#twnovel 3

ついのべさん
0
@prefab000

お茶を淹れた。「うわ、なにこの色!きもちわるい!」「どうして?普通だと思うけれど……」「体のなかに流れる色といっしょだよ!こわい!」少し寒くなってきたので温かい緑茶にしたのだった。「信じるよ」「ほんとう?」それで、私は少し彼女のことを疑うようになった。 #twnovel

2011-11-03 22:28:41
@prefab000

なんか、とつぜんあやまられた。わたし、ぜんぜんおこってないし。「ゆめのなかであやまってくれたからべつにいいんですよ」「え……」でも、こんどやったらはりせんぼんでてくるゆめ。こっぷのみずをおもわずいとしくほっしてしまう、そんなゆめ。だからべつに、いいんですよ? #twnovel

2011-11-02 22:51:30
@prefab000

彼は恐れていた。「なんだそんなこと」と一蹴されるのを。これについての取扱いには十分な注意をしてきたはずだった。ノートにうっかり記述せぬよう、人目につかぬよう、制服の内へ内へ。にも関わらずに話してしまった。彼は彼女に希望を持っていた。それにも関わらず彼女は。 #twnovel

2011-11-02 22:50:29
@prefab000

真夜中に泣き叫ぶ彼女。言い方は悪いけれど頭がおかしいのではと思わせる台詞をたくさん喋っていた。僕は精神科医でないしその方面のことはわからないけども、彼女の健康は心配だった。「ごめん」と気遣いを見せつつ泣く彼女の涙が止まらないように思えたのはもう先月のことだった。 #twnovel

2011-11-01 18:52:19
@prefab000

たいへんだー!10年分の日記が盗まれた!と思ったら私のそっくりさんがあらわれた!ドッペルゲンガーでなくどう見ても血の通った人間です。目には目を歯には歯を!私を知った気になっている変態さんには変態を!そういうわけで私は看護師さんのコスプレイをするに至ったのです #twnovel

2011-11-01 11:53:56
@prefab000

「お前は、周囲を見下しているんだろう」教師の言葉が彼の思考を制限した。世界は暗転した。比喩ではなく実際に暗くなった。電灯を落して、教師は出て行った。教室が夕日で赤くなるまで彼には時間があった。風でめくれていくノートには彼自身が書いた文字で「現実をみろよ」と。 #twnovel

2011-11-01 11:53:37
@prefab000

起きたとき描き上がっている絵がたのしみで絵具のついた筆を握って眠る。知らないお兄さんが描かれることもあれば、青い海のときもあった。だけど汚い絵のとき、起きた間なしに見たくない。あー今日は汚くなると思ったら「おやすみ」と文字で書き画用紙は片し、眠りにつくのだった。 #twnovel

2011-10-30 05:33:12
@prefab000

オレンジ色の壁もうつくしかったけれど、気分ではなかったので色を足した。みるみるうちに赤くなる。引力など作用していないように垂直のまま液体は輪を描く。ああ、今日もしあわせだった。「無理させてごめんね。ありがとう」声が合図となって液体は落ち足元にいっぱいに広がった。 #twnovel

2011-10-29 23:29:07
@prefab000

#twnovel ペットボトルの液体がなくなる。目を離せばあっという間に空っぽ。ある日、背後で水音。蛇口が勝手に捻られた。予感のあった私は一口。「やっぱり」これは炭酸水。数日に渡り何度も買い直した水の種類。「着色してくれれば芸があったのに。青色とか」その日のお酒もロックで飲んだ。

2011-10-16 21:04:25
@prefab000

#twnovel この扉さえ開けなければ同時に存在する。美味しい夕飯を用意してくれている可能性。先に風呂に入っている可能性。う、浮気している可能性……。「にゃー」振り向くと妻が立っていた。「あなたがめんどうなことを考えているのは知っているので可能性の外へ出てきました」

2011-08-22 22:42:18