タンパク質ができるまで

DNAのもつ情報によってタンパク質ができるまでの間に、どんな関門をくぐり抜けなければならないのか、順序を追って考えてみました。 多分、まだまだ色々な関所があります。1種類のタンパク質を作るだけでも、実はとても大変。というお話。
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飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

タンパク質が合成されるまでに、どこでどんなことが起きると「正しく合成できない」状態になるのか考えてみる。

2013-10-04 09:05:37
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

@a_iijimaa1 大もとの、タンパク質の遺伝子に変異が起きた場合。ヒトをはじめ真核生物では遺伝子はアミノ酸配列をコードするエキソンが、アミノ酸配列をコードしないイントロンで分断されているので、イントロンで何か「ずれちゃう」のも変異の内に入れておく。

2013-10-04 09:09:52
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

@a_iijimaa1 「転写」では遺伝子DNAのもつ情報をRNAにコピーする。DNAの中でも転写を調節する領域に変異が起きるとまずいね。RNA合成酵素が結合する領域に変異が起きて、そもそも転写できなくなる、ということもあり得るかも。

2013-10-04 09:13:50
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

@a_iijimaa1 転写が開始されるまでの間に、DNAを折り曲げたりRNA合成酵素が転写開始領域に結合できるような準備があるのだけれど、その準備に多くの種類のタンパク質が関わっている。これらのタンパク質が過不足なく先に合成されていることも必要。

2013-10-04 09:15:58
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

@a_iijimaa1 そして転写をする酵素、RNAポリメラーゼがちゃんと作られていないとね(^^;) これが変な状態になっていたらアウトだわ〜。

2013-10-04 09:17:00
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

@a_iijimaa1 RNAポリメラーゼは目的とする遺伝子の少し上流側から下流側までコピーするわけだけど、その時にRNAの原料のレゴブロック、リボヌクレオチドが4種類全部ないとダメなわけで、リボヌクレオチドの合成経路の酵素群もないと…、ってさかのぼり過ぎ?(^^;)

2013-10-04 09:21:35
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

@a_iijimaa1 話は元に戻して転写だ転写。RNAポリメラーゼによって出来上がった「コピー」はメッセンジャーRNA(mRNA)。転写しながらイントロン部分を切り出して捨て、エキソン部分を繋ぎ合わせる「スプライシング」をします。ここでミスっちゃうRNAポリメラーゼは困るな。

2013-10-04 09:24:13
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

@a_iijimaa1 ここまでノーミスで出来上がったmRNAは核膜を通って細胞質へ(真核生物の場合)。細胞質でリボソームがmRNAにくっつき、「翻訳」開始。mRNAのもつ遺伝情報に応じてトランスファーRNA(tRNA)がアミノ酸を運んできて、リボソームの中で結合します。

2013-10-04 09:27:18
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

@a_iijimaa1 「翻訳」というのは、DNAやRNAのもつ情報(遺伝暗号)をここで「読み解く」、つまり遺伝暗号から実際にアミノ酸がずらっと結合した物質(ポリペプチド)が作られる、ということ。

2013-10-04 09:29:58
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

@a_iijimaa1 tRNAが正しく20種類のアミノ酸と結合していなければ翻訳は正しく進まない。tRNAとアミノ酸を結合させるアミノアシルtRNA合成酵素がちゃんと機能していないとミスが起きるだろう。

2013-10-04 09:33:14
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

@a_iijimaa1 リボソームで翻訳が進められるので、リボソームを構成するリボソームRNA(rRNA)やタンパク質もちゃんと出来上がっていないと。(RNAはDNAを転写することで作られる)この部位で設計ミスがあると翻訳は正確にできないかも。

2013-10-04 09:36:47
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

@a_iijimaa1 翻訳が正確に進んで、アミノ酸がしかるべき場所に配置されたポリペプチド鎖が出来上がると、シャペロンというタンパク質がポリペプチドをぎゅむぎゅむと整形して形を整える。ので、シャペロンもちゃんとしたものが先にできていないとダメ。

2013-10-04 09:39:33
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

@a_iijimaa1 折り畳まれたポリペプチドは、このままタンパク質として機能することもあるだろうけれど、他のポリペプチドと組み合わさったり、糖鎖などを表面に付けたりしてはじめて機能するものもあるから、そのあたりでしくじってもダメ。

2013-10-04 09:41:27
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

@a_iijimaa1 機能する1つのタンパク質ができるまでの間に、とにかくものすごく沢山の工程があって、ものすごく沢山のタンパク質が働いている。複雑で、素敵。

2013-10-04 09:44:42
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

@a_iijimaa1 すごーくザックリ、タンパク質が完成するまでにくぐる関門について書いてみました。どっとはらい。

2013-10-04 09:46:09
南大寺虞凡人@人間に学ぶ @Slight_Bright

シャペロンの中ではHSP47が推しメン(笑" @a_iijimaa1 ...アミノ酸がしかるべき場所に配置されたポリペプチド鎖が出来上がると、シャペロンというタンパク質がポリペプチドをぎゅむぎゅむと整形して形を整える。ので、シャペロンもちゃんとしたものが先にできていないとダメ。"

2013-10-04 09:46:27
飯島明子 💉×7😷 @a_iijimaa1

@Slight_Bright 推しメンってww コラーゲンに特異的なシャペロンなんですね。どのあたりが「推し」ですか?

2013-10-04 09:50:42
南大寺虞凡人@人間に学ぶ @Slight_Bright

シャペロンと言うプロデューサー的ポジションなのに、アイドルそのもの的名前がw。"@a_iijimaa1: @Slight_Bright 推しメンってww コラーゲンに特異的なシャペロンなんですね。どのあたりが「推し」ですか?"

2013-10-04 09:59:44
南大寺虞凡人@人間に学ぶ @Slight_Bright

天文もしくはF1クラスタぽっいw。"@a_iijimaa1: @Slight_Bright そこ!?www じゃ、GRP78とかはww?"

2013-10-04 10:08:55
南大寺虞凡人@人間に学ぶ @Slight_Bright

ちなみに、HSP47のHSPはヒートショックプロテインの頭文字から。当初は、細胞が熱と言うストレスにさらされた際に変性したたんぱく質の修復の為に発現することで、この名が。後に、熱だけでなく様々な細胞ストレスで発現する事が明らかに。数字の47はその分子量がおよそ47kDであるため。

2013-10-04 10:20:08
南大寺虞凡人@人間に学ぶ @Slight_Bright

あ、あと付け加えるなら、「シャペロン」の由来は、かつてレディが欧州の社交界にデビューする際には身の回りを世話する「介添人」の手を借りた、とか。たんぱく質が機能するにあたってそれを折り畳むと言う「介添」をする様があたかもこの介添人に似ているから、と言う洒落の効いたネーミング。

2013-10-05 00:08:55
南大寺虞凡人@人間に学ぶ @Slight_Bright

@Slight_Bright この介添人がシャペロンと呼ばれていた、とか。元々の語源は古いフランス語とかで、帽子を「シャッポ」と呼ぶのも、同じ語源だとか。

2013-10-05 00:14:32