ゼロ・トレラント・サンスイ(2022年再放送版)
「ドーモ、ミニットマン=サン。ニンジャスレイヤーです」風に乗って、ニンジャスレイヤーのアイサツが届く。ミニットマンは怒りに震える手を合わせ、アイサツを返した。「ドーモ、ニンジャスレイヤー=サン。ミニットマンです」 22
2022-07-24 20:09:00再戦である。ニンジャスレイヤーがおそるべき手練れである事は身に染みてわかっている。この間合いで最も注意を要するのは、スリケンをガードさせておいての飛び蹴りだ。それさえやりすごせば勝機が見える。スリケンを撃ち落とし、飛び蹴りをブリッジで避けるのだ! 23
2022-07-24 20:12:00「イヤーッ!」....来る!ミニットマンは迎撃のスリケンを構えようとした。.....それで終わりだった。ミニットマンの目の前、息がかかるほどの近さに、ニンジャスレイヤーがいた。ミニットマンの胸の中心やや左寄りに、温かい感触があった。そんな。そんなばかな。 24
2022-07-24 20:15:00ーー戦いは一瞬で決着した。ニンジャスレイヤーがミニットマンの胸から右手を引き抜く。手の中でまだ蠢く心臓を無感動に一瞥したのち、彼はそれを握りつぶした。電車がカーブにさしかかる。ミニットマンが叫んだ。「バンザイ!」電車から振り落とされながら、彼の体は爆発四散した。 25
2022-07-24 20:18:00やがて、電車はブレーキを軋ませながら徐々に速度を落とす。ヤヌタ駅。物思いにふけっていたニンジャスレイヤーはその数百メートル手前で車輌から飛び降りた。壁面に取り付けられたハシゴを迷いなく見つけだし、それを伝ってマンホールから地上に出ると、そこは自然公園の只中だ。 26
2022-07-24 20:21:00ニンジャスレイヤーの頭上には赤い満月が浮かぶ。鎮守の森の奥、彼の歩みの先には、小さな堀で囲まれた庭園がある。ネオサイタマにはおよそ不釣り合いな、神秘と静寂が支配する空間だ。ニンジャスレイヤーはゆっくりと、おごそかに歩を進める......。 27
2022-07-24 20:24:00ああ、しかし、見よ!彼の背中を!そこに小さく張り付いた金属のカケラを....!爆発四散したミニットマンのカケラである。ホタルのように弱々しい明滅を繰り返すそれは、いったい何をニンジャスレイヤーにもたらそうと言うのか......? 28
2022-07-24 20:27:00それは、偶然であったろうか。それとも、ミニットマンの怨念か、執念か。金属片は微弱な信号を何者かに発信し続ける。そして我々は、信号を受信するその男を、知っている。上空70メートル、VTOLの上に直立し、左耳に手を当てるそのニンジャを......! 29
2022-07-24 20:30:00「目標を捕捉した」感情のこもらぬ呟き。それに答えるくぐもった通信。沈黙。再びニンジャは呟く。「いや、必要無い。900秒後に交戦を開始する」無線を切ると、ニンジャはVTOLの機上から、ゆらりと身を躍らせた。 30
2022-07-24 20:33:00自然公園めがけて垂直に落下するニンジャ......フジオ・カタクラ、またの名をダークニンジャは、死闘の予感に何を思うか、メンポの奥で、静かに目を細めるのだった。 31
2022-07-24 20:36:00◆親愛なる読者の皆さんへ:本日はニンジャスレイヤーTwitter連載の12周年記念日でした。我々は今年もニンジャヘッズの皆さんの奥ゆかしいお祝いツイートによってそれを知り、ゼンめいた第1話を再放送しました。引き続き、爆発するようなパワーを爆発させて、128周年に向けて進んでまいります◆
2022-07-24 20:42:00◆なお今回の再放送中、AIの謎めいた誤作動によって一部ノンブルの乱れがありましたが、素早く修正されたのでAI担当者のケジメはありませんでした◆
2022-07-24 20:45:00🍣12周年な🍣ニンジャスレイヤーTwitter連載の12年間を追う、電子的な旅路。あなたのその旅路は、いま始まったばかりだ! 無料の連載アーカイブへ、直ちにダイヴしよう。【メナス・オブ・ダークニンジャ】もそこにある🍣 diehardtales.com/n/neee793bfd909
2022-07-24 20:50:00今回の再放送版は2010年本放送版に準拠している。
各版の違いについては2021年再放送版のまとめを参照。