京都にて読売新聞の取材。お題は「大阪都構想」。指揮系統の単線化(=組織のモノリス化)とコストカットに適した構想だけれど、リスクヘッジとニッチの保持という点ではリスクの高い選択だとお話しする。豊かで安全な社会では有効なオプションかも知れませんが、今の日本はそうではありません。
2011-09-29 20:07:47効率を優先させるか、社会的なセキュリティを優先させるか、これは政策の整合性ではなく、日本がこれからどういう社会になるのかについての予測の蓋然性にかかわる問いだと思います。
2011-09-29 20:11:00という話を終えてわっしいの講演を聴いたら、「退却戦を戦う時に必要なのは『殿軍』を守るマインドとinter-dependence のネットワークだ」という話でした。なんというシンクロニシティ!(>_<)
2011-09-29 20:14:32政策の適否は「未確定のファクター」が関与することであっという間に反転します(原発依存を高める政策は『想定内』の条件では有利なものと思われていました)。僕たちはある政策の良否について「どういう条件では不適切なものに転じるか」についてリスクファクターのリストを提示する必要があります。
2011-09-29 21:03:11そのリストが網羅的であるほど、その政策については「失敗した場合に打つ手」を考える余裕が得られます。plan B です。でも、「この政策はいかなる条件下でも正しい」というかたちで提案される政策は失敗した場合に打つ手がありません。
2011-09-29 21:06:33すべての「成長戦略」は「このまま日本が豊かで安全な社会であり、市民たちは自己利益の追求を優先させることができる」ということを前提ににしているか、あるいは政策の効果に想定しています。政策の前提と効果が同じであるということは「自分の髪の毛をつかんで宙に持ち上げる」ようなものです。
2011-09-29 21:12:25「成長戦略」のアポリアはもし現代日本が「十分に安全も豊かでもない」ということを前提にするなら、「自己利益の追求よりも相互扶助とリスクヘッジのためのネットワーク形成が急務である」という政策が帰結するはずだし、「十分に安全で豊かである」ことを前提にするなら
2011-09-29 21:30:11そもそも大胆な制度改革は急務ではないということになるという点にあります。TPPも大阪都構想も基本的には「卵はぜんぶ同じ籠に入れた方が管理コストが安い」という発想に基づいています。
2011-09-29 21:32:23それは「非常用発電機とふつうの発電機を同じ籠に入れておいたほうが管理コストが安くつく」と考えた原発設計者の発想と似ています。僕はリスクヘッジというのは「卵は別の籠に入れて、散らしておく」ということだと理解しています。効率は悪いし、コストもかかる。でも、リスクはヘッジできます。
2011-09-29 21:34:50リスクヘッジと効率はトレードオフの関係にあります。そのことを僕たちは受け容れなければならない。どちらを選ぶにせよ、選択の根拠には「リスク評価」が必要です。僕は日本社会が機能不全に陥るリスクは「かなり高い」と見ています。そしてこの機能不全は非効率が生み出したものではありません。
2011-09-29 21:40:32効率とリスクヘッジについて書きました。http://t.co/p9v3wCH7 大阪都構想について話しているうちに思ったことです。
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