- mocharn3rd
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「しかしねえ……我らは君がロドスの中でも要警戒人物だとわかっているのだから」 「よくしゃべるのう」 「君をさらってブレイン・ウォッシュをすればレユニオンの戦力になる。これは、博士の助言なんだ」
2021-11-06 00:23:48「博士。」 熹一はあらかたの予想を立てた。そして問う。 「スプラト博士?」 「君はネットのランプの魔神か? イエスかノーでこたえていくうちに真実がわかる話が、まさか1問目でわかるとは」 く、と胸から喉へ鳴る音を抑えられない。 熹一は笑ったのだ。そのまま走る。
2021-11-06 00:24:09「行け我が手塩にかけたオリジムシよ!」 サブマリンが杖をかざして巨大オリジムシを放ってくる。熹一は低い姿勢で走り、跳んだ。 「虎腿蹴(タイガーシュート)」 恵まれた脚を鍛えに鍛えた蹴りは、嘘のように二匹のオリジムシを吹っ飛ばした。
2021-11-06 00:24:32サブマリンが下から迎撃態勢を取っている。 (杖術の心得がある) 熹一はすぐさま見破った。振り払ってくる杖に対して 「灘神影流上段蹴り」
2021-11-06 00:24:56サブマリンの杖を蹴り折り着地する。石を投擲しながら距離を詰め、打ち下ろすようにさらなる蹴りを放った。 「しゃあっ、コブラ・ソード!」 「ぐっ」 サブマリンは頭をしたたかに打ち、ダウンした。
2021-11-06 00:25:37捕縛しようと防護服のポケットから縄を取り出そうとすると、サブマリンはバク転をしまくって逃げた。 「なにっ」 そんな力がどこに残っているのかと思いきや、バク転している最中に注射器があさっての方向に飛んで行ったのが見えた。 「ほーん、そういう事をする」
2021-11-06 00:29:39熹一は白けた顔をする。サブマリンは続ける。 「これは"博士"がもたらした"ライトニング・チーター"。非力な者にも平等に力をもたらす救済の薬だ」
2021-11-06 00:29:54「ああ、ワシから見たら違法で体ブッ壊す薬物にしか見えんけど、お前がそういうんならそうなんやろう、お前の中ではな」 熹一の目が据わる。 新たに表れた巨大オリジムシとサブマリンを倒した姿を、カシャが撮影していた。
2021-11-06 00:30:04コマ送りでもなにをやっているのかわからない技だった。 あっというまに、サブマリンとオリジムシが吹っ飛んでいく。 「これ、ネットにアップしたら"嘘乙"とか"やらせ"って言われるやつじゃーん!」 カシャがうめいた。
2021-11-06 00:30:32p.m.17:21 ロドス 医務室 「準幹部といえるものを次々と捕縛できたことには好感が持てる」 ベッドに寝ている熹一に、ケルシーが語った。
2021-11-06 00:30:46「あと」 少し息を吸って、ケルシーは言った。 「テラで君の子供が確認されたら、私は君をもとの世界に戻す協力をしないからな」 熹一は吹いた。
2021-11-06 00:31:11「ケルシー先生ェ、よく、話が飛んでるとか難しいとか言われません?」 ケルシーが頷く。 「これは性分だからな。そうそう変えられるものでもない」 「あう……」
2021-11-06 00:31:18ケルシーは熹一に近づきながら、指を立てた。 「私は、極力きみが元の世界に帰ることができるように思う、ここまではわかるか?」 熹一は頷く。
2021-11-06 00:31:31「子供ができた。子供は脆弱故に保護してやらねばならない。ここまでは?」 熹一は頷く。 ケルシーは少し思案する。 「キー坊、男女間での友情は成立すると思うか?」 熹一は気づいた。
2021-11-06 00:31:42「わかった! わかりましたケルシー先生ェ! テラではえっち禁止ってことやろ!?」 「キー坊はカシャとかハイビスカスとかロビンと仲よさそうだしなあ」 「なんやその言い草!?」
2021-11-06 00:31:55熹一は息を飲んだ。 「それはわかっと……わかっています!」 「異世界人とかじゃなくて、もしもテラで君の子供ができた場合、私は絶対に君を地球へは戻さないからな。異世界人として、女として」 尊鷹にたくさん技を極められた時のようなダウナーな気分を、熹一は感じた。
2021-11-06 00:32:26