察が『黙って頭下げて嵐が通り過ぎるのを待つ』間に、『フェミ議連に次の作品をどうしたらいいのか分からないので聞きたい』とツイッターで告発した社長。
  （ここが警察と芸能事務所側の選択の分かれ目のような気がする。）