女性が体を冷やしたり不摂生な状態であったりした際にその女性本人への心配より先に存在しもしない“赤ちゃん”への心配をされる社会、どう考えてもグロテスク

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女性が体を冷やしたり不摂生な状態であったりした際にその女性本人への心配より先に存在しもしない“赤ちゃん”への心配をされる社会、どう考えてもグロテスク過ぎるな……。過去に見かけた現場を思い出して時を越えて引いている。当時は解らなくとも後から酷いことだと解ることは幾らでもある。

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妊娠・出産することが前提で恐らく異性愛者であることも前提で“そう”である以外の選択肢が在ることすら認識されていなかった時代に様々なものを投げ出してしまわないで本当に良かった。現在は私にとって、少なくともあの頃よりは生きる価値がある。生きること自体が生まれたことへの罰なのはさておき。

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生まれてしまったら死ぬことは既に決まっていて、その結末までの間に様々な艱難辛苦があるのが確定している（愉快適悦があるかは不明）のだから、中絶の話題でもよく指摘されるが「生まれたいはずだろう」というのは“生まれさせたい人間”の独善だと私は思う。→

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→人間は生まれないことが最も幸福だと私は考えているが、それとは全く別に、生まれてきたからには全ての子どもがその子なりに幸福であることを願っている。全ての子どもが飢えず、奪われず、押し付けられず、健やかに成長できることを。だがそれは「生まれてきたからには」だ。

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「生まれてもいない“赤ちゃん”」が「既に生まれて育っている“女性”」よりも優先されるのは全く解せない。かつて誰かが掛けられていたあのグロテスクな言葉は「心配」と言うより「呪い」と言った方が本質を捉えているのだろうな。「“生産性”を示せ・女体を有効活用しろ」という呪い。

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呪いだと気付けただけでもまだマシなのだろう。私は子どもを持ちたいとは決して思わないし、子どもを持ちたいと思い双方の同意の下それを実行に移した人々の選択に口を出す権利もないが、生まれさせたからには常に子どもが幸福である選択を最優先してほしいとは思う。せめて独り立ちするまでは。

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私はこの国で他人の人生まで背負って生きる余裕はないので決して子どもは持たない。子どもを私という「自己」から分離して「尊重すべき他人」であると考えれば考えるほど、その思いは強まる。そして私に誰かの選択に口を出す権利がないように、この選択について誰かに口を出される筋合はない。

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「女」と見れば「子どもを生み育てるのが最大の幸福なはず」という思い込みを持つ人間がまだ少なくないのが嘆かわしいな。本人には「思い込み」の自覚はなくある種の「確信」を持っているのが尚更質が悪い。