【六月の歌】福間健二 #k2fact333

福間健二 @acasaazul

肉でも魚でも野菜でもなんでもおいしくするソース。粒入りマスタードを使う。人間を信じる手首から動かして。哀悼のそれもウトウトしながらの発明だ。痩せすぎている人、歌ってください。はたらいた。恋をした。発音に影響する霧を避ける。翌朝引き裂かれていないように。（六月の歌１）#k2fact333

福間健二 @acasaazul

若い声、でなくても澄んだ声で。はい、と答えながら性格の悪い姉妹と発芽の上に降る雨だったりする。交差しない希望と現実の線、交差したほうがいい。練習しない人、練習したほうがいい。小松菜サプライズはいつもおいしいが、なにか入れてもらう帽子の出し方に技術がいる。（六月の歌２）#k2fact333

福間健二 @acasaazul

エンゼルス連敗脱出、ファイターズはサヨナラ勝ちで、うれしいが、この世にいない友しかメールしたい相手が思い浮かばない。手首のゆるめ方、才能など問題にならないようには工夫して、てのひらの小鳥は小さな箱ではない。何度も読みかえした。何度も弾いた。横断したのだ。（六月の歌３）#k2fact333

福間健二 @acasaazul

努力。しない、ではなく、見せないのがいい。本当かな。湖とスローテンポの美術批評の先に待つ判決。自分のスープに入れなければ、眺めだけのことになる。ヌカ袋でこすった廊下の思い出。そこに生まれた気持ち。父は、言わない。往来に出る前に使いきる。まちがっている。（六月の歌４）#k2fact333

福間健二 @acasaazul

企み。できないものを、できた、にするジャンクション。意外な一面は無視したい種族の期待をどう裏切るか。容器を容疑と交換する。きみの探し中のおじさんは頻繁にそうして、影がない。どんなイヤな流行も、理由は突然わかる。派生の夕暮れがしたたる。四十二歳がうつむく。（六月の歌５）#k2fact333

福間健二 @acasaazul

アーモンドの取引。損はわずかだろうね。おしゃべりな詩人たちがぶらさがる世界にも、背後からの曲線で、実質を求めていれば。管楽器の夜だ。監視の糸がこんがらがる未来を生きた中央線の無精ひげが二〇二二年に舞い戻る。同じ曲でも、編成がちがう。いない人、飛び降りた。（六月の歌６）#k2fact333

福間健二 @acasaazul

キリンの赤ちゃんをテレビで見て、六番目の幸福。五番目は安らかに死ぬことだと知ったその次。トロンボーンの音が残っている。正確であるために音色を犠牲にしていない。科学を信じすぎないけど、視野は社会に。小鳥に生まれかわる。笑わずにダンスする人たちに近づかない。（六月の歌７）#k2fact333

福間健二 @acasaazul

三十のときから蜘蛛を殺している、と発言した男がいたが、ぼくは主に作品論だけやっている。知らない人たちのなかでも、心を落ち着かせる手の使い方。露出度、自由ということはなかった。ほら、また過去についていまの目で言えることを言う。おいしい木耳、たくさん届いた。（六月の歌８）#k2fact333

福間健二 @acasaazul

さっきまでは植物と車輪が作る絵。生きる意味を、たどたどしいトロンボーンで。マスクが落ちている人生の地面。ときめきの多くはソーダブレッド厚切りのひときれに負ける。その潤む目が恋のためであるよりはドウダンツツジの夜空。感謝しない人がいる。歌いたくない人もいる。（六月の歌９）#k2fact333

福間健二 @acasaazul

痙攣。不随意。勝手に責任を回避する、美しいと人に言われたかった部分から壊れ、姉妹のひとりは人差し指と親指でこの世の毒を吸い込む。フォームで指揮者の真似をする父も、最近は目撃されない。六月、雨がやんで明るい夕方。もうすぐ夏至。希望を持ちたい人のテンポはまだ。（六月の歌10）#k2fact333