- cameoromen
- 7399
- 0
- 0
- 0
「それがね、首をザックリと深く刺したもんだから、首のところから頭がねじ切れそうになっててね、そこから噴き出した血で、服が真っ赤に染まっていたそうよ。」 #kaidan3
2010-01-25 22:16:24「このお姉さんって人は気丈な人でね、刺されながら、自分の部屋まで行って、そこから自分で警察に通報したんだって。救急隊が部屋に行ったときは、もう事切れていたそうだけど、、、、、、」 #kaidan3
2010-01-25 22:16:54「刺された現場は凄い血でね、首からしたたり落ちた血が、ポタポタポタポタとずーっと続いていて、救急隊の人が、その跡をついてったら部屋まで行けたっていうんだから。こんなに血を流したんじゃ、助からないだろうって思ったって、、、、」 #kaidan3
2010-01-25 22:17:34と聞くとも無く、話を聞かされて、 (なんだか、嫌な話聞いちゃったなぁ、気分悪いなぁ---) と思った。ま、そんなことがあって、一週間が過ぎて奥さんは帰っていった。そして、瀬戸さんのひとり暮らしの生活がまた始まった。 #kaidan3
2010-01-25 22:18:06そんなある日、会社の創業25周年の祝賀会があった。瀬戸さんも管理職のひとりですから、壇上に上がって列席者に挨拶をしました。式が一通り終わると、飲み会になって、酒やビールを飲みながら、あっちこっちでお喋りが始まった。 #kaidan3
2010-01-25 22:19:38と、近くで多少酔いが回った、古株の女子社員が、若い女の子を集めて、大きな声で話してるのが耳に入ってきた。 #kaidan3
2010-01-25 22:20:00『そうよ!5年前の祝賀会でさぁ~、経理の女の子がね、帰りに自分のマンションの近くで男に刺し殺されてねぇ~、それも、首を深-く刺されてね、頭がちぎれそうだったって言うのよねぇ~』って話をしている。 #kaidan3
2010-01-25 22:20:33(ん?その話って、女房の言ってたのと同じ話かなぁ。だとすると死んだ女っていうのは、ウチの会社の女子社員だったのかぁ)と思った。 #kaidan3
2010-01-25 22:20:54飲み会が終わって祝賀会がお開きになると、瀬戸さんが単身赴任だってことはみんな知ってますから、二次会に誘われた。で、結局、次から次へと付き合わされてしまって、やっと解放されたときにはもう夜中近くになっていた。酔いをさましながら、マンションに向かって歩いていると #kaidan3
2010-01-25 22:21:22(仕事帰りだろうか?こんな遅い時刻に、女がたったひとりで歩いてるなんて、珍しいなー。何か事情でもあるのかな?)などと思いをめぐらせながら・・・・ #kaidan3
2010-01-25 22:24:43自分が歩いている。その前を、女が歩いてく。瀬戸さんが、ちょうど彼女のあとを、ついてゆくような格好になってるわけですよねぇ。 #kaidan3
2010-01-25 22:25:20だんだん、だんだんと、その距離が狭まってきた。この先には、自分のマンションがあるだけなんで、どうやら前を歩いてゆく彼女も、同じマンションの住人らしい。 #kaidan3
2010-01-25 22:26:15(夜道で声を掛けたりしたら、むこうが驚くだろうから、マンションに着いたあたりで、追い付いて挨拶でもしてみるか)と思った。次第次第に距離が近づいてくると、(ん?!) #kaidan3
2010-01-25 22:26:39前を行く彼女が、コウモリ傘をさしている。(雨も降ってないのに、なんで、傘さして歩いてんだろう----?変な女だなー----)と思いながら。見るともなく、女の後ろ姿に視線を向けて、あとからついてゆくと、 #kaidan3
2010-01-25 22:27:25と、不思議に思った。ま、こっちは酔ってますからね~、目の錯覚だろうかと後ろから近付いてゆきながら、よーく見ると・・・・・ #kaidan3
2010-01-25 22:30:56(傘から雫が落ちてるんじゃない!傘の中から、ポタポタポタポタ落ちている!ええっっっあれなんだぁ?)妙に思って、下を見ると #kaidan3
2010-01-25 22:32:03街灯の明かりに照らされた路面に、ポタッ ポタッ ポタッ ポタッ ポタッ ポタッと、赤い雫の跡が続いている。(---これ血じゃないか?!) #kaidan3
2010-01-25 22:32:25(ちょっとまてよ---)今、自分の前を傘をさして歩いて行く女。その傘で、隠れて見えていない肩から上の状況が、フーッと浮かんできた。 #kaidan3
2010-01-25 22:33:23