ブレヒト戯曲全集を読んだ感想などまとめ

ブレヒト戯曲全集を順番に読んでいった感想などです。
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棚尾/tanao @tanao_5

ブレヒト戯曲全集1巻より、ブレヒトの初期作品「バール」を読んだが、意図的に描かれているとはバールさんがあまりにも酷い野郎(作中でも野人とか言われている)で、どん引きしていた。

2021-10-09 17:57:00
棚尾/tanao @tanao_5

才能ある詩人としての側面もあり、作中の詩は引き込まれる凄さ(これはブレヒトの言葉の感覚が凄いのか訳がいいのか)はあったりした。

2021-10-09 17:58:20
棚尾/tanao @tanao_5

ブレヒト戯曲全集。「夜打つ太鼓」を読み終わって「都会のジャングル」を読み始めたけど、これは展開が中々ダイナミックで凄いな。どう終着するのか気になる。

2021-10-18 23:15:39
棚尾/tanao @tanao_5

「夜打つ太鼓」ブレヒトの出世作なだけあって、人間や社会の色んな側面を抉っていって凄いとは思うけど、話の筋立てはそこまで響かなかった。

2021-10-18 23:21:13
棚尾/tanao @tanao_5

ブルジョワ(バーリケや労働者上がりとはいえムルクも含んでいる)に冷たいと思ったら共産革命にも批判的に語っているようにも見え、かつ登場人物(クラーグラー、アンナ、ムルク)の人間的な部分はかなり明け透けなようにも思える。

2021-10-18 23:27:29
棚尾/tanao @tanao_5

「都会のジャングル」1幕で金で意見を買うという突拍子も無いことを言い出すシュリンク、抵抗するが結果的に職を失うガルガと、資本主義的なものに振り回されると人間は簡単に自由を奪われるみたいな文脈かとは思っているが、2幕の展開が凄すぎてどうなるんだこれとなったよ。

2021-10-18 23:36:15
棚尾/tanao @tanao_5

シュリンクさんは何を考えているの?で困惑するし、ガルガは結果的にどうなるんだという部分で展開が気になる。

2021-10-18 23:37:29
棚尾/tanao @tanao_5

時勢的に演劇を観に行くのも難しいので、代わりに年内はブレヒトと向き合う時間にしようと図書館で戯曲全集を順番に借りて読んでいる。

2021-10-18 23:41:57
棚尾/tanao @tanao_5

ブレヒト戯曲全集より「都会のジャングル」を読み終わった。色々な対比構造(貧富の差、世代の差、家族の状況、人種など)を中心に、それを逆転させたりなんだりで展開も目紛しく、一度で全て理解したとは言えないが、大変面白かった。

2021-10-20 22:05:16
棚尾/tanao @tanao_5

シュリンクが求めたもの、ガルガの振る舞い。「自由」はどこにあったのかであるとか、捉えきれないが中々に凄い言葉の奔流を浴びた気がする。

2021-10-20 22:09:44
棚尾/tanao @tanao_5

タヒチが「自由」の象徴だと思ったけど、ガルガが最終的にニューヨークに行くとなったオチは、「自由」なんかどこにも無い。別のジャングルに放り込まれるだけみたいな捉え方になるのだろうかと思ったり。

2021-10-20 22:11:28
棚尾/tanao @tanao_5

「イングランドのエドワード二世の生涯」を読み切って、ブレヒト戯曲全集1巻目終わり。エドワード王とモーチマー伯爵の変遷と終わりのお話。「都会のジャングル」もだけど、立場が目まぐるしく変わる展開の中で、人(運命)は何に振り回されてしまうのかという点を語っているように思える。

2021-10-21 20:18:29
棚尾/tanao @tanao_5

エドワード王はガーヴストンへの執着と個人的なもの。モーチマー伯爵は貴族たちの要請を発端とした社会的なもの(又は社会を維持するための慣性とも言うべきもの)に振り回されて終わりを迎える。ある意味正反対のものでも、人を振り回すという点では変わらない強度があると感じるお話だった。

2021-10-21 20:23:22
棚尾/tanao @tanao_5

ブレヒト戯曲全集1巻より印象に残ったセリフなどを抜粋。 pic.twitter.com/7tBCzRKX4w

2021-10-21 22:23:47
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棚尾/tanao @tanao_5

最後のモーチマーのセリフ。負け惜しみ感全開なんだけど、本の虫だったはずの彼の変遷を思うと突き放せないし、くるものがあるんだよな。

2021-10-21 22:25:36
棚尾/tanao @tanao_5

時代背景的なものもあるだろうけど、全体的にマチズモでホモソーシャルな関係の描かれ方が強いというか、全体的に女性の扱いがひどいので、今読むにはきついと思う場面が結構ある。

2021-10-21 22:29:55

ブレヒト戯曲全集第2巻

棚尾/tanao @tanao_5

ブレヒト戯曲全集第2巻より「男は男だ」を読了。いやとは言えない主人公が、故あって兵士に化けることになるお話。主人公が偽物の人数合わせだとバレないように、碌でなし兵士が奔走する筋立ては喜劇っぽい。だけど、主人公をペテンにかけ、完全に別人に仕立て上げるくだりはエグすぎないかとなった。

2021-11-05 21:38:58
棚尾/tanao @tanao_5

「本当にうまくいかい、ユリア。一人の男は他の男に変えるなんて?」 「いくとも。一人の男なんて他の男と同じさ。男は男だ。」

2021-11-05 21:39:43
棚尾/tanao @tanao_5

これ、集団にとって個人の人格はどうでも良くて、性別だけ合っていればどうでも良いという強烈な皮肉なんですよね。主人公=ゲーリイ・ゲイを別人=ジェライア・ジップに仕立て上げるくだりは本当にエグくて、人格を解体しにいっている。

2021-11-05 21:40:50
棚尾/tanao @tanao_5

碌でなし兵士の思惑によって行われる所業だけど、軍隊という集団の中でそれが通ってしまう事自体が、集団にとっての個人の人格の価値がどれだけかを物語っている。

2021-11-05 21:43:34
棚尾/tanao @tanao_5

他のシーンにおけるセリフで「だいたい人間のことで大騒ぎしすぎるよ、一人なんて物の数じゃない。二百人以上まとまらなきゃ数とは言えねえさ」という箇所があったりもするし。

2021-11-05 21:44:38
棚尾/tanao @tanao_5

集団によって人格が変わるという話かというと微妙にそれも違っていて、人格が変わったように(別人のように)振る舞わざるを得なくなるというのが正しいのではないかなとは思うところ。

2021-11-05 21:48:18
棚尾/tanao @tanao_5

主人公が別人に仕立て上げられた翌日、一瞬正気に戻ってゲーリイ・ゲイと名乗るけど、状況を察してすぐにジェライア・ジップとしての振る舞いをし始めるくだりからもそう感じる。

2021-11-05 21:49:10
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