molbio08先生とDNA

これも面白いな。塩基とアミノ酸が特定のパターンで配列が決まるという。そして人工的なものじゃないかという結論に導き出されていく
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molbio08 @molbio08

専門分野は分子腫瘍学・分子生物学。抗体を活用した研究を行ってきました。腫瘍免疫は重要なテーマなので免疫学も守備範囲。大学で教えています。

molbio08 @molbio08

荒川先生のNoteの記事ですが、一見難しいように感じますが、この内容を理解するために重要なことは遺伝暗号の概念です。生物の遺伝情報はDNAに四種類の塩基の配列によって記されています。ACGTの四種類であることはご存じのことと思います。これからmRNAが合成されるのが転写の反応です。 twitter.com/7xczvz2knym9ps…

2022-06-08 05:00:13
毒母乳 @7xCzVz2knym9PSL

@molbio08 @kazuchancocone さん 人工説・・ #荒川央 先生も昨日記事UP。 note.com/hiroshi_arakaw… 先生執筆のプレプリントのリンクあり、分子生物学者とかでないと読解厳しいようでした😇 "オミクロンだけではなく、解析した新型コロナウイルス変異株の全てが人工ウイルスである事が強く疑われる" おや?だれかk

2022-06-06 21:36:34
molbio08 @molbio08

mRNAにリボソームというタンパク質合成装置が結合すると3つの塩基に一つのアミノ酸を割り振る方式でタンパク質の合成反応が行われます。この過程を翻訳と呼びます。つまり塩基配列がアミノ酸配列にデコードされるというプロセスです。アミノ酸は20種類ありますが塩基は四種類です。ここが理解の肝です

2022-06-08 05:03:39
molbio08 @molbio08

四種類の塩基の配列で20種類のアミノ酸を指定しないとタンパク質ができないわけです。そうすると塩基一文字で指定できるのは四種類のアミノ酸です。塩基二文字では16種類です。まだ足りないわけです。そこで塩基三文字で一つのアミノ酸を指定することにすると塩基三文字の組み合わせは64種類です。

2022-06-08 05:06:35
molbio08 @molbio08

あれ、必要な数より多いよね。ということになります。そこで生物が採用したのが一つのアミノ酸を指定する三文字の塩基の組み合わせを複数にすることです。三文字の塩基の組み合わせは64種類です。これは4かけ4かけ4、4の三乗という計算です。20種しかないアミノ酸を64種類もあるもので指定するわけです

2022-06-08 05:10:44
molbio08 @molbio08

これは単純な割り算ですが一つのアミノ酸を指定する塩基三文字の組み合わせは平均して3種類あることになります。貼り付けた遺伝暗号表をご覧ください。この表を見ると面白いことがわかります。例えばセリンというアミノ酸を指定する塩基の組み合わせですが始めの二文字は固定です。三文字目が4種類ある pic.twitter.com/VQdor3hxR4

2022-06-08 05:15:30
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molbio08 @molbio08

ここがポイントです。セリンを指定するための塩基配列は4種類ありますが最初の二文字は全て同じです。ということは三文字目の配列が変化しても指定するアミノ酸の種類は変わらない。なんと塩基配列が変化してもアミノ酸の変化がないケースがあるわけです。このような変異をサイレント変異と呼びます。

2022-06-08 05:18:07
molbio08 @molbio08

一方で最初の二文字が変化するとアミノ酸の種類は変わってしまいます。これが荒川先生がN変異と呼んでいるものです。アミノ酸を指定する三文字の塩基配列のことをコドンと呼びます。ゲノムに生じた突然変異がランダムだとすると三文字目の変異も少なからず生まれるはずです。S変異が一定存在するはず

2022-06-08 05:22:25
molbio08 @molbio08

ところが実際の新型コロナウイルスの塩基配列の変化のパターンを調べてみると変異はスパイクタンパク質に集中している。これはスパイクタンパク質が変異すると感染力が強まったり免疫をすりぬけたりするようになるので百歩譲って、それはいいとしましょう。ところがS変異が異常に少ないのが問題。

2022-06-08 05:24:52
molbio08 @molbio08

S変異、これはサイレント変異の略ですがサイレントというのはアミノ酸配列に変化がないという意味と表現型、つまりウイルスの性質に変化を与えないという意味です。アミノ酸配列に変化がないので、このような変異はウイルスにとっては何ら影響がないので、中立的な変異と呼びます。

2022-06-08 05:27:36
molbio08 @molbio08

中立的な変異はウイルスの生存に何ら影響を与えないため一度生じたらずっと維持されるはずです。一方でアミノ酸配列に変化を与える変異、これはN変異と呼んでいますが、これは考えてみるとギャンブルのようなものです。つまりウイルスにとって良いこともあれば悪いこともある。下手をすると機能が喪失

2022-06-08 05:30:34
molbio08 @molbio08

普通に考えるとS変異の割合の方がN変異の割合よりも多いはずですが、これが極端に逆転しているというのがこの論文の結論で、この傾向はオミクロンだけではなく他の全ての変異型に共通しているという発見です。さらにはFurinと呼ばれるタンパク質分解酵素の認識配列が挿入されている。

2022-06-08 05:34:08
molbio08 @molbio08

最終的な荒川先生の結論は、おい、君たち、君たちが感染したウイルスは誰かが作った可能性が高いんだよ。ということです。このような見方はパンデミック初期からありましたし、その主旨の論文はすぐ撤回されてしまいました。現在、英語の論文が未査読論文投稿サイトにありますが、この論文の運命は?

2022-06-08 05:38:23
molbio08 @molbio08

この論文がどこかの科学ジャーナルに掲載される日はなかなか来ないように思います。内容的には大変しっかりしていて私がレフェリーならそのままアクセプトするように指示しますが、どこまで言論が自由になっているのか、この論文の今後の展開はそのバロメーターになるでしょう。

2022-06-08 05:40:58