稲川淳二の『つぶやき怪談』(2022.06.28)

稲川淳二 @Junji_Inagawa

なんて言いながら、私、 鰻の養殖池に入ったりなんかして、 さんざんロケやって、撮りが終わりました。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

じゃあ、あの、泊まるとこあるから、 「そこへ引き上げようか」

稲川淳二 @Junji_Inagawa

と、車に乗り込んだんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

当時は、わりとゆっくりでしたからね、 ロケなんかもね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

ドライバーの人もよく知ってる人なんだけど、 途中でもってひと息入れよう、 ってことになりました。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

海が見えたんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

みんなで、 「いい海があるねえ」

稲川淳二 @Junji_Inagawa

なんて言いながら、小さいんですけど、 珍しく鉄筋の海の家に入ったんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

普通ね、海の家なんて材木でしょ、 ところが、ここ鉄筋なんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

その中でビールなんか買ってきて、 一緒になって飲んでたんですよね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

すごく気持ちいいんですよねえ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

人工じゃない、野生の草みたいのが、生えててね。 砂もきれいでした。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

来てるアベックなんか、みんなパラソルさして、 海岸で、寝そべったりなんかしてるんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

なかなか、いいんですよね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「気持ちいいねえ」 って、見てたんですよ、雨もやんだしね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

「ロケが終わったら、雨、止んだなあ」 って、言ったりしてました。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そん時ですよ、空は真っ青なんだけど、 向こうに雲がボコボコって上がってて、 その下んとこに、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

直線に、横にピューッと水平線に、 白いものが見えたんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

（なんだ） と思ったら、ドンドンやって来るんですよね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

波なんですよね。 俗にいう、高波ですよね。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

“ザブッ”ってくる、あれ。 「うわっ、来る来る」

稲川淳二 @Junji_Inagawa

って言ってるうちに、 ドンドンドンドン来て、 普通だったら引いてくるはずなのに、

稲川淳二 @Junji_Inagawa

みんなが寝そべっている砂浜まで、 “ガァッ”て来るんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

そのまんま、海の家まで、 波が来たんですよ。

稲川淳二 @Junji_Inagawa

普通、そんなに来るわけないでしょ、 来たんですよ。 しかも、それ、引かないんですよ。