希少になったＡクラス男子と余るＡクラス女子のマッチング幻想

蔭山洋介/スピーチライター @communisjp

Ａクラス男子とＡクラス女子は、基本的にカップルになりやすい。美男美女で優等生のカップルというのはどこにでもいる。ただし、学生の間は、だ。

蔭山洋介/スピーチライター @communisjp

社会人になると、Ａクラス男子はまず激減する。なぜかというと一人前になれたと自覚出来ないからだ。既存の企業文化の下に入ると、そう簡単には出世できないことがあきらかになるし、責任ある仕事をなかなかさせてもらえない。仮に責任ある仕事をしても、どこで一人前になったのか判断できない。

蔭山洋介/スピーチライター @communisjp

お前はこれで一人前だ！というのは、ほんの少し前まで一人で食えたら一人前だった。ところが今では、夢を実現したら一人前で、一人前感を得るためのレベルが途方もなく高くなっている。だから、無限のビジネススキルアップゲームに参加し続けないと行けないし、いつまでたっても一人前になれない。

蔭山洋介/スピーチライター @communisjp

Ａクラス男子というのは、乱暴に論じれば、社会的に自分的にも「まじすげー！」という承認が与えられている男子のことだ。だから、自信をもってＡクラス女子を口説ける。ところが、一人前感がないと、Ａクラス女子はレベルが高すぎて男子はどうしても引け目に感じてしまう。よってＡクラス女子は余る。

蔭山洋介/スピーチライター @communisjp

Ａクラス男子は、自己実現しないとＡクラスになれないので、極端に少なくなるのだ。ましてや不況でその難度はものすごく高くなっているのでますます少なる。一方でＡクラス女子は、そこまでの自己実現をしなくても美人で頭が良ければＡクラスだ。しかし、問題は時限の罠があることだ。

蔭山洋介/スピーチライター @communisjp

デリケートなので先に断っておくが、これはぼくの感性の話ではなくて、あくまで一般的な問題であることを断っておきたい。統計データがあるわけではないし、推論に推論を重ねた曖昧な論理なので、本当に一般的なのかわからないが、経験上僕は次のような罠があると漠然と思っている。

蔭山洋介/スピーチライター @communisjp

ほとんどのＡクラス女子は、２０代前半、間違いなくＡクラス男子と付き合っている。そして、上手く行けばそのまま結婚する。しかし、２０代後半になると、Ａクラス男子は２０代後半Ａクラス女子を避けて、２０代前半Ａクラス女子と付き合うことを選択する。ここに、Ａクラス女子あまりが生じる。

蔭山洋介/スピーチライター @communisjp

社会人Ａクラス男子は、ひどい奴で、というか、構造的にひどい奴になるしかないのだけど、少しでも結婚という責任を感じると逃げ出す。なぜなら、Ａクラス男子は、さっき説明した社会構造上とても希少なので、人気が沸騰しているのだ。そんな男に責任を取らせるのは、簡単でないのは自明だろう。

蔭山洋介/スピーチライター @communisjp

だから、２０代後半のＡクラス女子は結婚前提のおつきあいで、これまでつきあえたＡクラス男子を結婚相手にすることができない事実を知って、既に結婚してるＡクラス男性と不倫関係になるか、あきらめてアーティストや外国人なんかの路線の違う相手をパートナーとして選ぶ。

蔭山洋介/スピーチライター @communisjp

まあ、こういう構図になっていて、一人前になれない、もしくはなれたと実感できない男子と、一人前の男子を求める女子のマッチングは永久に起こらないのだ。

蔭山洋介/スピーチライター @communisjp

じゃあ、このマッチングできない問題をどうやって解消するのさ？って話になるのだけど、解決策は二つあって、結婚をもっと気軽に出来るようにする＝離婚を容易にする、もしくは浮気ＯＫの戦前の村的な乱交社会にする。まあ、後者は風俗を含めれば事実上実現されてるので、問題はやはり離婚の方だろう。

蔭山洋介/スピーチライター @communisjp

ベルギーの離婚率は、７割とも８割とも言われている。カップルが付き合うように結婚して、カップルが別れるように離婚する。

蔭山洋介/スピーチライター @communisjp

旧来の家族制度が疲労しているのだとすれば、それに変わる制度や倫理を作らなければ、生きることはとても困難だ。Ａクラス男子は遊びまくって責任取らないし、Ａクラス女子はどんどん余る（同じ理由で、ＢクラスもＣクラスも余る）。こんなんでいいのかと！