【犬の日】第二次大戦中、北欧海軍にいた２頭の「水兵犬」【（Ｕ＾ω＾）】

イベ茶だけ提督 @col_W1

これで思い出した togetter.com/li/1952775 ちょうど犬の日なので、スウェーデン海軍で「正規の水兵」になっていた「ニッケ号」とその水兵手帳について

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ニッケ（Nicke、現地で同発音するのかは実は知らない。転写はグーグルさまの仰せのままである）は1940年から46年まで、瑞海軍の主力であるスヴァリエ級装甲艦の2番艦、ドロットニングビクトリア（DV)に乗っていたフォックス・テリアである。ちょうど戦時中（中立国だけどね）だからか有名になった pic.twitter.com/YNCBK9pdNx

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なぜ装甲艦3姉妹中DVにだけ犬がいたのか（他にいたのかも含め）不明。そしてこの犬、有名だからかこれが残ったから有名になったのか、軍隊手帳とオリジナル軍服が残っているのである。ほかにWW1期に水雷艇隊で飼っていた犬の写真も残っている pic.twitter.com/MID8Nem2Jl

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有名とはいえ、母艦は戦争も事故も遅参もしなかったので、犬も大活躍、という訳にはいかなかったが・・・。その代わり悪さは多少した pic.twitter.com/cud5IHA5kX

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水兵手帳（原題はサービスブック≒勤務記録、にあたる）1ページ目は左が俸給表関係と、特技の略号の定義でこの辺は役所仕事。特技に「スポーツ指導者（Idrl）」があるのが体操の国スウェーデンっぽいか。右が人別帳ですな。埋めにくい項目は書かぬ潔さである（これは全巻通じて発揮される） pic.twitter.com/D3WsASGbFN

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配置は第２犬中隊（右頁vid2:a-）。このほか教育記録に「船員犬学校」とあったり、脱走のため営倉入り、とか書いてあったりする（らしい）。懲罰記録の判決者は艦長とあるが、この艦長、後に海軍大将（退役昇進だが、小所帯の瑞海軍で大将昇進は極めて稀）になる傑物である。そんな事させたんか・・・

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ちなみに、上の写真で抱っこしている水兵の特技章は砲兵＋Mなので、多分中砲特技。DVと考えると副砲配置兵ではあるまいか（推測）。ニッケは適性を見出され、「砲撃時に号令かける係」としてワンワン吠えていたので、そういうつながりかもしれない。 pic.twitter.com/9INrYFOFMB

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43年には給与等級が3:xで、これは「旗伍長」（下士官の一番下で42年消滅）に相当する。まあ、給料に何を貰っていたかはわかりませんが。ちなみに伍長（korpral)は≒一等水兵らしい。ここまでは昇進記録に予め印字があるので、半ば自動的な昇進であること本邦と同じであろう

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46年に艦を降り、機関科の下士官が引き取って散歩を楽しむなどしていたものの、50年にがんで死ぬ。この時まで勤務録は続いており、晩年の素行は９、陸上勤務態度は10であった。 pic.twitter.com/tzihPlUXGw

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さらに、勤務録最後のページは引き取り手となった下士官による、陸での暮らしが綴られている、っぽいが達筆すぎて全てが読めぬ。グーグルさまもお手上げだ。 pic.twitter.com/susS2YPU93

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この水兵手帳、当然人と共通のはず。昇進記録に３頁、教育記録は4頁＋特技・勲功録2頁が割かれ、勤務録（と勤務評定）が20頁あるのは分かる。だが、欠勤記録４頁、傷病記録４頁、更に懲役記録が４頁、懲戒記録が2頁あって、そこそんなにページ数必要かな？という気分に

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欠勤は傷病45日超＋休職20日超の日数を加えて75日を超えた分が給与から差し引かれるらしい。傷病120日有給は、かなりホワイトではあるまいか。もっとも傷病記録には「復帰可能かどうか判定欄」があるのだが。なお、停職・懲役・無断欠勤は給与はおろか、兵役を勤めた日数からも引かれるのである

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思い出しついでに。お隣ノルウェーには、自由ノルウェー海軍所属のマスコット犬のセントバーナード「バムセ（Bamse）」がいた。こっちはぐっと小さい哨戒/掃海艇「ソロッド」の乗り組み犬であった

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ソロッドは元々米で建造されたWW1の仏海軍トローラーで総トン数422、全長140m。戦後フォークランドで郵便・南極観光船として稼働した後35年にノルウェーに売却され捕鯨船に。この時に船長が飼っていたのがセントバーナード犬のバムセ。つまりペットだったんですな。 pic.twitter.com/karQsjHKFO

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ソロッドは大戦勃発に伴って船長ごと徴用。最北ハンメルフェストを根拠地に哨戒艇となった。しかし独の侵攻は止まらず、いよいよノルウェー王が英に落ち延びる際、ソロッドも脱出。無事英国にたどり着き、13隻となった自由ノルウェー海軍の一員となった。乗員登録されていた犬も脱出行を共にした

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ソロッドは掃海艇に改修、今度はダンディー・モントローズが根拠地である。バムセは特製ヘルメットを被り艦首砲座の前に陣取る姿ですっかり人気者。故郷を遠く離れた諾海軍と、町の人々を大いに勇気づけた。小艇の人気者は、自由ノルウェー軍の公式マスコットに昇格。絵葉書・カードまで作られたらしい pic.twitter.com/ThMmpDgOVL

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乗り組みだけに飽き足らず、やがて酒場に繰り出した船員を門限までに回収するという重大任務にも手を出す（本犬もビール好きだったらしい）。このために港からのバス定期券が購われ、首輪に括り付けられた

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得意技はけんかの仲裁。体重90キロとでかい犬なので、ぬうっと立ち上がると酔っぱらい共からは余程大きく見える。そのまま水兵の肩に前足を置くと、大概の喧嘩は収まっちゃったという。ちなみに、酔っ払いという戦果がないと割と悄然として帰還したそうな