twblnovel 9月中期

「twblnovel」タグに書いた短文。+α。
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ハウリル @how_howlite

「相談はするのもされるのも苦手だけど、話を聞くくらいならいくらでもしてあげるよ」困ったような笑顔に向けて、曖昧な笑顔で返した。そういう素直で不器用だけど、優しい所が好きなんだ。でも、“お前が好きだ。どうしたらいい?”だなんて、お前に相談できるわけもない。 #twblnovel

2011-09-11 21:06:31
ハウリル @how_howlite

そういえば俺、アイツに好きだって言ったっけなぁ?電気スタンドを振り回し、棚の置物を薙ぎ払い、本という本をばらまき、寝具の羽毛を散らせた。惨状ということばが似合う部屋の真ん中に、俺は寝ていた。欲しいものが何一つ手に入らないのなら、いっそもう、何もいらない。 #twblnovel

2011-09-12 00:26:11
ハウリル @how_howlite

「時間が止まったら何をする?」「好きなヤツを犯す」「最低の下衆野郎だな」「しょうがないだろ。そうでもなきゃ、セックスなんてできねぇんだよ」「この強姦願望。そんな高嶺の花が好きなのか」「いや、お前」「…うん?」「だから、お前が好きなんだ」「…時間よ止まれっ!」 #twblnovel

2011-09-12 00:31:25
ハウリル @how_howlite

「お前、童貞だよな」「ど、どっど、どどどっ、どどっど、どど、どっ、どっ、童貞ちゃうわーっ!!」「うわー。超童貞力高い返答」「べべ別に、お前には関係あらへんやろ!わいが童貞やったらどないやっちゅーねん!?」「いや、その童貞、俺が貰っちゃおうかな、って思ってさ」 #twblnovel

2011-09-12 00:37:45
ハウリル @how_howlite

「ヤやわー…。童貞は大好きな人に捧げるっちゅーて決めてたんにー…っ」「…ッ。ゴシューショーサマっ!あ…ッ、どうよ、初体験の感想は…ッ?」「アカンわぁー…。むっちゃキモチイィー…。頭ン中真っ白になるわー…」「ククッ…!これから、病み付きにさせてやるよ…!」 #twblnovel

2011-09-12 00:45:08
ハウリル @how_howlite

「起動」静かな私の声が、無機質な研究室に響く。と、機械の起動音がし、目の前に横たわる“人形”が身体を起こす。「モーニン。ハロー、マスター」「おはよう、トール。お前の名前だよ」「認識。私はトールです」それは、このアンドロイドのモデルであり、私が愛した男の名前。 #twblnovel

2011-09-12 20:53:36
ハウリル @how_howlite

「月が綺麗ですね」「団子を食いながら言うな」「月より団子です」「月が綺麗なんじゃないのか?」「そりゃ、見てなくても月は綺麗ですから」「風情が無いな」「情緒はあるんですけどね」「残念。夏目漱石なんて俺は知らない」「知ってるじゃないですか」 #twblnovel

2011-09-12 23:24:29
ハウリル @how_howlite

「月が綺麗ですね…」愛の囁き。愛の営みの最中、耳元で愛を囁く。「君の身体が月の光に照らされている…。美しいですよ…」その背筋に口づけを落とせば、敏感な身体がのけ反る。暗闇を切り裂くような月光の下、快感に跳ねるこの少年の身体は月に負けず劣らず綺麗だ。 #twblnovel

2011-09-13 00:13:21
ハウリル @how_howlite

「男湯で男の裸見放題で興奮するとか、余程のドスケベかビッチかだからな。ゲイの誰もがそうだと思うなよ」「じゃあ、なんでお前のタオルは盛り上がってんだ?あぁ?」「そんなもん、好きなヤツのチンコを見たら興奮するからに決まってるからじゃねえかよ」「やめろやめろ!!」 #twblnovel

2011-09-13 00:28:45
ハウリル @how_howlite

男友達と二人でカラオケに行った。バラードが頻繁に入りはじめた後半。トモキの歌を聞きながら、私はいつの間にか涙を流していた。“手を繋ぐぐらいでいい”あぁ、もしかして。“それすら危ういから”トモキはまだ。“友達くらいが丁度いい”ヨシハルのことが好きなんだね。 #twblnovel

2011-09-16 01:58:13
ハウリル @how_howlite

今日の当直は、松木先生だ。俺の、秘密の恋人。彼一人しかいない夜の学校に行き、光が漏れる宿直室へ向かう。中から出て来た恋人とキスをしたら、学校の地図を広げて会議を行う。「この間は、3階のトイレだったね」「今日は、体育倉庫でヤってみね?」「僕は職員室とかいいな」 #twblnovel

2011-09-16 02:03:40
ハウリル @how_howlite

二人で色んな物を見る為に、二人で色んな所に行く為に、二人で色んな思い出を作る為に、僕らは手を繋いでいた。そうやって、手を繋いでくれたことが嬉しかった。この手を離すことは、僕にはもうできないだろう。この手を離さなきゃ、君は幸せになれないとわかっているけれど。 #twblnovel

2011-09-16 21:13:58
ハウリル @how_howlite

二人で色んな物を見る為に、二人で色んな所に行く為に、二人で色んな思い出を作る為に、俺達は手を繋いでいた。この手を離したらきっと、何もわからなくなりそうな不安があった。だからこそ俺は、コイツの手を強く握って離さない。この手の温もりを失ったら、俺は不幸になる。 #twblnovel

2011-09-16 21:14:09
ハウリル @how_howlite

最初に出会った時は戦国時代だっただろうか。男同士だった俺達は、未来で結ばれることを誓って果てた。しかし、どれだけの輪廻を繰り返しても、俺達が出会う時は、二人とも男としてこの世に生まれ落ちた時だった。また今生も、この世に自分達の愛の証を遺せないまま、果てる。 #twblnovel

2011-09-16 22:24:12
ハウリル @how_howlite

「秋に鳴く蝉も、一週間の命なんだ。相手も仲間も見付からないまま鳴く声が、とても寂しく聞こえるよ」9月も終わりの帰り道。夕暮れに聞こえてきた蝉の声にお前が言った。決して泣かないお前の言葉。そうやって、お前を見付けてくれる誰かを待っていたんだな。泣けないままに。 #twblnovel

2011-09-18 13:52:53
ハウリル @how_howlite

放課後の音楽室で、文化祭の練習。俺はギターを、コイツはピアノを弾き、二人でセッションを行う。将来を有望された指先が奏でる複雑な旋律に、俺は着いていくだけで精一杯だ。でも。「…お前とのセックスくらい気持ちいいな」「馬鹿め」笑いながら奏でる、禁じられた遊び。 #twblnovel

2011-09-18 20:13:00
ハウリル @how_howlite

青春っていうのは、爽やかで、涼しげで、弾けていて、まるで炭酸水みたいだ。甘いサイダーを飲みながら大学生の恋人が言う。「僕が、高校生に戻してあげましょうか?」そう誘ったら、笑いながら言われた。「僕は大人らしく、君をリードしていくよ」そんなに歳は離れてないのに。 #twblnovel

2011-09-18 20:24:23
ハウリル @how_howlite

ちょっとリッチに、大きめのカップアイスを買った。バニラ味のアイスを皿によそい、熱々のエスプレッソをかける。苦みと甘みが調和したアフォガード。「ただいま」「お帰り」社会人の彼が帰って来た。彼は知らない。僕の胎内で渦巻く他の男の白濁を。苦み走った、甘美な秘密を。 #twblnovel

2011-09-18 20:33:44
ハウリル @how_howlite

部屋が汚かったらアイツが片付けてくれる。腹が減ったとねだればアイツが飯を作ってくれる。独り寝は寂しいと誘えばアイツが添い寝してくれる。この関係性をアイツは、介護人と依存者と表現する。俺は、極端に愛情表現が下手なのだ。だから、本当に伝えたいことは伝わらない。 #twblnovel

2011-09-19 00:56:18
ハウリル @how_howlite

大好きだったクラスメイトを、無理矢理犯した。快楽に興味が薄かったソイツは、簡単にその行為の虜になった。でも、初めは俺だけを求めていたその身体は、誰にでも股を開くようになり、いつしか学校中の男と関係を持つようになっていた。俺に、それを止める権利なんて無かった。 #twblnovel

2011-09-19 01:06:27