学校の集団づくり指導と、そのベースとなる教育観の源泉について

学校の集団づくり指導と、そのベースとなる教育観の源泉について 案外それは戦前から続いていたものかも…
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桜井智恵子 Chieko Sakurai @chie_sak

91年ソ連の消滅後にロシアとなったけど、ソビエト教育学の日本への影響はとても強い。 今でも学校では「学級づくり・仲間づくり」という言葉が残っていて、これはソビエト教育学の影響。ソ連をつくったレーニンの妻で教育学者のクループスカヤによる「集団主義教育」を70年前後から日本の教育学は→

2022-03-06 20:06:54
桜井智恵子 Chieko Sakurai @chie_sak

積極的に取り入れてきた。 管理教育的に使われる傾向があることと、クループスカヤの<全面発達の教育思想〉は現代の教育現場や社会に悩ましい影響をもたらしているよ。

2022-03-06 20:08:57
内藤朝雄 @naitoasao

@chie_sak この流れについて詳しく描いている文献がありましたら教えていただけませんでしょうか。私もそのように見当をつけているのですが、探すのが苦手でその経緯についての文献を見つけることができずにいます。

2022-03-07 04:09:45
桜井智恵子 Chieko Sakurai @chie_sak

@naitoasao 本当に少ないですね。ズバリではありませんが、尾崎ムゲン『戦後教育史論』3章がよいでしょう。 資料としては矢川徳光や『資料ソビエト教育学』『資料戦後教育労働運動史』等。全国教育研究集会の報告テーマ分析がほしいですね。それらを繋ぎ、内藤さんか私が書いておいた方がよいかもしれません(笑)

2022-03-07 09:54:40
内藤朝雄 @naitoasao

@chie_sak ありがとうございます。やはり少ないのですね。こんな重要なことはどなたかがやっているはずだと思い、探していましたが、そもそもなかったのですね。活字になった体験記も、大日本帝国の天皇教国体主義の方は山中恒をはじめ大量にあるのに、ソ連系は『滝川コミューン』ぐらいしか見当たりません。

2022-03-07 12:22:38
内藤朝雄 @naitoasao

@chie_sak 聞き取り体験資料の集積から始める必要があるかもしれません。大変です。この仕事をする人がいなかったということは何を意味しているのかも、私は教育学業界の人間ではありませんが、冷戦構造の中で形成された教育学業界にとって大きな問題かもしれません。それ自体が教育史の重要課題かもしれません。

2022-03-07 12:28:37
狸穴猫/松村りか @mamiananeko

この方からこのネタが出てくるとは、時代の移り変わりを感じるなあ。 1960年台の集団主義教育と教研運動の関連、朝田理論の接近あたりも積極的に読み解いていってほしいところである。 twitter.com/chie_sak/statu…

2022-03-07 17:35:30
内藤朝雄 @naitoasao

私はこういう時代の流れに希望を感じます。私があちこちの教育委員会の教員研修講師に呼ばれたりする時代の流れです。この私がですよ。 twitter.com/mamiananeko/st…

2022-03-07 22:11:46

クルプスカヤの発達理論の形成に関するちょっとした疑問

桜井智恵子 Chieko Sakurai @chie_sak

ソ連の「発達理論」が熟練労働力形成の国家的要請だったことは山下恒男の分析もある。 日本に取り入れた経緯は政党政治的だが「発達段階」「発達保障」論として入り「学力保障」論として社会的に広がった。PTAの参加強制も含めた学校の多忙化を作り出し続け、教育政策と補完し合い管理統制を強めたよ。

2022-03-09 20:43:42
狸穴猫/松村りか @mamiananeko

その発達理論は、マルクス・エンゲルスあたりからあるので、ソ連の「国家的要請」とはちと違う気がしないでもない。   うーん…。 twitter.com/chie_sak/statu…

2022-03-10 03:10:01
狸穴猫/松村りか @mamiananeko

日本においては、山下徳治が、ソビエト教育心理学を持ち込んどるようだし、阿部重孝、城戸幡太郎、宗像誠也などが「教育科学」に精を出していた。   それは一部軍部経由で学校現場にも入り、戦中の「国民教育」化していたフシもある。

2022-03-10 03:26:20
狸穴猫/松村りか @mamiananeko

戦後、御禁制じゃなくなったので、ソビエト教育学っていう名前が出てきただけだと思うのよね。   教育労働者運動と、学者の持ってた「教育科学指向」が結びついて、「国民教育運動」や「日教組教研活動」になっていったと。

2022-03-10 03:39:43
狸穴猫/松村りか @mamiananeko

教育労働者運動は、プロレタリア文化芸術運動とも近いものだったため、学校教育の中にもそれらの要素が取り込まれやすかった。   小学校で演劇見せたり、楽団呼んだり、文化講演会をしたりとかいうアレね。

2022-03-10 04:07:21
内藤朝雄 @naitoasao

@mamiananeko このあたりまでは「思想史」的に上ずみを追うことができるけれど、その中で日本中の学校の末端でちまちました連合赤軍の指輪をしただの、銭湯に行っただので大騒ぎするような、共産主義的集団づくりのような、児童生徒の「民主的=共産主義的」集団づくり=生徒らしい生徒づくりが蔓延した実態が追えない

2022-03-10 20:49:44
内藤朝雄 @naitoasao

@mamiananeko 右の全体主義と左の全体主義が個人主義の自由を両側から挟撃する人間改造集団化の(思想次元ではなく)物質的な場として、日本の学校教育が存在してきたのだと思います。思想史的な資料だけでなく、膨大で厚みのある、山中恒の少国民シリーズのような体験記録の作成と出版が必要不可欠になります。

2022-03-10 20:56:59
内藤朝雄 @naitoasao

@mamiananeko それが『滝山コミューン』1冊しかなおというのは、教育史的にあまりにもひどい話です。教育学の業界は政界や財界とは逆さま世界で、右とされるものの問題を取り上げると賞賛され左とされるものの問題を取り上げると孤立し針の筵になる時代がありました。今多くの人は右と左の古いエラい人たちに

2022-03-10 21:04:09
内藤朝雄 @naitoasao

@mamiananeko うんざりしていても、波風を立てるのが嫌なので、日本中で生じた様々な『滝山コミューン』の事例収集をしようとしません。滝山コミューンの著者も私も教育学の所属ではないので自由に発言しますが、テニュアをとった後ですら、教育学の人は気にするようです。ハンナ・アレントがアイヒマン論考で

2022-03-10 21:10:12
内藤朝雄 @naitoasao

@mamiananeko ユダヤ人コミュニティから爪弾きになったように、この仕事をすると裏切り者、とか、右翼とか言われかねません。大昔のスターリン批判のようなものです。ですから体験資料の集積ができないのです。最初のソ連起源ツイートがバズり、大量の痛めつけられた過去についての体験談が寄せられたのも、そういう

2022-03-10 21:13:56

実録等の資料が少ないことについての内藤朝雄氏の嘆き

内藤朝雄 @naitoasao

学級会の集団づくりなかまづくりのつるし上げの被害の記憶を、多くの人が語り出し、記録を作り、歴史資料として出版する必要があります。山中恒の少国民シリーズのようにです twitter.com/naitoasao/stat…

2022-03-10 21:23:32
内藤朝雄 @naitoasao

@mamiananeko 過去の学校左翼全体主義の苦しみの記憶が、戦時中の右翼全体主義の苦しみと同様に、言葉にならず沈殿していたからです。ジュディス・ハーマン『心的外傷と回復』のレイプや戦争神経症の記憶の地下水脈のくだりを彷彿とさせます。子ども時代の苦難の体験を言葉にして記録に残すことが必要です

2022-03-10 21:19:04
内藤朝雄 @naitoasao

実際に社会に行き渡っていることや、人々の社会的メンタリティが重要だ。マカレンコやら竹内常一やら大西忠治やらの思想史自体は、社会に行き渡っている実態との対応関係を考察することができてはじめて意味がある。実態についてはある程度の分量の体験記録の集積がなければ定めがたい。

2022-03-10 21:54:01
内藤朝雄 @naitoasao

その重要な仕事を教育史の人たちがサボってきた。多くの人が学級会のつるし上げや、過度の集団化によって個人的な生活の禁圧などで痛めつけられてきたにもかかわらず、公共的な記録が選択的非注意のお約束によって、不作為の罪を犯してきた。近現代史の歴史学者はそれは教育史の仕事でしょうと分業する

2022-03-10 21:54:02