『「カシマさん研究」余談』

都市伝説カシマさんの謎に挑んだ「カシマさん研究本論」について質問に答えます。
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青山葵@カシマさん研究 @aowasabi1972

『「カシマさん研究」余談』 「かしまさん研究序論」 members.tripod.com/go_raptor/intr… 「カシマさん研究本論」 togetter.com/li/1821093 ご質問がありましたので、少しだけ説明させて頂きます。 2000年の夏、orochi さん運営の「Urban Legend 」サイト上で「カシマさんアンケート」を募りました。

2021-12-31 03:31:43
青山葵@カシマさん研究 @aowasabi1972

アンケートの結果集計報告として公開したのが「研究序論」ですが、カシマさん伝承の幾多の謎を掲げたことにより、「Urban Legend 」掲示板上では謎を解くべく有志の人たちか集い多くの議論が交わされました。当然ながら結論なんかは出ないまま、議論自体を楽しんでいた時期でした。

2021-12-31 03:31:43
青山葵@カシマさん研究 @aowasabi1972

半年程経つとアンケート回答もまばらになりメディア情報なども当時の段階では集め尽くした状態になりました。その結果、掲示板では歴史上あった事件事故に起源を求めたり、他の伝承や都市伝説に結び付けたり、神話や民俗事象との関連を説いたり、「古今東西カシマ探し」と揶揄される状況になりました。

2021-12-31 03:31:44
青山葵@カシマさん研究 @aowasabi1972

ロマンを求めて想像力に任せて、マクロ的に広がっていく議論に対して、ミクロの視点から謎を解くことを構想したのが「カシマさん研究本論」の原型でした。ミクロ視点とは、ある人がカシマさんの話を聞き他の誰かに話すまでをひとつの単位として、その人の中で起こる心理的事柄だけに限定する事です。

2021-12-31 03:31:44
青山葵@カシマさん研究 @aowasabi1972

聞き手からは、語り手が過去に誰からどんな話を聞いたかは知り得ない事です。また自身が語り手になった話がその後だれにどう語られるかも知りません。そんな単位の連なりの遥か先に事件事故や他の伝承や神話などがあると、事例をいくら集めてもいくら細かく分析しても、分からないのではないでしょうか

2021-12-31 03:31:44
青山葵@カシマさん研究 @aowasabi1972

無駄な議論は止めようと言いたいのではありません。単位で語り継ぐ「伝承者」と事例を集めて考える「観察者」とを区別し、両者の世界観が違う事を意識し、そして観察者にも語り得る事と語り得ず指し示すしか出来ない事がある事実を理解した上で、大いにロマンを追い求めましょうと提案したかったのです

2021-12-31 03:31:44
青山葵@カシマさん研究 @aowasabi1972

今回の「呼び水」に登場するカシマさんは、この線引きを軽々と越えて「観察者」の世界観を持ったまま、基本的に体験者と語り手しかいないはずの実話怪談の世界に突然現れました。この事態の異常さ、異様さを理解して頂きたいというとが、今頃になって「本論」を公開した事の一つの動機です。

2021-12-31 03:31:45
青山葵@カシマさん研究 @aowasabi1972

話を昔に戻すと、マクロ視点縛りでも主な謎解きは可能でした。しかし何やら華麗なイリュージョンマジックの味気ないネタバラシの様になりました。そんなこんなで「本論」の構想は出来上がりましたが、しかしその頃「Urban Legend 」のサイト更新が途絶え公開の場を失ってしまいました。

2021-12-31 03:31:45
青山葵@カシマさん研究 @aowasabi1972

その後、書籍化を企画した時、一つ聴いただけでも呪われるカシマさんの話を何十話も収録した本の巻末に謎解き篇・憑き物落とし篇として収録する案とか、活字化が嫌いなカシマさんのために朗読の音声データ化しこのアカウントのアイコンのようなデザインのお守りCDを添付する案も考えました。

2021-12-31 03:31:45
青山葵@カシマさん研究 @aowasabi1972

それらも実現せず公表の場がないまま、書籍は現行の形で出版されました。この本の中でカシマさんの話の三つの謎と大々的に打ち出しているのに謎解きが無いのは、その名残りです。「本論」中では箇条書きになっていないので分かりづらいとの事なので、以下にまとめてみます。 amazon.co.jp/%E5%91%AA%E3%8…

2021-12-31 03:31:45
青山葵@カシマさん研究 @aowasabi1972

カシマさんの話の三つの謎 【前提】 カシマさんの話とは、口頭伝承「語り」に特化するよう魔改造された「不幸の手紙」である。ゆえに不幸の手紙同様、呪いの構造を持ち、話の内容は構造に影響しない。

2021-12-31 03:31:46
青山葵@カシマさん研究 @aowasabi1972

【なぜバリエーションが多いのか?】 構造が恐怖の源泉であるため、内容は何でもアリである。伝承者は構造が恐怖をもたらす事に気付かず、恐怖を演出・解釈するため、どんどん話を盛る。いくら盛られても話の内容は構造に影響しないため、何でも受け入れていく。結果、多種多様な類話が生まれる。

2021-12-31 03:31:46
青山葵@カシマさん研究 @aowasabi1972

【なぜカシマなのか?】 呪いの構造が求めたものは、手紙に代わる現実性を持つ言葉を呪物とし、呪いを固着すること。語り言葉の中では固有名詞・人名が物性・現実性が高く、人名を思わせる言葉が選ばれた。本来人名を思わせる言葉なら何でもよい。カシマが多いのは理由不明だがカシマでなくてもよい。

2021-12-31 03:31:46
青山葵@カシマさん研究 @aowasabi1972

【なぜ長く語り継がれるのか?】 語り継がれる理由は、怖いからである。それは呪いの構造によりカシマさんが来ると信じてしまうからである。話の内容からでは怖さの説明がつかない事も怖さを増す。カシマさんの話は「語り」によりのみ発動するので、文字・活字化する大衆媒体で爆発的に広がらない

2021-12-31 03:31:47
青山葵@カシマさん研究 @aowasabi1972

二十数年越しのマッチポンプでした。いささか雑然となりましたが、以上が余談です。 「呼び水」のカシマさんは、常識を越えた第二形態、いわばシン・カシマさんだと思われます。2022年カシマさん五十年目のその年、いったいどのような事が起きるのか。準備を整え、その時を待ちたいとおもいます。

2021-12-31 03:31:47