「戦争だって、食事のあいまの出来事にすぎない。」

村井ニボシ @niboshi2000

旅の人ですかい、　どこへおいでかね、途中まで　わしを連れてってくれますかい。　わしはうまいスープをつくれますぜ。

村井ニボシ @niboshi2000

すたすた歩いてきて　いきなり話しかけてきた、　古い馴染みたいに見知らぬ男が　あんただったアレクシス・ゾルバ。

村井ニボシ @niboshi2000

食いかたが肝心なんでさあ。　おまえさんが食った食いものをどうするか、　言ってみなせえ。　食いかたでおまえさんの生きかたがわかる。

村井ニボシ @niboshi2000

ある奴ァ食いものを贅肉にする。　ある奴ァ食いものを魂に変えちまう。　まったく高くつく食いかたをする奴がいる。　食いものは上機嫌に変えなくっちゃいけねえ。

村井ニボシ @niboshi2000

身体がポキポキ鳴る仕事でさあ、　わしの一日にひつようなのは。　あばずれに惚れたみてえに働いて　夜はマリア様のベッドで、ラム酒を一壜。

村井ニボシ @niboshi2000

あらゆるところが家郷でさあ。　ギリシア人だブルガリア人だトルコ人だ、　そんな分別なんざ人間たあ関係ねえ。　そいつがいい奴か悪い奴か、それだけでさあ。

村井ニボシ @niboshi2000

てんで素敵な女たらし。　左手の人指し指を失くした渡り者。　羊でも鳥でもなくて老いざかりの大男。　あんたが好きだアレクシス・ゾルバ。

村井ニボシ @niboshi2000

本は閉じて読みなせえ。　言葉を心臓の外に落っことしますぜ。　粉屋のおかみさんの屈んだ背中、　そいつが、わしァ面倒な言葉はさっぱりだが、

村井ニボシ @niboshi2000

人間の理性ってやつじゃねえですかい。　目ン玉むいて目のまえを見てみなせえ。　この木や海、石ころ、草や匂い　これらの不思議なもんは一体何と呼びゃいいんですかい。

村井ニボシ @niboshi2000

おまえさんは賢いし、何不足もねえようだ。　だけど、そのぶんきっと愚かさが足りねえ。　わしァ一番賢い人間じゃねえが、　かといって一番馬鹿な人間なわけじゃねえ。

村井ニボシ @niboshi2000

わしはゾルバで、ゾルバのように話す。　ただそれだけでさあ。　国も金も、たいていのものはなくて済ました。　そいつは結局そう悪いことじゃねえですよ。

村井ニボシ @niboshi2000

約束のうまいスープをつくってくれた。　去勢した雄鶏のものをコトコトと煮込んだスープ。　人生の味は一物をつかわなきゃ知れねえさ。　あんたは言ったアレクシス・ゾルバ。

村井ニボシ @niboshi2000

あばよ、友人、忘れねえでくれますかい。　わし、ゾルバ、そして果てもねえ仕事。　あばずれに惚れたみてえに働いて　夜はマリア様のベッドで、ラム酒を一壜。　（おしまい）

村井ニボシ @niboshi2000

カザンザキスって小説家の『その男ゾルバ』って小説？からとった詩のようです。私はニートで童貞だけど、この詩が好きなんだ。べつにいいだろ。

村井ニボシ @niboshi2000

警句の連続のような詩だけどさ。