三題噺ったーまとめ

@ouno_tbm

７　「じゃあ私が呼んであげる」「ダンケ。でも無理だ。俺はもうアイツには見えない」「…じゃあ私があの人に伝えるわ。何か伝言はないの？」男は軽く指を顎に当ててから不意に屈みました。女の子を抱き締めて頬に軽くキスをしました。ふわりと優しい、胸の奥がくすぐったくなるようなキスでした。

@ouno_tbm

９　「これをアイツにしてやってくれ」女の子は黙って頷きました。一言でも喋ったら受け取った温かさが零れてしまいそうでした。ワンピースが濡れるのにも構わずに女の子は木立から駆け出しました。後ろを振り返らなくとも男がもういないと分かりました。

@ouno_tbm

９　水たまりに靴を突っ込んだ水音に青年が振り返ります。待っていて、今届けるから。はちきれそうな胸を押さえながらまた一歩、女の子は地を蹴りました。//　以上。老人、防具、宝くじを含めて９ツイート以内で童話。TL流し大変失礼しました。

@1_18

こういうの始めて知りました。面白そう！ @1_18に問題です。「雷」「ＯＬ」「ポケット」の3つの言葉を含め、５ツイート以内で自己紹介を書きなさい。 http://shindanmaker.com/5279

@1_18

アイクは通信将校に回線は？と目線でたずねた。「ＯＬです、どうぞ」　差し出されたヘッドセットをジャケットのポケットから出した左手で受け取り、片耳にだけあてマイクに口元を近づけた。「この雷雨は六日早朝までに一度止む。これが最善か私には分からない。だが選択の余地はない。諸君、行こう！」

@taskun

とりあえずファンタジーと云い張ってみる。 @taskunに問題です。「山頂」「剣」「乳酸菌」の3つの言葉を含め、９ツイート以内でファンタジー小説を書きなさい。 http://shindanmaker.com/5279

@taskun

久々に流れ星を流すか、と博士が云った。川から汲んできた澄んだ清水を大鍋に流しこみ、海で集めた星砂を小袋一杯分入れる。博士、ただの砂水みたいですけど？と訊くと、七色に煌めく鉱石と小さな剣を渡された。【1】

@taskun

剣で砕いたその鉱石――凝星石のかけらを鍋に入れると、星水が分解されて主星分が沈殿して固まるらしい。牛乳に乳酸菌入れたみたいなものですか？と訊くと、ああそうかも分からんね、と博士はどっちつかずの返答をした。【2】

@taskun

分離した上澄み液を取り除き、丸めて日向で乾燥させると、主星分は日が暮れるまでにカチカチの星玉になった。【3】

@taskun

それをロバに乗せて山頂まで運び、年季の入った打ち上げ機械に装填した。君が作ったのだから君がやりたまえと博士に促されて、自分で導火線に点火する。【4】

@taskun

星玉はボオンと垂直に空に打ち上がり、一番高いところで幾つもの欠片に分かれ、輝きながら八方に飛んで行った。ヤア、素晴らしい。夜空を見上げたまま、博士は満足そうに両手を打ち鳴らした。《了》【5】

@ke64_theresa

ギャグにならなかった。無念　@ke64_theresaに問題です。「漁港」「王子」「980円」の3つの言葉を含め、６ツイート以内でＳＦを書きなさい。 http://shindanmaker.com/5279

@ke64_theresa

風の強い夜だった。休暇を利用して東京からやって来た男ばかり三人、沖で釣りをしようと素人考えで海に出た。俺はやめようって言ったんだ。ラジオでは、今夜は嵐になるって。案の定海は荒れに荒れた。船は上下左右てんでばらばらに揺れて、夜が明ける頃には俺たちは目から鼻から口から汁だらけ、＞＞

@ke64_theresa

＞＞床の上で濡れ雑巾よろしくぐったりとくたばっていた。ほうほうの体で船を下りるとたどり着いたのは見知らぬ漁港だった。霧がひどく、男たちは何やら貝のようなものを陸揚げしている。なぜか皆終始無言だ。誰も口を利く者がいない。気味が悪かったが、俺は勇気を出して男の一人を捕まえた。＞＞

@ke64_theresa

＞＞水をくれないか、喉がカラカラなんだ。するとそのセメントみたいなひどい顔色の壮年の男は、姫様の許可無しにはやれんと言った。――姫様？随分と時代錯誤だ。俺は眉を寄せた。そのとき出し抜けに霧の中からぬぅと白い腕が伸びてきて、俺はぎゃっと悲鳴を上げた。他の二人が慌てて寄って来る。＞＞

@ke64_theresa

＞＞女だ。いや少女だ。齢の頃13・4の年端も行かない少女が言った。ようこそ――へ。歓迎するわ。彼女が「姫様」に違いない。子供の遊びに付き合っていられるか。俺は絡められた腕を振りほどき、「助けてくれ。このままじゃ干からびちまう」すると少女は何がおかしかったのかケタケタと笑った。＞＞

@ke64_theresa

＞＞「じゃあ、私に何か頂戴。一番良い物をくれた人が、私の王子様よ」よくわからないが、とりあえず話を聞くしかあるまい。俺はポケットをまさぐった。一人はルアーを出した。少女は首を横に振った。もう一人は湿気た菓子を出した。少女はまたしても首を横に振る。最後は俺の番だった。＞＞

@ke64_theresa

＞＞出てきたのは姪っ子にやろうと思って買ったきり忘れていた日曜朝８時の変身美少女戦士のアイテム、980円の銀色の指輪だった。少女は目を輝かせた。すごいわ。ずっと待っていたの。貴方が私の王子様ね。――以来xx年、俺は彼女と共にずっとここにいる。次の「王子様」が現れるのを待ちながら。

@asagahooo

文章書きじゃない人間がやった結果がこれだよ！！ @asagahoooに問題です。「アルバイト」「詐欺師」「議員」の3つの言葉を含め、４ツイート以内でショートショートを書きなさい。 http://shindanmaker.com/5279

@asagahooo

「やあやあ、急に降ってきたな」そんな小言を吐きながらスーツをきっちりと着込んだ壮年の男性がバス停に駆け込んでくる。「天気予報には雨なんてなかったのに…」と私はうっかり返事をしてしまった。壮年の男はベンチに腰を下ろすと「まあ、天気予報とて確実なものではないですからな」と低く笑った。

@asagahooo

またぼんやりとバスを待っていると、ずぶ濡れの若い男性がバス停へと駆け込んできた。「ったく、急にふってきやがって…こんなに降ったら明日のアルバイトだって中止に…」そこまで言ったところで私と男性の二人に気づいたらしく気まずそうな顔をしたが、とりあえずといった風情でベンチに腰掛けた。　

@asagahooo

また雨音が支配する時間が流れたが、若い男が私の顔を凝視している事に気がついた。「何か？」不躾な視線に耐えきれず私が声をあげると、「いやいや、なんかどこかで見たことある顔だなーって」というと、男性は俯いて黙り込んでしまった。「そういえば私も貴方の顔を拝見したことがあるような気が…」

@asagahooo

２人の視線に耐えきれなくなった私は立ち上がり、バス停から飛び出した。「一体なんなんだあの人…」と若い男が呟いて、視線を壁に移すと、そこには議会議員の選挙ポスターと詐欺容疑の犯人の顔写真があった。若い男があっと思わず声をあげる。先ほど走り去った人物は容疑者とよく似た顔をしていた。

@ara_kwa

すいません、被っちゃうんですけど寝そうなんでこれだけ……！ @ara_kwaに問題です。「みぞれ」「金髪」「２ちゃんねる」の3つの言葉を含め、９ツイート以内で笑える話を書きなさい。 http://shindanmaker.com/5279

@ara_kwa

彼のことを語るのが好きだ、みんな。たとえばゲルマニスティックの行方だとか、国産野菜の高騰だとか、テレビが流行らせたがっている新語だとか。そういうことを捕まえて、誰もが彼の話をするだろう。次から次に、口から出まかせに。僕はそれを聞くたびに笑いだしたくなる。何もわかってないね、と。