死ぬのがこわくなくなる話 第47話

渡辺浩弐 @kozysan

『しぬこわ』関連。今日、こんなメールが来た。　>今までのことは、小説だったということにして、連載は終了させなさい。それで全て解決だ。　　　　誰からのメールかは、わからない。

渡辺浩弐 @kozysan

なるほど、である。そうだよ、と僕は言うことができる。小説だよ。最初からそのつもりだ。これは小説だ。全ては僕の妄想だ。

渡辺浩弐 @kozysan

この連載について多くの読者から疑問が投げられている。

渡辺浩弐 @kozysan

これは、果たして渡辺浩弐のエッセイなのか。フィクションなのか。文中に出てくる「渡辺」や「僕」は小説の登場人物なのか。書かれていることは虚構なのか。

渡辺浩弐 @kozysan

どう答えればいいというのか。「いや本当である」と書いたとしても、書いているこの僕がフィクションのキャラクターかもしれないではないか。「虚構です」と書いたとしたら、僕がSHINEからおどされてそういうことにしてしまったと、とられるだろう。

渡辺浩弐 @kozysan

あるいはこれを書いているのは物語の中の渡辺でも本物の渡辺でもなく、IDを盗用して渡辺を偽装している別の人物かもしれない。

渡辺浩弐 @kozysan

いずれにせよ僕が書いて、あなたが読んでいる。ただし僕が今書いている文章があなたの頭蓋骨の中に入りこんだわけではない。

渡辺浩弐 @kozysan

この文……メッセージデータは僕の肉体を離れ、一度デジタル信号に変換され、再度モニター上の点滅や紙上のインク染みとして再生され、そして光の信号として「あなた」の眼球に入り、脳細胞の興奮として意味を再生する。　　　　　　つまり全てはあなたの脳の中のリアルなのだ。　今日はここまでです。