中国軍事雑誌に見るロシア軍BTGの評価

翻訳ありがとうございます
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Sonoda Hiroki @SonodaHiroki

⑯ロシアBGT(中国の合成大隊)指揮官は、攻撃を成功させても、敵の反撃により成果が相殺される可能性を常に考慮しなければならないが、ロシアBTG或いは解放軍合成大隊の能力を超えている。この状況下では旅団レベルのリソースによる支援では不足で、集団軍或いは戦区級リソースによる強化が必要だ。

2022-03-18 19:20:54
Sonoda Hiroki @SonodaHiroki

⑰BTGは、敵の旅団規模の攻撃に対してその充実した長射程·精密な火力打撃によってのみ米軍の指揮統制システムを混乱させることが可能であり、上手くいけば敵後方の予備戦力や火力部隊を制圧或いは排除できるかもしれない。このような長射程·精密火力は集団軍または戦区級単位により提供されるものだ。

2022-03-18 19:22:25
Sonoda Hiroki @SonodaHiroki

⑱ウクライナ東部におけるBTGの一部の兵器システムは優秀なものであったが、彼らは米戦闘部隊の広い正面をリアルタイムで偵察監視できる有効な手段に欠けていた。

2022-03-18 19:23:05
Sonoda Hiroki @SonodaHiroki

⑲米BCTが運用できる機動的な兵力は、ウクライナ東部戦場におけるロシアBTGの3倍であるとともに、更に重要なことは、米側はデジタル化されたフラットな指揮により同時に多くの部隊を有機的に行動させることができる点だ。

2022-03-18 19:23:34
Sonoda Hiroki @SonodaHiroki

⑳そのため、BTGは敵の全作戦行動を追跡・分析かつ対抗しなければならない。しかしBTGにはこのような能力はないうえに、上位の情報分析部隊に支援を要請する正規のメカニズムもない。

2022-03-18 19:24:34
Sonoda Hiroki @SonodaHiroki

㉑攻撃型の米BCTは、戦場において大隊戦闘群の3倍の機動力を有しており、BTGは自らの生残性を確保するためにも敵に対する監視などの作業量を増加させなくてはならない。

2022-03-18 19:25:17
Sonoda Hiroki @SonodaHiroki

㉒これは、BTG内にあるドローン部隊の限定的なリソース(動員可能な旅団のリソース含む)をより長時間在空させ、分析員は兆候探知のためより多くの写真を判読しなければならないとともに、偵察で得られた目標情報を現在よりも頻繁に更新しなければならないことを意味するが、現状では不可能である。

2022-03-18 19:26:41
Sonoda Hiroki @SonodaHiroki

㉓現状、 BTG指揮官は情報に従事する人員と機材を使い果たすか、偵察リソースを節約して状況認識の低下による不確実性を冒すかの選択を迫られる。 これも集団軍あるいは戦区レベルのリソースを動員して問題を解決するしかない。

2022-03-18 19:26:59
Sonoda Hiroki @SonodaHiroki

㉔次は後方支援能力。 ウクライナの戦闘で、ロシアBTGの後方支援部隊はかなり後方に配置されていた。 よって交替人員、装備や予備部品は既に損害を受け後退する部隊から借りるか、後方の待機部隊からしか入手できない。必要なものが戦闘地域から500kmも離れた場所に置かれているということなのだ。

2022-03-18 19:29:40
Sonoda Hiroki @SonodaHiroki

㉕(BTGを擁する)旅団司令部は、BTGのために、八方手を尽くして兵站や物資調達に努めるが常続的に行うことは難しい。補給物資などはまず西部軍管区司令部に送られた後、BTG副指揮官宛に送付されようやく配分が決定する。

2022-03-18 19:30:30
Sonoda Hiroki @SonodaHiroki

㉖医療においては、旅団のリソースで増強されたBTGでも専門医療のための後送や戦場での救命能力は限定的である。戦傷救命が及ばず戦死者が増加するようなことがあれば、部隊の士気に重大な影響が生じる。

2022-03-18 19:31:12
Sonoda Hiroki @SonodaHiroki

㉗医療の不足により、BTG指揮官は危険回避のためより慎重になるが、BTGの戦闘力にも制限をかけることにつながる。この問題も解決する唯一の方法は、旅団レベルよりロジに優れた上位リソースを得ることである。

2022-03-18 19:31:52
Sonoda Hiroki @SonodaHiroki

㉘ロシア軍のBTGによる革新は、基本的には自動車化狙撃大隊をベースに”超規格”の火力部隊などにより補強した戦闘集団であることで、従来旅団規模の部隊の指揮、偵察、さらには砲兵支援能力をより小規模な体制で実現するというものである。

2022-03-18 19:32:30
Sonoda Hiroki @SonodaHiroki

㉙この新たな大隊戦闘群は、ウクライナやシリアなどへの介入で高い戦闘能力を発揮しロシア軍のステレオタイプの保守的なイメージを変えたが、古い兵器やデジタル化・情報化能力の欠如、脆弱な後方支援、持続的な戦闘力の低さなどから、動的戦闘を重視しないウクライナ東部のような戦場にしか向かない。

2022-03-18 19:33:32
Sonoda Hiroki @SonodaHiroki

㉚米軍などの先進的な敵は、高烈度の戦場においてBTGの拠点をノックアウトして簡単に麻痺させることが可能だ。

2022-03-18 19:34:23
Sonoda Hiroki @SonodaHiroki

㉛中国の合成大隊は、兵器装備の性能指標で明らかにロシア軍を凌駕し、更にはロシア側が保有していない兵器装備も多数あるとともに、デジタル化・情報化能力はより米軍に近く、指揮・戦闘システムも米軍に酷似しているものの、戦火の洗礼を受けていないため戦術的合理性を検証することは困難である。 pic.twitter.com/MoCqnVotV5

2022-03-18 19:35:23
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Sonoda Hiroki @SonodaHiroki

㉜中ロ両軍とも高烈度の地上戦に対処する必要があるとともに、共通の戦略的競合相手に直面していることを考慮すると、”中露西方・聯合-2021”戦略演習は両軍が互いの長所を学び、短所を補完する機会を提供するものである。

2022-03-18 19:36:12
Sonoda Hiroki @SonodaHiroki

㉝結び 軍事演習は、二国間関係において相互の戦略演習への参加は軍事協力の最高レベルである。 近年来、人民解放軍は猛烈なスピードで前進している。 合成部隊は人民解放軍陸軍の主要な作戦戦力となった。

2022-03-18 19:37:10
Sonoda Hiroki @SonodaHiroki

㉞合成大隊は小型化、多機能化、合理化、モジュール化など多くの利点を統合し、情報主導、システム支援、精鋭による戦闘、共同勝利の概念を強調し、重・軽・空挺・山岳・両用戦など多種類の新型合成大隊のモジュール化により陸軍戦闘システムに完全に組み込まれ(続)

2022-03-18 19:37:41
Sonoda Hiroki @SonodaHiroki

㉟(続)戦闘指揮におけるマルチソース認識、戦闘要素の高度な統合、戦闘空間の多次元への拡大を推進し、部隊の機動作戦や立体的な攻防両面の能力を大幅に向上させている。 pic.twitter.com/zqxbJ3yutP

2022-03-18 19:38:22
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Sonoda Hiroki @SonodaHiroki

㊱新たな戦闘能力が、軍事闘争における価値をより効果的に発揮するためには、実戦経験という潤滑油が必要である。 ”中露西部・聯合-2021”戦略演習は、ロシア軍戦術の「実戦経験」を交換する重大な意義とともに、中露の戦略協力が「終焉も境界も限界もない」ということを見事に体現している。(終) pic.twitter.com/yTKVguH8Bg

2022-03-18 19:41:25
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Sonoda Hiroki @SonodaHiroki

補足 :訳中の「戦区」はロシアの「軍管区」に相当します。

2022-03-18 19:43:55