循環器と糖尿病のコラボレーション

心血管リスクと糖尿病は切り離せないものなのです。 医療者向け。 ※まとめるの疲れるし、どうせこれも歴史の闇に葬られるから、もっと正式な場所でやらないか?と言いたくなるけど、まあそれは私のワガママ。
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おだQ🧬💉 @OdaQ_DM

たぶんだけど、SGLT2阻害薬、 ・外来メインの糖尿病医、 ・病棟も外来も診るどちらかといえば総合内科的な糖尿病医、 ・バリバリ循環器内科医、腎内医 ・総合内科医、 ・後期含め研修医のセンセイ、 全員ちょっと見かたというか抱いているイメージが違う気がする。

2022-06-03 12:55:53
おだQ🧬💉 @OdaQ_DM

弊学会が主導じゃなくて、それぞれの立場から見たステートメント出してほしいなー。

2022-06-03 12:56:49
筋肉博士💪Takafumi Osaka @muscle_penguin_

(1/13) SGLT2阻害薬は腎尿細管のSGLT2を阻害することで糖の再吸収を阻害し、尿糖ダダ漏れにする薬です。正常健常者の場合、1日約70gの尿糖(280kcal)の排出となるため、血糖効果作用だけでなく、体重減少効果も期待できる薬剤として発売されました。 またこの薬剤は複数の薬剤が同時に販売開始をし、

2022-06-03 19:42:13
筋肉博士💪Takafumi Osaka @muscle_penguin_

(2/13) 多くが2社で併売する形となったため、多くの製薬会社が関わる形となりました。 この薬剤が発売されるにあたって、この裏技的な血糖低下効果に関しては糖尿病内科からの反発は大きなものでした。「腎機能が悪くなるんじゃないか?」「痩せすぎてしまうんじゃないか」などなど。

2022-06-03 19:42:14
筋肉博士💪Takafumi Osaka @muscle_penguin_

(3/13) なので、当初は『合併症のない小太りの中年』が最適処方と言われていました。 それが大きく変わったのが、EMPAREG試験です。近年、欧米では新糖尿病薬は新血管イベントを増やさないかどうかの試験が行われるのですが、それでなんと逆に新血管イベント抑制効果を示してしまったわけです。

2022-06-03 19:42:14
筋肉博士💪Takafumi Osaka @muscle_penguin_

(4/13) RCTの第一評価項目でないこの事が大きく取り上げられました。のちに複数の試験でも同様の効果が示され、現在では心不全、心イベント、慢性腎不全のイベント抑制、進行抑制効果は明らかとなっており、アメリカ糖尿病学会のガイドラインでもそれらのイベント抑制を考慮する場合第一選択として

2022-06-03 19:42:14
筋肉博士💪Takafumi Osaka @muscle_penguin_

(5/13) 挙げられています。 副作用としてはっきりしているものは尿路感染症です。特に尿路異常がある場合はそのリスクが高くなると言われています。しかし、他の糖尿病薬と比べて尿路感染症の頻度は変わらなかったなど相反する報告も存在します(PMID: 31357213)。

2022-06-03 19:42:15
筋肉博士💪Takafumi Osaka @muscle_penguin_

(6/13) 糖尿病そのものがやはり感染症のリスクですし、糖尿病の無い方への処方の場合は今後のデータの蓄積が必要です。 SGLT2iの副作用として懸念されているのがサルコペニアです。SGLT2iがエネルギをを放出する事によって体重減少を来す事から骨格筋量の減少を来すのではないかと

2022-06-03 19:42:15
筋肉博士💪Takafumi Osaka @muscle_penguin_

(7/13) 発売当初から懸念され続けています。しかし、明らかにサルコペニアを増やすという報告は現時点ではありません。体重減少のほとんどは脂肪有意であり、骨格筋量の低下は少ない事が近年明らかとなってきています(PMID: 34676695)。大学院の時にこういった

2022-06-03 19:42:15
筋肉博士💪Takafumi Osaka @muscle_penguin_

(8/13) 内容の基礎研究に関わっていましたが、筋萎縮遺伝子の抑制などが可能性として挙げられます(PMID: 31379410)。ただ、現実的にどのような患者さんでもサルコペニアを進行させないと言ったまでの根拠ではなく、エネルギー摂取低下による体重の低下からサルコペニアが進行する可能性も十分に

2022-06-03 19:42:16
筋肉博士💪Takafumi Osaka @muscle_penguin_

(9/13) 考えられますのでやはり処方後の体重減少についてはモニターするのが良いでしょう。 心不全に関しては特にほとんどのデータが海外で、フレイルのデータでも平均BMI22と日本人を含めたアジア人のサルコペニアとはかなり様子が異なってきます。

2022-06-03 19:42:16
筋肉博士💪Takafumi Osaka @muscle_penguin_

(10/13) サルコペニアは欧米とアジア人では同じに扱えないという理由でガイドライン上の診断基準もヨーロッパとアジアでは異なりますし、フレイル高齢者へのSGLT2iの安全性については、どこまでそのまま使用できるかという点については考慮するべきだと思います。

2022-06-03 19:42:16
筋肉博士💪Takafumi Osaka @muscle_penguin_

(11/13) 心不全そのものもサルコペニアのリスクですので、筋肉の面からみても心不全のイベント抑制は重要な課題です。SGLT2iによる体重減少は持続的に効果があるものではなくほとんどは約半年までで止まるので、サルコペニアが進行するにしても比較的短期間、注意深く評価すればよいと思いますし、

2022-06-03 19:42:17
筋肉博士💪Takafumi Osaka @muscle_penguin_

(12/13) 結局はベネフィットとリスクを天秤にかける事が必要だと思います。個人的な経験ですが、アクトスによる心イベント抑制効果が報告されたときに私の周りの循環器内科の先生が糖尿病薬をこちらで出しているにも関わらず、何の連絡もなくどんどん処方されたことがあったので、

2022-06-03 19:42:17
筋肉博士💪Takafumi Osaka @muscle_penguin_

(13/13) 一緒に見ている患者さんに関しては連絡して欲しいなと思います。 かなり論文の引用を省略しています。すみません。 もっと膨大なデータを元にまとめたかったのですが、講演依頼いただいた時にしたいと思います笑

2022-06-03 19:42:17