何がきっかけでラノベで「不思議要素のない恋愛もの」が人気になったのだろうか?

71
我乱堂 @SagamiNoriaki

私も新しい!と思ったのは『私たちの田村くん』だったなあ。MFの方で超常要素のないラブコメが出てたのはぼんやりと知ってたけど、どういうわけか田村くんの方が新しいと思ってた。謎である。

2022-06-08 22:55:37
貴金属 @silverclock96

ローラブコメが「人気になった」かと言われると昔からあった気がする、という回答になるので(ゼロ年代の有名ラブコメでも、とらドラ、乃木坂春香あたりをあげられる)、体感的には「恋愛学園ものが不思議要素を使わなくなってきた」の方が近い感じがしちゃう

2022-06-08 22:14:02
菊地 @snowillusion

ラノベ史におけるエポックメイキングな作品が全てリアルタイムで「これはラノベ史に残る作品だ!」「新しい!」「これは業界の流れを変える!」ってなっていたかと言うと必ずしもそうではない。 改めて歴史を編纂して並び変えてみたら、丁度ターニングポイントに配置された、という事例は少なくない。

2022-06-08 22:39:24
菊地 @snowillusion

例えば今でこそ「異世界転移」もののラノベ史を語ろうとすると高確率で「ゼロの使い魔」が出てくると思うんだけど、当時のゼロ魔はあくまで「ツンデレヒロインが出てくるファンタジーラブコメ」みたいな扱いで、そんなに「異世界」にクローズアップされて語られていたイメージはありませんし。

2022-06-08 22:49:25
菊地 @snowillusion

実際「ゼロの使い魔」の前に、他レーベルで「A君(17)の戦争」、同レーベルで「イコノクラスト」みたいなそれなりに長期シリーズ化した異世界転移の作品が出てたけど、当時のラノベ業界でその辺作品群を「異世界転移」ものとして取りまとめて扱うことが主流だったかと言うとそんなことなかった訳で。

2022-06-08 22:54:35
菊地 @snowillusion

あの当時の「ゼロの使い魔」が他作品とまとめて語られるとしたら「灼眼のシャナ」辺りと合わせた(釘宮理恵)ツンデレヒロインの文脈だった気がする。実際「ラノベツンデレヒロイン史」を語ろうとしたら間違いなくこれらの作品は入るだろうし、この辺はリアルタイムで話題になった実感もあると思う。

2022-06-08 23:00:48
菊地 @snowillusion

こういう風にラノベ史においてマイルストーンとなる作品を配置した時、「当時その文脈で話題になっていましたわ!」って作品(要素)と「今から考えれば、その要素においてはかなり先駆けとなる作品だったんですね。当時その文脈では語られなかったけど」となる作品(要素)があるという話ですね。

2022-06-08 23:03:26
赤木真紅朗 @shin_akagi

めちゃくちゃ言われてることだけど、ライトノベルって草創期からメディアミックスが前提にあったメディアだから、めちゃくちゃ軽率に他のメディアの流行や社会性が反映される媒体で、ライトノベルだけを見てエポックを探すと変な結論になりやすい

2022-06-08 22:53:29
赤木真紅朗 @shin_akagi

「乃木坂春香が超重要作として扱われてるのは変」とか言いたいわけじゃないです、念のため念のため

2022-06-08 22:54:34
赤木真紅朗 @shin_akagi

エポックメイキング性を読者が感じるのは設定よりもむしろ表現、というのは読者の素直な感覚としてあると思う

2022-06-08 22:56:06
赤木真紅朗 @shin_akagi

MFが「ライトノベルの本質ってたくさん出てくる美少女キャラとのラブロマンスじゃない?」って感じでレーベルの中央に持ってきたこと自体がライトノベルにおける美少女キャラの扱いそのものを変質させてしまったことのほうがインパクト強くて、個々のタイトルで追いかけるとその衝撃を見失うというか

2022-06-08 22:58:38
我乱堂 @SagamiNoriaki

というか、MF文庫のパブリックイメージ?のようなものが固まるのって、ゼロ魔が人気出て以降だったような記憶がぼんやりとある。当時は2ちゃんのラノベ板とかから遠ざかってたから、ぼんやりとしているが…

2022-06-08 22:58:52
我乱堂 @SagamiNoriaki

どうもこのあたりは時系列を整理してみないと、記憶頼りだといい加減になるな…神野オキナ先生の『あそびにいくヨ』を店頭で見て衝撃を受けたが、今確認すると2003年10月か。ゼロ魔が2004年6月なので…ううむ…

2022-06-08 23:09:45
赤木真紅朗 @shin_akagi

それはたぶんそうだと思う…成人向けゲームで培われていた技術が直接にライターが小説を書いたクロスメディアによって発生して、「ファンタジー」と「ラブコメ」が同時に一冊の本にあったら「ラブコメ」がメインディッシュ、となったのがターニングポイントであって

2022-06-08 23:02:28
赤木真紅朗 @shin_akagi

ラブコメがメインであるならファンタジー要素のあるなしは重要ではない、となったのがおおよそ2000年代中盤に起きたライトノベルの質的変化なんだと思う(だから個々の作品に超常的要素があるかないかはあまり重要ではない)

2022-06-08 23:03:30
mizunotori @mizunotori

「萌えラブコメ」のラインは、「超常あり」の設定ながら90年代からあって、その「超常あり」設定が2000年代前半にしれっと外れたんだけど、当時はそれが重要なことだとは思われてなかった。この「萌えラブコメ」のラインを2005年ごろからMF文庫Jが爆発的に拡大した。

2022-06-08 23:54:38
mizunotori @mizunotori

「青春小説」のラインも、昔からジュブナイル小説や少女小説の流れがあったし、橋本紡は「超常要素のない作品を作るのは冒険だった」みたいなこと言ってたけど、少なくとも読者側で「ラノベで超常要素のない青春小説だなんて新しい!」という反応はなかったんじゃないかな。

2022-06-08 23:54:39
mizunotori @mizunotori

で、2000年代前半といえば、ヤマグチノボルとか桑島由一とか、エロゲ出身のラノベ作家が、ちょっと毛色の違う青春ものを書いていた。竹宮ゆゆこ・桜庭一樹・野村美月の女性作家陣も揃ってエロゲ・ギャルゲのライターをやっていたりする。いずれも「いかにもギャルゲ」的な作品ではないんですよね。

2022-06-08 23:54:39
mizunotori @mizunotori

この3つのラインが緩やかにラノベに消化・吸収・統合されていったのが2000年代後半だった…ということなのかなあ。わからんけど。個人的な整理はそんな感じです。とりあえず『俺妹』はぜんぜん後発の作品ですね。

2022-06-08 23:54:39