茂木健一郎(@kenichiromogi）さんの連続ツイート第2760回「ゲーテのファウストと人造人間ホムンクルス」

茂木健一郎 @kenichiromogi

連続ツイート２７６０回をお届けします。文章はその場で即興で書いています。本日は、感想です。

茂木健一郎 @kenichiromogi

ゲーテの『ファイスト』第二部では、人造人間ホムンクルスをつくろうとする。ファウスト博士がいろいろ試みるが、うまくいかない。最後に地震のようなことが起こって、結果としてホムンクルスが誕生する。

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ゲーテは、人造人間の誕生には、人間がコントロールできること以外の介入が必要だということを書きたかったのだろう。ファウスト博士とホムンクルスは、いっしょに古代ギリシャの世界を旅をして、最後はエーゲ海のほとりにくる。

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旅の間、ホムンクルスは自分が誕生する時に入っていたガラスの器にずっと入っている。そのことによって、自分の人工生命と、広い世界を隔てて守っているのである。

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エーゲ海に至ったホムンクルスは、海を行く女神ガラテアがホタテに乗って進むその美しさにあこがれて、手をのばそうとするが、その瞬間に入っていたガラスの器がこわれて、ホムンクルスは海の中に投げ出される。

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人工生命として誕生したホムンクルスは、ガラスの器から解放されて、海に投げ出され、もう一度進化の過程を最初から始めることになる。現代につくられている人工知能やロボットを待ち受ける運命も、そのようなものなのだろう。

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以上、連続ツイート２７６０回「ゲーテのファウストと人造人間ホムンクルス」をテーマに５つのツイートをお届けしました。