輝夜の衣服に付着した墨は落ちるか? フェムトファイバーと墨の科学
@die3035 私の東方×書道本で、輝夜の服は須臾の繊維で出来ており、袖を墨に浸した輝夜が永琳にこっぴどく叱られる(須臾の繊維に炭素粒子が食い込んだらまず落ちない)という描写があるんですが、この辺りDieさん的にどうですか? フェムトファイバーは衣服には向かない?
2011-08-30 22:12:31@mitama_ その服の用途によるでしょうねぇ。たとえば、高強度繊維が必要となるような服(防護服や宇宙服など)なら使用されるでしょうが、服はなんだかんだで大量生産品なのでコストと相談になりますからねぇ。後、肌触りや色の染まり易さ、加工しやすいか、などの要素を充たしているかですか
2011-08-30 22:19:17@mitama_ そういう意味で、フェムトファイバーが一般的な衣料材料に使用できるほどの生産コストで、服として求められる機能を備えているか、と考えると若干微妙だと思っています。どちらかと言えば特殊用途かな、と(防護衣や高強度ロープ、繊維強化材料など)
2011-08-30 22:22:08@mitama_ 全然大丈夫だと思います。「月之民の服は須臾の繊維でなければならない」というような一種のイデオロギー的な事、ただこの一点がコストや何やらを全て超越してしまう場合が結構あるので。これはあくまで、外の世界の一般的な技術屋の発想ですし
2011-08-30 22:33:31@mitama_ 墨などに含まれる炭素粒子は、正確にはアモルファスカーボンと呼ばれる不定形炭素でして、結構大きいサイズであり、さらに顔料となります。繊維にくっ付いて取れなくなるというのは、繊維と強く結びついてしまうか、繊維の隙間に入り込んで引っかかってしまうか、の二種になります
2011-08-30 22:37:21@mitama_ 墨は無機顔料であり、繊維と結びつくことが基本的には無いため、自ずと後者が多くなるんですが、そうなると、フェムトファイバー、もしくはフェムトファイバーによってつくられた繊維に相応の、すっぽり嵌ってしまう隙間があるか、という点につきます
2011-08-30 22:40:05@mitama_ 「限りなく連続した物質に見えるでしょう」の点の解釈問題になりそうですが、私自身は隙間があってしかるべきだとは思っています。というか、もし隙間がないと物質の自由度がかなり低くなるため、繊維として使うにはそれ相応の隙間が無いと、結晶になりますし
2011-08-30 22:45:30@mitama_ フェムトファイバーそのものには余計なものが無くても、それを無数に組み合わせるとどうしても隙間は出来そうですからねぇ。そして、一度そこに物質がハマると、落とすのは半ば運になります
2011-08-30 22:48:29@mitama_ 色を落とすには、実はあまり手段は多くありません。ただでさえ、炭素は他の物質とくっつきにくく、分解もしにくいので、基本的には水洗いで洗い流すか、繊維を膨張させて隙間を広げるしかないんですが、フェムトファイバーはその点あんまり融通が利かなそうなので…
2011-08-30 22:50:24@mitama_ これら理由によって、墨の汚れが落ちるかは基本的に汚れてしまった布の繊維の種類依存になります。一度はまってしまった隙間を広げることが出来るか否か、と。そしてフェムトファイバーがほぼ落ちないものである可能性も十分高いです
2011-08-30 22:55:33繊維と汚れ、って詳しく見ると実は凄くめんどい話になるのよね。高分子の知識、吸着の知識、コロイドの知識、分子構造の知識。これらが全部あって、ようやく見えてくるから
2011-08-30 22:57:52@die3035 永遠に汚れた、墨染の疵痕 などという、中二病的な言葉が脳裏に…w ※考察は理系崩れの私にも十分に理解できます、丁寧に教えてくださってありがとうございます
2011-08-30 23:01:43