稲川淳二のつぶやき怪談26 #kaidan26

まとめました。
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稲川淳二 @Junji_Inagawa

こんばんは、稲川淳二です。

2012-01-26 21:59:51
稲川淳二 @Junji_Inagawa

お待たせしましたねぇ、それでは、そろそろ始めましょうか。稲川淳二の「つぶやき怪談」。

2012-01-26 22:00:50
稲川淳二 @Junji_Inagawa

怖・楽しい時間を、共有しましょう。

2012-01-26 22:01:11
稲川淳二 @Junji_Inagawa

何が起こっても、責任はとれませんけど。

2012-01-26 22:01:25
稲川淳二 @Junji_Inagawa

事情があって、所在地は、東海地方とだけしておきます。   #kaidan26

2012-01-26 22:02:37
稲川淳二 @Junji_Inagawa

そこには、ある宗教法人が関係する、道場と施設があって、その施設には、他人とうまくコミュニケーションがとれないとか、対人恐怖症であったり、情緒が不安定で、感情のコントロールがきかない、といった、社会に順応出来ない若者を預かって、   #kaidan26

2012-01-26 22:03:20
稲川淳二 @Junji_Inagawa

日常から切り離された環境で、日々の信仰と肉体の鍛錬によって、それらを克服するというもので、町から離れた原生林の中にあって、外界から隔絶された、施設というより、収容所のようなところで、そこから一歩も外へ出る事は出来ない。   #kaidan26

2012-01-26 22:03:50
稲川淳二 @Junji_Inagawa

行動は、敷地内だけという、限られた範囲しか許されていない。もっとも、周囲には、家も無く、一番近い、別の施設といったら、ゴルフ場がひとつあるだけ。   #kaidan26

2012-01-26 22:04:17
稲川淳二 @Junji_Inagawa

たまに会いに来るのは、関係者だけで、自由は無く、厳しい規則に縛られて、体罰とは言わないまでも、道場でのしごきなどは、頻繁に行われていたようです。収容されている若者たちは、常に恐怖に怯えていたんでしょうね。   #kaidan26

2012-01-26 22:04:46
稲川淳二 @Junji_Inagawa

そんなある日、遂にひとりの若者が耐えられずに、深夜、警備の隙をみて脱走した。   #kaidan26

2012-01-26 22:05:07
稲川淳二 @Junji_Inagawa

若者は、ただただ、ひたすら走った。できるだけ、遠くへ逃げよう、施設から一歩でも多く離れようと、夢中で、走った。   #kaidan26

2012-01-26 22:05:34
稲川淳二 @Junji_Inagawa

自分が逃げ出した事が知れたら、すぐに追手がかかるに違い無い。もしも、追手に捕まりでもして、連れ戻されたら、どんな酷い目にあわされる事か、想像するのも恐ろしい。これといった、あてはないけれど、前方の闇に向かって、月明りの下を走り続けた。   #kaidan26

2012-01-26 22:06:02
稲川淳二 @Junji_Inagawa

胸が苦しい。喉が渇いて吐き気がする。ふらつく足で、荒い息遣いをしながら、それでも走った。若者をそこまで、駆り立てるのは、恐怖に他ならない。 恐いから走る・・・・。   #kaidan26

2012-01-26 22:06:24
稲川淳二 @Junji_Inagawa

と、やがて、前方の黒い木々の向こうに、屋根が見えたんで、とにかくその家に向かった。   #kaidan26

2012-01-26 22:06:51
稲川淳二 @Junji_Inagawa

近くに行くと、それは別荘のような二階家で、(明かりもついてないし、別荘なら多分人はいないだろう)と思った。   #kaidan26

2012-01-26 22:07:24
稲川淳二 @Junji_Inagawa

家の裏手に回って、裏口の鍵をどうにかこじ開けると中に入った。   #kaidan26

2012-01-26 22:07:42
稲川淳二 @Junji_Inagawa

明かりの無い闇の中、壁のところどころに開いた、小さなガラス窓から、青白い月明りが、かすかに射し込んで、わずかに辺りを、ぼんやりと照らしていて、そこが台所だとわかった。で、すぐに水が飲みたくて、視線を向けると、冷蔵庫が目に入った。   #kaidan26

2012-01-26 22:08:06
稲川淳二 @Junji_Inagawa

無駄な事だとは思ったんですが、扉を開けると、スッと明かりが洩れて、冷えた飲み物や食料が入っていた。恐らく、別荘の主が、冷蔵庫の電気は切らずに帰ったんでしょう。   #kaidan26

2012-01-26 22:08:31
稲川淳二 @Junji_Inagawa

ペットボトルの冷えた飲料水を取り出すと、一気に流し込むようにして、ゴクゴクと喉を鳴らして飲んだ。そして、食料をガツガツとむさぼり食った。喉の渇きがいやされて、空腹が満たされると、やっと人心地がついた。   #kaidan26

2012-01-26 22:08:58
稲川淳二 @Junji_Inagawa

床に腰を下ろして、両足を投げ出して、「ハァー・・・・ハァー・・・・」大きく息をつくと、体中にじんわりとした痛みを感じた。(あー・・・・、疲れた。・・・・・ここなら、雨風にさらされる心配はないし、追手にも見付からないだろう・・・・・)   #kaidan26

2012-01-26 22:09:31
稲川淳二 @Junji_Inagawa

張り詰めた緊張がほぐれると、とたんに眠気が襲ってきて、そのまま、床にごろんと横になると、うつらうつらとした、浅い眠りについた。   #kaidan26

2012-01-26 22:09:51
稲川淳二 @Junji_Inagawa

物音ひとつない、静まり返った闇の中で、唯一聞えるのは、自分の寝息だけ。   #kaidan26

2012-01-26 22:17:50
稲川淳二 @Junji_Inagawa

「うっ・・・ううう――っ」と、苦し気な、うめき声がしたんで、ビックリして飛び起きた。(いる、二階に誰かいる。・・・・・無人じゃなかったんだ。見付かったら、まずい事になる。どうしよう?)   #kaidan26

2012-01-26 22:19:21
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