エリー提督と加賀さん日記まとめその11

エリー提督と加賀さん日記 @EllyKaga

待つこと20分くらい。突然叢雲から連絡が来ました。 『いたわよ、水上機母艦の日進だって。深海化がいい感じで、他の艦隊からは深海棲艦だ、と攻撃されてたらしいわ』 『司令、連れて帰りますがよろしいですか？』 「頼んだよ」 『わ、アンタ、明るいところで見ると白いわね』 #加賀さんとエリー

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「戻ったヨー」見たことのない艦を背負った金剛を先頭に、艦隊の帰投です。怪我のある子はドックへ、そうでない子は補給の後食堂でアイスを。みんなお疲れ様。 「金剛、もう少しお願い。その子を5番の修理槽に運んでくれる？」 「お安い御用ネー！　でも5番？　あそこって……」 #加賀さんとエリー

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5番ドック、実質私専用の深海棲艦用修理槽です。 「瑞穂お姉さまに聞いたらさ、多分その日進はお姉さまを追って深海から来たものの、仲間とはぐれたんじゃないかって。まだ艦娘かもわからないから他の子には見せないほうがいいかなって思うの」 「了解だヨ！　任せるネ！」 #加賀さんとエリー

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神通さん、霧島、明石に診てもらったあとにドックに入った日進。疲れているのでしょう、目を開けることもなく眠ったままでした。 瑞穂お姉さまは「自分で話せますよ、聞いてあげてください」と何も話してくれませんでした。体力回復も含めて明日には起きられそうかな？ #加賀さんとエリー

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「くー、日進を見つけたそうね」 「あ、加賀さん。うん、まさかすぐに見つかるとは思いもしなかったけど」 「赤城さんに聞いたのですが、日進は巫女の役目を務めることが多いそうよ」 巫女さん？ 「ええ。神との対話を……そういえば、あなたは普段からしていたわね」 #加賀さんとエリー

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川の神様とは何度か会話をしています。いつも、というわけでもないのですが。 「目が覚めたら色々聞いてあげるといいわ。きっとこの鎮守府にとっても、あなたにとっても、良い変化が訪れることでしょう」微笑む加賀さん。何かが始まるとでも言いたげな……。 #加賀さんとエリー

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「ワシが日進じゃ！　皆の者、よろしく頼むぞ！」 ……加賀さん、どう見ても私には艦娘には見えないんだけど。 「そうですね。私にもどこか、姫に見えます」 「いやいやお主ら！？　ワシのことを艦娘として保護してくれたのであろ！？　水上機母艦の日進じゃ！」 #加賀さんとエリー

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「たしかに巫女さん、というか神主さんに見えるけど……」 「霊や怪異と話せると聞きました。本当ですか？」 「お主ら、ワシを艦娘だと思っとらんな！？」 「瑞穂お姉さまの知り合いってことは、姫でしょ？　艦娘図鑑と見比べても、君は……」 #加賀さんとエリー

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「瑞穂？　姫？　まさかと思うが、この鎮守府には水母棲姫の転化した瑞穂がいる居るのか！？」 「君ほど異質な見た目はしていないけど、いるよ。話してみるといいよ」 「ワシは瑞穂を追って深海から上がってきたのじゃ！　深海棲艦にしか見えない結界を張って引きこもって……」 #加賀さんとエリー

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「あら、本当にあの中枢棲姫ですね。瑞穂のこと、覚えていますか？」あ、お姉さま。 「み、み……瑞穂ぉ〜〜！！」駆け寄り、抱きつく日進。お姉さまは「よしよし」と頭を撫でています。 「この子、落ちこぼれなんです。優しすぎて」 いきなり酷い。 #加賀さんとエリー

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「姫は非情でいなければ務まらないのですが、その子はまぁ……配下の子と遊んだりと緩々で。私は擁護派なのですが、他の姫からは本当にひどい扱いを受けていたんですよ」 「瑞穂が陸に上がったと聞いて、他の奴らはワシを蹴落とそうとしてきたのじゃ！　だから……」 #加賀さんとエリー

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「新しい水上機母艦。修復は完了したようね」加賀さん。この子が日清だよ。 一瞥。「……ただの深海棲艦ですね。全くの期待外れです。くー、食べてしまってもいいわよ」そう言って去る加賀さん。訪れる沈黙。 「……た、食べないよ？」 「ワシ要らない子じゃないのじゃー！」 #加賀さんとエリー

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「……ねぇ、アンタの日記、時系列がおかしいわよ？」 そんなバカな？ 「バカな、じゃないの。日進のあたりからなにかおかしいわね」 「ワシはおかしくない！」 日進には、深海鎮守府からの転出届を書かせています。逃げてきた子を保護したことにするよりも手続きが楽なので。 #加賀さんとエリー

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おや、夕立が見たことのない子を連れてる。 「うわぁ、いた……。このおっぱいおばけが提督だよ。念の為覚えておいて。こいつらがいるせいでタグをつけないといけないから、面倒なの」 「ゆうちゃん、それ本人に言うかなぁ？」 「眼を合わせちゃだめ。春雨、いい？」 #加賀さんとエリー

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「この子は夕立の妹分の春雨。純粋ないい子だから、手を出さないで」 「はじめまして、私が提督です。限定海域で見つけた子だね？」 ペコリと頭を下げるピンクの髪の駆逐艦。 「行くよ春雨」 「提督しゃん、黒い髪の毛、綺麗ですぅ……」 「見た目に騙されないで」 #加賀さんとエリー

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「いーい？　あいつは駆逐艦マニアだからね。お風呂で会ったりしたらひどい目に合うよ」 「へ、変質者じゃないれすか！」 「私そこまで変じゃないもん……」 「提督しゃん、凹んでますよぉ？」 「可愛いのは見た目だけよ。さて次、山風の執務室に行くわよ」 「あ、はぁい……」 #加賀さんとエリー

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「実際にここを切り盛りしてるのは山風さんや白雪だから、向こうにしっかりと挨拶したほうがいいの」 「山風しゃんや白雪しゃんが秘書艦しゃんですか？」 「……秘書艦はね、叢雲と加賀だよ。あいつらには会っても会釈程度のほうがいい。さ、行くよ」 「は、はいぃ……」 #加賀さんとエリー

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最後まで頑張ってみましたが第4海域は突破できず、限定海域はそのまま終了しました。 「やはり秋津島を鍛えておかないと駄目かもしれないな」 「ねぇ長門。最短を目指すよりも確実な航路を優先したほうがいいんじゃないかしら？」 「なるほど、一理あるな」 #加賀さんとエリー

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「私達を高速にするという手もあるか」 「伊勢型としては反対だね。飛行甲板を潰してまで速度を必要とするなら、最上くんに任せたほうがいいんじゃないかな」 「扶桑型としては、姉妹一緒なら構わないわ……」 戦艦たちは次の限定海域に向けての方針を練っています。 #加賀さんとエリー

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「提督。食堂で作戦会議をされるとですね、ご飯を食べたい子が追いやられてしまいまして……」鳳翔さんから長門たちへの苦言です。身体も声も大きい戦艦クラス、議論に熱が入ってくると手がつけられなくなりそうです。今のうちに三階のバー前に移ってもらいましょう。 #加賀さんとエリー

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「そうよね。限定海域が終わっても通常任務はきちんとこなしなさいよ」叢雲のお言葉です。 「くーはきちんとやっていますよ。叢雲さんこそだらけているのではなくて？」執務室でおせんべを食べてる加賀さんが言います。 「ほぉ？　言うわね加賀」 #加賀さんとエリー

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「ねえ叢雲。私、艦娘図鑑で見た日進とうちに来た日進との違いに気がついちゃったんだ」執務室でだらけながら。 「ほー？　言ってみなさいよ」自分のコップにだけ、ビールを継ぐ叢雲。 「うちの日進、広島言葉じゃないよね」 「……！！　確かにそうね。言われてみればそうだわ」 #加賀さんとエリー

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「なんであの子は割と標準語なんだろう」 「知りたいですか？」あ、瑞穂お姉さま。知りたいです。 「そうですねぇ……。一言で言ってしまうと、出自が違うから、ですね」出自。 「アイツが深海鎮守府から来たから、ってことかしら？」 「ええ、そのとおりです」 #加賀さんとエリー

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「日進として生まれてから沈んだ子は、戻ってからも日進なんです。でもあの子は深海棲艦として生まれてから日進になったので」 「どこかで聞いたような話ね」 「私はもともと深海棲艦で、人間だと思って生きてきてたの。少し違うよー」 #加賀さんとエリー

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にこにこと微笑んでいる瑞穂。このひとがうちの第一艦隊と殴り合った水母棲姫とはとても思えません。 叢雲を雷撃で牽制し、加賀さんの艦載機とやりあって、懐に飛び込んだ長門と格闘戦を演じました。背後に回った夕立にまでは対応できず、近距離雷撃で沈黙させたのです。 #加賀さんとエリー