世代の壁を越えるときに本音として伝えたいことは、案外「痛みを痛みとして受け継いでくれ」と言うことなんじゃないだろうか?

自分たちの世代が積んだ苦労を、どうか無駄なことだったと笑ってやってくれと、この世代に葛藤無く伝えられたら、それは父の世代が本当に何かを成し遂げたことになるんだと思う。ある苦労が物語として消費される単なるコンテンツになったときに、その苦労は成就した
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medtoolz @medtoolz

それこそ命をかけるぐらいにものすごい熱意を持ってやっている何かは、同じだけの熱意で反応されると、むしろもっと燃える。それをコンテンツとして消費されると誰もが嫌になる。

2011-10-08 14:17:42
medtoolz @medtoolz

未来の子供たちのために、父の世代が命を張って戦って、息子の世代はそれをゲームに興じていれば、お父さんたちの命は「リアルに動く敵」として消費される。悲劇にすると爆発炎上するものは、喜劇にすると誰もがそこからいなくなる

2011-10-08 14:19:08
medtoolz @medtoolz

世代の壁を越えるときに本音として伝えたいことは、案外「痛みを痛みとして受け継いでくれ」と言うことなんじゃないだろうか?父の代の痛みを、息子の代で物語として消費してしまうと、世の中はたしかに痛みひとつ分平和になるけれど、それでめでたしとは言い難い

2011-10-08 14:37:49
medtoolz @medtoolz

子から父への復讐は、だからこそ痛みを痛みとして返すよりも、痛みをコンテンツとして消費しつくしてしまうことのほうがダメージ大きいし、何かに命張った父が本音で報われたいと思ったら、子供の世代には「お前も苦しめ」と伝えたくなるんじゃないだろうか

2011-10-08 14:39:12
medtoolz @medtoolz

そういう意味で、ある世代がやったことが報われることというのは、次の世代にとっては呪いに他ならないし、呪いたいところをこらえて「俺たちを物語として消費してくれ」とあえて伝えることが、父の世代の矜持なのかもしれないし

2011-10-08 14:40:08
medtoolz @medtoolz

自分たちの世代が積んだ苦労を、どうか無駄なことだったと笑ってやってくれと、この世代に葛藤無く伝えられたら、それは父の世代が本当に何かを成し遂げたことになるんだと思う。ある苦労が物語として消費される単なるコンテンツになったときに、その苦労は成就した

2011-10-08 14:42:12
medtoolz @medtoolz

物語は「むかしむかし」で始まり、「めでたしめでたし」で終わる。終わることが物語の定義であって、どこかの世代で「めでたし」と言えたそのとき、それは初めて物語になる。

2011-10-08 14:44:28
medtoolz @medtoolz

そういう意味で、ある意味一番つらいのは、この世代に「めでたしめでたし」と言わせた世代なんだと思う。ラスト世代のひとつ手前。終わらせることもできず、苦労を積んで、その苦労が無駄になるまさにその瞬間を目撃するわけだから。無駄になることは、同時にすばらしいことであるにせよ

2011-10-08 14:45:44
medtoolz @medtoolz

最後のひとつ手前の世代交代で、初めてそこで、認識の断絶が生まれる。苦労の連鎖を引き継いできた人と、それを単なる消費の対象、歴史物語であると認識する側と。物語の成就というのは、受け取る側には幸福を、渡す側にはやはり、絶望をもたらすような気がする

2011-10-08 14:47:17
medtoolz @medtoolz

その絶望を口にするのは、父の世代の矜持としてやっちゃいけないにせよ、やっぱりどこか、寂しいとかでなく、もっと絶望に近い心境が、「最後のひとつ手前」世代にはあるんじゃないかと思う

2011-10-08 14:47:58