ブログ記事『科学における「キャンセルカルチャー」論争』に関するTweetとやりとり
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はてなブログに投稿しました #はてなブログ 科学における「キャンセルカルチャー」論争 - わが忘れなば wagawasurenaba.hatenablog.com/entry/2022/11/…
2022-11-20 17:25:08去年-今年、J. Chem. Phys. Lett. 誌上で科学界での「キャンセルカルチャー」をめぐるクリロフ vs ボール、ハーバートらの論争があったんだけど、その中「キャンセルカルチャー」論(左派的なイデオロギーが現代の検閲になっているという論)に反駁する側(ハーバートら)が、
2022-11-20 17:26:03差別的な発言を行ったものが記事を撤回したりすることになるのは、cancel culture ではなく consequence culture と呼ぶべきだという議論を紹介していた。言論の結果に責任を負うべきであるという意味のようだけど、この言葉は日本語には、なんと訳せば良いかな? 「結果文化」?「「結果責任文化」?
2022-11-20 17:26:31ここで言われている科学界における cancel culture (と言われるもの)とは、科学者が専門誌に発表したエッセイが差別的なもの(多様性を否定するような内容)として批判され、編集側が撤回したことや過去に偉人とされていた人物に因んだ大学の建物の名前が変更されることや
2022-11-20 17:27:09ショックレーなどの差別発言で知られる大きな業績を残した科学者の名前を含む科学用語の変更を求める動きなどのことなのだ。
2022-11-20 17:27:18ところで、僕は、この consequence culture という用語で、大塚英志が高橋源一郎『文学なんかこわくない』文庫解説に寄せていた「責任と義務」という小文を思い出した。
2022-11-20 17:28:3480 年代という時代の波に乗って、成り行きで物書きになれてしまった自分は、高橋の言論に接すると表現するものとしての「責任と義務」を思い出させられておののく。物を書くことによって否応なく発生する他人に影響を及ぼすことの責任とそれでも書かなければいけないという義務を。
2022-11-20 17:28:44結構久しぶりに投稿したブログの記事が全く反応がなかった。(数年前はもう少し反応があった)結構生煮えの文章で出してしまったのでそういうものか、やっぱり継続していないとダメなのか。文章を書き直して再投稿 科学における「キャンセルカルチャー」論争 - わが忘れなば wagawasurenaba.hatenablog.com/entry/2022/11/…
2022-11-22 20:30:46この科学における「キャンセルカルチャー」論争では、クリロフは、Pluckrose & Lindsay "Cynical Theories (2020)"(『「社会正義」はいつも正しい』)を参照しているのだが、ボールは、rightwing provocateur (右翼の扇動者)の書いた本、とにべもない。chemistryworld.com/opinion/scienc…
2022-11-28 14:56:47科学者と科学ライターの(直接ではないが)論戦の要約・解説。/科学における「キャンセルカルチャー」論争 - わが忘れなば / htn.to/oqyn6BqrDU
2022-11-28 23:08:03難しい議論ではあるが、私は(個別の事例はさておき一般論としては)アンナ・クリロフの立場に賛成かな。 フィリップ・ボールの言う「科学から政治性を排除するのは不可能」というのは、それはそうだろうとは思うんだけど、かといって「科学に政治が強く関わる」ことをそのまま許容しても良いのか。
2022-11-28 23:18:17これは天賦人権論の話とちょっと似たところがある。 「人権は実際には天賦ではなく国家が保障しているものだ」という主張は単純な歴史的経緯の説明としては正しいんだけど、だからといって「国賦人権論を基本にすべき」となると、国家が勝手に基本的人権を剥奪することが正当化されてしまう。
2022-11-28 23:24:20@crowserpent ボール側を代弁すると、クリロフは口では政治と科学の距離を取る、と言っているけど、多様性に反発するエッセイの撤回に反対したり、歴史的な事実の評価が怪しかったり、右派の文献を根拠にしたりなど自身十分政治的だ、自分の政治性に無自覚な(ごまかす)科学者は信用に値しないゾ、という
2022-11-29 18:15:23@crowserpent 感じかなと思います。(僕は、ブログの書き方からもミエミエですが、ボール側に共感してます) 科学者の信用という話では、クリロフが参照するマートンに対してナオミ・オレスケスを対抗して引用してました。(そこも書くべきでした) 見返すとブログのまとめ方、拙かったように思えてきてお恥ずかし
2022-11-29 18:25:29@kohaku_nanamori あー、なるほど。「政治性を排すると言いつつ、バリバリ政治性持ち込んで言行不一致やないか」みたいな感じなんですね。ボールが言わんとしてることも分かる。 ただ、私個人の意見としてはやはり「科学の内容については可能な限り政治性を排除すべき」じゃないかなーとは思ってますが。
2022-11-30 11:26:52@crowserpent はい、メインに取り上げなかった方の論説では、「客観性を装って政治性を密輸入している」と書いていました。
2022-11-30 14:07:31@kohaku_nanamori ただ、 「科学者が自分の専門と関係ないところで差別・ヘイト煽り発言してキャンセルされるのは『科学に政治を持ち込むことの是非』と関係ないよね」 というのは言っててちょっと思いました。 こういう事象を「科学が政治に歪められた」と捉えちゃうような言説は割とある気がします。
2022-11-30 11:38:14@crowserpent あっ、そうですね、そこがまさにポイントですね! クリロフの言っている事例って、別に「左派による検閲」「キャンセルカルチャー」なんて言わなくても、普通に納得できる対応が起きただけか、ただの杞憂(フレームアップ)もあるよね... という。
2022-11-30 14:08:23@crowserpent 一方で、SNSで過剰に非難が発生する現象は問題ありだと思いますが、これを「極左イデオロギーによる検閲」が原因とするのはどうかと思いますし。 そういう現象は、現象そのものをさしたPublic shamingという言葉があったのに、
2022-11-30 14:10:18@crowserpent 内容を狭くとらえ、揶揄的なニュアンスのあるCancel cultureに置き換わってきたのは、胡乱な感じがします。
2022-11-30 14:10:25@kohaku_nanamori なるほどなるほど。 クリロフがその辺を混同するような例示をしてるならば、「科学から政治性を排する」上で有害な言説だと思いますね。 だいぶ構図が理解できてきました。ありがとうございます。
2022-11-30 14:23:59