年末とくべつ読み切り【発狂頭巾アトミック~師走狂化スペシャル:首無し死体の謎~】
- suzumeninja
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吉貝とハチの活躍により、九次郎の事件は解決した。だが、それはそれとして、未だに原子力江戸ではみんなが面を被って町を出歩いている。 「旦那、あっしもそろそろ、この面に慣れてみましたよ。自由に顔を変えられるから今のまんまで良いって声もあるらしいですぜ」
2021-12-07 23:42:19「ふむ、それもまた、民の声の形よな」 吉貝は翁の面を付けたまま空を見上げる。その姿は、不思議と笑ったようにも見えた。 「おやぁ?どうしたんですかい旦那?そんなにニヤニヤして?」
2021-12-07 23:44:28「む?ニヤニヤなどしておらぬぞ」 「またまたぁ。旦那はいっつもそうなんだから」 ハチにはもちろん吉貝の表情は見えていない。だが、長年の付き合いから、そのような評定をするであろうことは分かっていた。顔が見えなくとも、心が見えていれば通じるものがあるのだ。
2021-12-07 23:47:02「はははははっ!ハチが言うならそうなのだろうな!」 吉貝は声高々に笑う。 「でしょうな!ハハハ!」 ハチも合わせて笑う。
2021-12-07 23:49:08吉貝はハチの思いを完全に理解しているわけではない。同時に、ハチは吉貝の思いを完全に理解しているわけではない。だからこそ、お互いに相手を思いやる相棒となっているのかもしれない。理解で切り所針ないし、そうでないところは尊重し合う関係が、二人の間には存在した。
2021-12-07 23:51:34「そうだ。ハチ、なにやら原子力江戸幕府転覆を狙っておる輩の噂を聞いたのだが」 「ええ!そいつぁ一大事じゃあないですか!」 「うむ。とはいえ眉唾でのう……」 「眉唾でいいからアッシに相談してほしっすよ!旦那!」 「なあに、時が来たら話そうぞ……」 そう言って吉貝はごろりと寝転んだ。
2021-12-07 23:56:23「ええ!?そういうときこそ早く話してくれないと困りますよぉ!?」 「ンゴゴ……」 心配するハチをよそ目に、吉貝は大きないびきを掻いて眠りについた。 「まったく。旦那らしいや」 ハチは眠る吉貝を見て穏やかに笑った。
2021-12-07 23:58:48原子力江戸の町が闇に染まる時、闇を晴らす青き危険な光あり。誰が呼んだか発狂頭巾アトミック。ああ、チェレンコフ光が、今日も平和な町を照らす。 痛快SF時代劇【発狂頭巾アトミック~師走狂化スペシャル:首無し死体の謎~】 おわり
2021-12-07 23:59:38【発狂頭巾アトミック~師走狂化スペシャル:首無し死体の謎~】読了。 適度な狂気は健康に良い。というわけで実に良い発狂頭巾でした。 これで無事に年を越せそうだぁ。 再臨界に至る流れが完璧で、これが今作のハイライトでしょう。 締めのなんかいい感じの雰囲気もタイムリー。 #発狂頭巾アトミック twitter.com/suzumeninja/st…
2021-12-08 00:37:50年末とくべつ読み切り【発狂頭巾アトミック~師走狂化スペシャル:首無し死体の謎~】 (感想とかは #発狂頭巾アトミック でツイートしてもらえると拾えるので嬉しいです)
2021-12-07 21:05:32年末とくべつ読み切り痛快SF時代劇【発狂頭巾アトミック~師走狂化スペシャル:首無し死体の謎~】|雀bot @suzumeninja #note note.com/suzumeninja/n/… 先日のツイッター版をまとめました。
2021-12-19 13:20:51