- shositu_mitubot
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福島「〜〜♪〜♪」 日本号「えらくご機嫌じゃねえか」 福島「号ちゃんの部屋に置く花を見繕ってるからね。やっぱりアレンジメントより、渋いラインナップで大きめの花瓶を置いたほうが、号ちゃんらしいな」 日本号「好きにしろよ。ここも実質お前の部屋だろ」 福島「俺はいいんだよ」
2022-02-07 13:48:34御手杵「日本号ぉ、主が呼んでるぜー」 日本号「おお、はいはい。こりゃ、出陣だな」 御手杵「そう! 青野原部隊が壊滅したって」 日本号「ありがとな、いま顔出しに行くぜ。……?」 福島「うん?」 日本号「いや、いつものアレはどうした。行かないでって縋りついてくるだろ?」 福島「ああ……」
2022-02-07 13:59:45福島「行き先も用件も分かってるから、特に心配はないかな……って。主が酔っ払ってるなら話は別だけど」 日本号「……」 福島「ここに来てしばらく経ったし、俺も少しは安心した、のかな。号ちゃんは、他の主に貰われてったりしないって、分かってきたのかも」 日本号「そうかよ。……やっとか」
2022-02-07 14:02:24福島「だから、号ちゃん、行っておいでよ。俺たちは戦のために呼び出されたんだろう?」 日本号「お、おう」 福島「ああでも、もし、万が一、よその主に貰われそうになったら、その足で逃げてくれよな。せっかく与えられた体だ、できることはしたほうがいい」 日本号「はいはい」
2022-02-07 14:07:16福島「んっんっー……号ちゃんの部屋に花を飾ったし、今日も幸せだなあ」 日本号「帰ったぜぇ」 福島「号ちゃん! おかえり!!」 日本号「なんだよ、出迎える時は抱きついてくれんのか」 光忠「……ただいま、伽羅ちゃん」 伽羅「……」 光忠「手伝札が尽きてるから、遠征部隊が戻るまで休むよ」
2022-02-07 15:48:06伽羅「重傷、か」 光忠「今回は御守も使わなかったよ。だから、……まあ、悪くはない、かな」 伽羅「…………」 光忠「ごめんね、嘘ついちゃったよ。本当は敵を倒したかったな。今度こそ勝って、こんな厳しい出陣は終わりにしたかったんだけど……。…………すごい顔をしてるよ、伽羅ちゃん」
2022-02-07 15:49:36光忠「伽羅ちゃん、遠征は?」 伽羅「極は部隊から外された」 光忠「……それって、」 伽羅「……指示はまだ出ていない」 光忠「…………そう」 伽羅「……」 光忠「そんな顔しないで、伽羅ちゃん。僕なら大丈夫だよ。……それより、少しそばにいてくれないかな。傷の痛みも和らぎそうだから」
2022-02-07 15:51:17長谷「大倶利伽羅。主命が下った。出陣だ」 伽羅「……みつ」 光忠「うん、言っておいで。膝枕と頭なでなで、ありがとう。だいぶ気がまぎれたよ」 伽羅「ああ」 光忠「…………伽羅ちゃん」 伽羅「?」 光忠「ちゅっ。……お礼だよ。戦場では隙を見せないように、かっこよく活躍してきてね」
2022-02-07 20:21:50長谷「……」 伽羅「……光忠は、だいぶ参っている。青野原周回からの資源不足で今も手入れが受けられていない」 長谷「そうか。普段でもお前たちはあんな感じだと思ったがな」 伽羅「(そうだが……)」 日本号「おい、へし切! どういうことだよ。出陣ゲート前に、戦装備つきのこいつが、――」
2022-02-07 20:23:38福島「俺にも出陣命令が下ったんだよ、号ちゃん」 日本号「こいつは特がついたとはいえ、レベルはまだまだ低い。修行にも行ってねえだろ。青野原に連れていける奴じゃねえよ」 長谷「主は様々な編成を試している。極めていない刀も組み込んで編成を考えたとのことだ」 日本号「おいおい……」
2022-02-07 20:27:00長谷「政府からは、一度でいいから完全制圧をしてこい、と命令されている。これまで、最奥の敵に勝利したことは何度かあれど、あるいは敵を全て倒しての勝利はもたらせなかった。……一度でいい」 福島「把握したよ。それじゃ、行こうか」 日本号「おい……」 福島「仕事はしないとな、号ちゃん」
2022-02-07 20:31:00日本号「極めていない刀使うにしても、後方支援にまわったカンスト組がいるだろうがよ……」 長谷「じきに奴らも呼び出されるだろう。今回は戦闘要員が優先されたというだけだ」 日本号「わぁったよ。…………おい、俺のそばから離れんなよ」 福島「大丈夫、せめて足は引っ張らないよう、頑張るよ」
2022-02-07 20:33:50福島「(――とはいったものの、)」 長谷「戦線離脱は構わん、せめて身を守れ、傷を負うなよ!!!」 福島「……思った以上の地獄だったな。……めったにない隙を見つけて斬り込んだところで、傷も与えられない。これが錬度の差なのか……?」 長谷「右翼戦線崩壊! 俺と大倶利伽羅で援護にまわる!」
2022-02-07 20:36:43福島「この……斬り結んでる敵を……倒せたら、いいんだけど……っ、…………せめて、自分の身くらいは……、」 長谷「一匹、左翼側に突破された! 福島! そっちへ行ったぞ!」 福島「え…………後ろに、もう一体――」 日本号「……っ、光忠!!!!!!!」 福島「っ、……」
2022-02-07 20:39:24福島「…………っ、」 日本号「……無事かよ」 福島「号ちゃん!?」 日本号「……わるいな。……槍はかばい慣れてねえんだよ」 伽羅「こちらの戦線は決着がついた」 長谷「ああ。……各員、状況を報告しろ。主に指示を仰ぐ」 福島「号ちゃんが……号ちゃんが重傷だ!」 長谷「見ていた。……他は」
2022-02-07 20:41:49長谷「重傷が出たと報告したが、進軍しろとの主命だ」 福島「え……」 長谷「あと一戦……まぐれでの制圧に賭けたいんだろう。政府からの圧力のせいだ、主を恨むなよ」 福島「でも、」 長谷「重傷の日本号と歌仙。……どちらもアレは持っているな?」 日本号「おう」 歌仙「まったく雅じゃない……」
2022-02-07 20:57:20日本号「おい、……隊長殿。こっち来い」 長谷「俺も説得はした。だが進軍しろと……」 日本号「そうじゃねえよ。……腹にまともにぶっ刺されての重傷だ。俺はろくに動けねえ。……あいつのこと、頼んだぜ」 長谷「……」 日本号「重傷者はなるべく減らしたいだろ」 長谷「ああ。――任せておけ」
2022-02-07 21:00:19福島「号ちゃん、俺の肩に掴まれよ。歩くのもつらそうだ」 日本号「すぐに敵が来るぜ。お前も警戒しとけ。……で、へし切についていくんだ。わかったか?」 福島「え……?」 日本号「この戦場の奴らは、随分と賢いみたいでなぁ」 長谷「第四陣発見。会敵するぞ」 日本号「――弱った奴から屠りにくる」
2022-02-07 21:03:40長谷「斬り込んできたかっ、」 福島「号ちゃんを狙ってる……っ、俺も加勢に、」 長谷「行くな。足手まといになる。福島は俺のそばで援護を――」 福島「号ちゃん、防戦一方だ。……重傷のせいで、全然速さが追いついてない、……、……」 長谷「こちらにも敵が来たぞ。おい、福島っ、!」
2022-02-07 21:05:46長谷「主へ伝令! 日本号が破壊。日本号が破壊――戦闘を継続します」 福島「号ちゃ、?」 日本号「(ああ…………突然失われるのも俺らしい、なんて)」 福島「号ちゃ――」 日本号「(こいつの前じゃ、……言えねえな…………)」 カシャン
2022-02-07 21:10:37歌仙「撤退戦に移行して構わないんだろう、へし切!?」 長谷「主命では最後まで戦えとのことだが、もとよりそのつもりだ。これだけ重傷が出ていて、敵の殲滅が望めるわけがない」 福島「号ちゃ、号ちゃん…………」 長谷「大倶利伽羅、福島についていろ。こちらが敵を牽制している間に日本号を――」
2022-02-07 21:13:52伽羅「退路が拓けた。帰還する」 福島「号ちゃ、号ちゃん、行かないでくれよ、号ちゃん……っ!!!!!!!」 長谷「敵との決着はついた」 伽羅「無事か」 長谷「受け身に徹して戦線離脱を狙った。日本号は俺と大倶利伽羅で運ぶ。……くっ、無駄にでかい図体をしおって」 福島「号ちゃぁぁんんっ」
2022-02-07 21:16:30