不定期マンガ感想#6：ジャンプNEXT! 2011summer増刊（後）

テリー・ライス @terry_rice88

いい加減ほっとらかしにしていたジャンプNEXT!の残り感想を書こう。

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前編感想はこちら→http://t.co/7TXo0yGo

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では、ぼちぼちと始めていきます。また読みながらの感想ですのでよろしくお願いします。

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ジャンプNEXT!'11Summer感想後半

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「烈!!!伊達先パイ」（作：近藤信輔）新人さん。ギャグ枠か？いわゆる学園ギャグの定番で変人奇人が存在する部活動もの。テンション高めの芸風だな後は思ったけど、その作品の主たる変人キャラが思い切り既存作品からの借り物なのはどうなんだろうなあと思った。なんというか同人的な内容。

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作者さんがその作品大好きなのはよく分かるんだけど、裏を返せば、自分の作ったキャラで勝負できてないってことだから、厳しいんじゃないのかなあと。テンション高いからギャグのメリハリもなく、終わってしまってる感じ。本誌とかに出てくるにはまだまだ実力不足の習作といった印象でした。

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「東京デパート戦争体験記」（作：松井優征）連載経験作家さんその２。「魔人探偵脳噛ネウロ」の作者さん。ウーパールーパー料理レポートマンガ以来の登場。出来はさすがに長期連載を一本終わらせた実力がひしひしと感じられる読みきりでした。短編としてレベルが高い作品。

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ネウロでは「人間とは何か？」というテーマだったのが今回は「欲望とは何か？」がテーマだったように思います。ぶっちゃけ似たようなテーマの作品は本誌連載の「H×H」や「トリコ」などがありますがその隙間を見事に突いてますね。それでいてちゃんとエンターテイメントしてるんだから素晴らしい。

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作者さんのテーマから発する奇想天外な発想が上手く計算されていて、ちゃんと起承転結のあるプロのお仕事を堪能しました。惜しむらくは短編としてレベルが高いけど連載になった時のキャラの肉付けは必要だろうなあと思った次第。テーマ的には長く続けられそうなので再び本誌に来る事を待っています。

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「MAG～愛を求めて～」（作：住吉崚）新人さん。ドラえもんのような居候物の威を借りた恋愛もの。話はかなりシンプルに纏まっていてすごく手堅い感じだなあ。絵柄も垢抜けない感じがあるけど、そこがまた良い感じではある。小さな恋の物語みたいな印象。短編としてはまとまってる方だと思います。

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ただ主役的存在だと思ってた悪魔の存在がけっこう希薄。悪魔の勢いを駆られて、意気地がなかった男子が告白すると言う流れは良かったし、恋愛を理解できてない悪魔という設定もいいんだけど、何かしら食い足りない感じ。話の感触としてはドライな読後感なんだけども。

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うーん、短編一作と言うより、連載の中の一話って言う印象ですね。結局、悪魔の方は何も解決してないので、短編としての収まりは悪いかな。非常に地味なので、もっと少年誌的な派手さは欲しい所。ドラマを重視してるだけではジャンプでは生き残れないのは多くの新人さんが実証してるわけですし。

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「ドント・ストップ・バス」（作：黒田いずま）新人さん。ここからGカップ優秀作品二本。異常シチュエーションでのコント的な作品かな。発想とノリは面白く感じだけど、笑いが起こるまでには至らなかったかなあと。でも、が力もそこそこあって読みやすくは会ったかと。

テリー・ライス @terry_rice88

最終バスの中で車掌と乗客の攻防のドタバタだけど、もっと予想外な発想があっても良かったかな。珍妙なノリは嵌ればクセになりそうな感じもあるので作風として生かして欲しい所。デビュー作のギャグ漫画としては及第点ではないでしょうか、今後に期待したいところです。

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「宇宙に捨てればいい」（作：中嶋和也）新人さん。Gカップ優秀作二本目。四コマシュールギャグ。シュールギャグで勝負する新人さんも今となっては結構珍しいなあ。結構雰囲気で楽しむ感じではあるけども、絵柄、作風ともに作者さんの独特のセンスは感じられたかなあと。

テリー・ライス @terry_rice88

ただそれが笑いに繋げられたかと言うとまだまだな感じ。笑う一歩手前で止まっていて、惜しいと思ってしまうのが残念と言えば残念。狙いは悪くないんだけど、もう少し捻って欲しいと感じました。でもこれも新人さんデビューにしてはアベレージ高いかな。数を重ねれば洗練されそうです。

テリー・ライス @terry_rice88

「ポンコツ～仏田仏道救済記～」（作：内藤正吉）新人さん。ギャグ枠。絵柄は割りとポップ。でもシモネタっていうギャップを狙ったのかな？ウ○コの神様がいきなり現れて、お化け成仏の手助けという内容だけど、そこまでシモネタっぽくなく、合コンねたとかが入ってちょっとポップでオシャレになってた

テリー・ライス @terry_rice88

うーん、なんというかシモネタは必要あったのかと言うレベルだなあ。シモネタを使うんだったらもっと暴走して欲しかった気もするし、ありていに言うと勢いが足りなくて、ギャグ漫画としてもどっちつかずな読みきりになってしまったかなあという印象。

テリー・ライス @terry_rice88

絵柄は悪くないのでもっと勢いとネタの練りこみを頑張って欲しいなと思いました。出来は習作レベルなのでもっと違う方面からアプローチ＆ネタ探しをして次につなげて欲しいと思いました。

テリー・ライス @terry_rice88

「オカルトさんGO!GO!」（作：葛西雄治）今回最後の感想も新人さんで、ギャグ枠。今回ギャグ多いなあ。タイトルの通りオカルトギャグ、ある日突然世界一不幸になってしまった少女とオカルト部を名乗る変人男子生徒のドタバタ。これもテンション高いなあ。というか勢いだけな感じ。

テリー・ライス @terry_rice88

ネタを惜しみなく出すスピード感はあるんだけど、ぎゃーぎゃー騒いでいるようにしか見えなくて、笑うには至らないかな。やっぱりテンポの緩急とか意表をつくギャップとかがないとちょっと内輪ネタに見えてしまうのはギャグ漫画の辛い所。この作品もその典型で作者さんは楽しく描いてるんだろうなあ。

テリー・ライス @terry_rice88

ただそれを他人が読んで楽しいかと言われるとそれは明らかにNOなので。読者に読んでもらうにはどうすればいいかというのはストーリー、ギャグに置いても大きな命題でしょうねえ。そういった点でもやはり習作レベル。モット人に読ませるという事を意識して欲しいなあと。

テリー・ライス @terry_rice88

総評：ストーリー系の新人とギャグ系の新人の明暗がはっきりと分かれてしまった回だと思いました。ギャグに関してはGカップ優秀作のほうは今後の可能性があるような印象がします。その中で連載経験作家さんは今回レビューしなかった保健室の死神完結編を含めて安定の出来。

テリー・ライス @terry_rice88

新人さんは前半感想で書いた「デマエストロZ」「チャコの脱獄論」「Phantom」「テンカの花嫁」がそれぞれ頭一つ抜けてた感じ。しかしどれも短所長所がはっきりしているので、それらの改善、及び鍛錬が必要になってくる感じですね。

テリー・ライス @terry_rice88

しかし、その中でもやはり松井先生の「東京デパート戦争体験記」が短編作品としてずば抜けていたのが今回強く印象に残りましたね。一日も早い本誌復帰をお待ちしております。