ついりみっくす( #twremix )オムニバスついのべ 2022

詳しくはこちらをご覧ください。http://togetter.com/li/193428
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海野久実(うんのくみ) @marinegumi

学校が終わっても家に帰るのが嫌で、いつも夕方近くまで坂の上の公園で時間をつぶした。重い腰を上げ、夕日を背にして坂道を下って行くと、いつも必ず帽子をかぶった長い影が後ろから付いてくる。一度だけ振り返る。気配はあるけれど誰もいない。お前だね。何年も前に死んでしまった私の弟。 #twremix twitter.com/sakura77_sosak…

2022-12-01 23:39:34
咲良 潤 #言の葉の点綴 @sakura77_sosaku

隠れてても、伸びた影でバレてるよ。4時。

2022-12-01 16:00:27
咲良 潤 #言の葉の点綴 @sakura77_sosaku

今までは弟がいたから家でも我慢できた。だって私はお姉ちゃんだから。でも弟がいなくなってしまったら、私はもうお姉ちゃんじゃない。だからもう我慢しなくていい。もう我慢できない。また弟に会いたい。弟のように楽になりたい。#twremix 夕日を浴びた坂道に、帽子を被った二つの影が伸びる。 twitter.com/marinegumi/sta…

2022-12-02 23:43:21
海野久実(うんのくみ) @marinegumi

学校帰りにいつも乗るバスが目の前に止まりドアが開く。見知らぬ小鳥に目を奪われ 一瞬足が止まる。友達はみんな乗り込み、私だけが残された。排気ガスの匂いが収まると、そこは見たことのない街角。外国のようなカラフルな屋根が並ぶ街に向かって歩き出す。見知らぬ両親が待つ家を目指して。#twremix twitter.com/sakura77_sosak…

2022-12-02 22:45:40
咲良 潤 #言の葉の点綴 @sakura77_sosaku

帰りのバスをわざと一本見送る、4時。

2022-11-28 16:00:28
咲良 潤 #言の葉の点綴 @sakura77_sosaku

学校帰りにいつも乗るバスが目の前に止まりドアが開く。でも乗らない私に不思議な顔をしながら、運転手はドアを閉めて走って行った。次のバスは20分後。この時間に期待している。「あー、バス行っちゃったかー」後ろから聞き覚えのある声。「うん。たった今」「お前も乗り遅れかよ」「まぁね」#twremix twitter.com/marinegumi/sta…

2022-12-02 23:49:04
海野久実(うんのくみ) @marinegumi

予感がする。私の中に眠っているもう一人の『私』が出てきそうな予感が。長い間眠ってくれていたはずなのに。その『私』は彼を憎んでいる。どうしようもない程に。今日の夕飯は彼の嫌いな物ばかりを作っている。どうか食べないでね。もうすぐ出てくる『私』は、きっと毒を入れる予感がする。#twremix twitter.com/sakura77_sosak…

2022-12-03 22:50:01
咲良 潤 #言の葉の点綴 @sakura77_sosaku

夕飯はあなたが嫌いなもの。4時。

2022-12-02 16:00:28
咲良 潤 #言の葉の点綴 @sakura77_sosaku

@marinegumi 恋人たちのちょっとした喧嘩の一幕を書いたつもりが、かなり恐ろしい話に!(笑)

2022-12-04 22:24:03
海野久実(うんのくみ) @marinegumi

交通事故で左足を失い、義足での生活になり、それと共に、ないはずの足が痛む幻肢痛に悩まされていた。こんなに痛むのだから足はまだそこにあるはずだと強く思い、ある日義足を外して歩いてみた。すると事故前と同じように歩けたのだ。一緒に横を歩いているのはあの事故で死んでしまった君。 #twremix twitter.com/sakura77_sosak…

2022-12-04 22:34:48
咲良 潤 #言の葉の点綴 @sakura77_sosaku

足を怪我したのでバスで登校した。そしたら君が乗っていた。陸上部の朝練は雨で休みなのかな?「そうだよ」と聞こえビックリしたが、ただ雨音がそう聞こえただけだ。でもそのまま君を見続けていると目が合った。君は少し笑って自分の足を指さした。君も足を怪我していた。#twnovel #言葉の添え木 雨声

2022-11-19 23:43:58
海野久実(うんのくみ) @marinegumi

足の幻肢痛よりも、君を失った痛みの方が大きかったというのは書かなくても伝わるのだろうか。

2022-12-04 22:36:49
咲良 潤 #言の葉の点綴 @sakura77_sosaku

あの日の君のことが頭から離れない。あの瞬間の君の動きは、僕を守るものだったのか、それとも僕を盾にするつもりだったのか。君が死んだということは、僕を守ったものだと信じてるけど。今日も足が痛む。この幻肢痛は君からのものなのか。 #twremix twitter.com/marinegumi/sta…

2022-12-05 23:25:51
海野久実(うんのくみ) @marinegumi

静寂と沈黙はまた別のものだと思う。静寂は訪れるもので、沈黙は守るもの。静寂はそこにあるもので、沈黙は僕たちが作るもの。静寂を二人して聞きながら、僕たちはお互いの沈黙を待っている。本当の静寂は死につながるもので、僕たちの沈黙はお互いの生を確かめるものなのかも知れない。 #twremix twitter.com/sakura77_sosak…

2022-12-05 23:01:07
咲良 潤 #言の葉の点綴 @sakura77_sosaku

気づけば、彼女との時間に沈黙が続くことが多くなった。彼女の話を後回しにしたり、意見をすぐに否定したりしたからだ。きっと僕と会話することに疲れ、僕と話す意味を失ったのかもしれない。今度彼女が喋ったら、次は僕が沈黙してみよう。彼女の声を聞けるように。#twnovel #言葉の添え木 沈黙

2022-12-05 20:53:44
咲良 潤 #言の葉の点綴 @sakura77_sosaku

妻が長い入院生活から帰ってきた。でもリハビリにも時間がかかり、家ではほとんど寝ている。でも妻の入院期間中に家事全般はできるようになったから大丈夫だ。食事だって作れる。妻は病院からもらった流動食しか食べられないけど。でも家に誰もいない静寂さに比べたらだいぶマシだ。#twremix twitter.com/marinegumi/sta…

2022-12-06 23:19:40
海野久実(うんのくみ) @marinegumi

どれぐらい眠ったのだろう。薄目を開けると暖かい暖炉の火が見え、私はまだソファーの上に横になったあなたの腕の中にいる。あなたの顔は安らかだ。これでいいんだと自分に言い聞かせる。テーブルの上ではカラのグラスが光っている。少し冷たくなった彼の腕の中で私はもう一度眠ろうとする。#twremix twitter.com/sakura77_sosak…

2022-12-06 23:19:36
咲良 潤 #言の葉の点綴 @sakura77_sosaku

あなたの腕の中で目覚め、あなたの腕の中で二度寝する、4時。

2022-12-06 04:00:28
咲良 潤 #言の葉の点綴 @sakura77_sosaku

暖炉の火はもうすぐ消える。そうすればここの気温は一気に下がる。もしそのまま凍死してしまえばそれまでだし、もし明日まで生きていたら、私はあなたのことを忘れて生きることにする。あなたはワインの二分の一を選んだ。私も自分の命を二分の一に託す。#twremix twitter.com/marinegumi/sta…

2022-12-06 23:31:03
海野久実(うんのくみ) @marinegumi

夕焼けを見上げていると、ふと隣に誰かがいた記憶がよみがえる。優しい声をした誰かが一緒にいたような気がする。それが誰なのかいくら考えても分からない。青空を見上げているときにも、虹を見上げているときにも、一緒に誰かといたような記憶があった。そして今、隣にいるあなたは誰なの? #twremix twitter.com/sakura77_sosak…

2022-12-07 22:39:47
咲良 潤 #言の葉の点綴 @sakura77_sosaku

夕焼けを見上げたら、あなたが通り過ぎたような気がした、4時。

2022-12-07 16:00:28
咲良 潤 #言の葉の点綴 @sakura77_sosaku

あなたはいつも私の隣にいたと言う。夕焼けを見上げている時も、虹を見上げている時も。でもなんだか違う気がする。みんなもあなたは私が目覚めるまでずっとそばにいてくれていたと言ってるけど、みんなで私を騙している気がする。嘘をつかないで。本物のあなたを返して。#twremix twitter.com/marinegumi/sta…

2022-12-07 23:36:01
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