IAEAの実質的役割：震災復興特別委で訪問・柿沢未途衆議の実感

柿沢未途 衆議院議員（江東区・東京15区） 自由民主党 @310kakizawa

ウィーンでの事実上の視察初日。午前中、IAEAを訪問。議運委の視察団とジョイントで、鈴木事務局長特別補佐官、森田原子力安全部国際地震安全センター専門官から福島第一原発事故関係のIAEAの対応等についてヒアリング。詳細は後ほど。 http://t.co/pE0JsYbc

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10日、事実上の視察初日。まず午前中、IAEA本部を訪問。ウィーン市内、ドナウ川沿いのウィーン国際センター。ウィーンに事務所を置く国連関係の機関がここに集中して入居している。議運委と復興特のジョイントによるヒアリングへ。 http://t.co/i1g1ZoE8

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IAEA事務局長は日本の外交官出身の天野之弥氏。エルバラダイ氏の次の事務局長選で苦戦しつつ当選、2009年12月から現職。現在、ウィーンに不在のため、説明は鈴木事務局長特別補佐官、森田原子力安全部国際地震安全センター専門官から。 http://t.co/yDOvWTbf

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森田氏、IAEA憲章に基づくIAEAの機能の中核は、核施設の安全に関する国際基準の「開発」。そして加盟国における基準の適用を安全レビューを通じて「手伝う」事。「」の辺りに国際機関IAEAの存在意義と限界が内包されている。 http://t.co/SmjqkAdv

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IAEA憲章では“at the request of a State”（＝加盟国の要請に応じて）という表現が全ての前提として書かれている。つまりは、加盟国の自発的意思がなければ、いかなる措置も取る事ができない。イラクや北朝鮮への核査察を思い起こせば、その限界が良く分かるだろう。

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福島第一原発事故に関して、日本政府も迅速な情報開示、情報の透明性に関して批判を受けた。「直ちに問題はない」と言いながらいきなりレベル７という発表には天野事務局長自身が苦言を呈した。しかし、じゃあIAEAに報告徴求の権限があるかと言うとそうではない。「加盟国の要請に応じて」なのだ。

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IAEAは6月には原子力安全の閣僚会合を開き、9月の総会で行動計画を採択。EUのストレステスト実施方針をきっかけに、IAEAとして各国の行なう原発に対するストレステストのサンプリング的なレビューをする方針も示された。しかしこれも「加盟国の要請に応じて」実施される事になる。

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「加盟国の要請」がなければ措置を講じられないIAEAの立場について鈴木氏は、「天野事務局長も課題と認識しており、6月の閣僚会合では、加盟国があらかじめ＜事故時にミッションを受け入れる＞＜事故の情報を開示する＞と宣言する案を提示した」と。しかしそれですらコンセンサスに至っていない。

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森田専門官から原発の安全基準に関する技術的な説明が延々と述べられると、チェルノブイリを視察してきたばかりの議運委メンバーから苛立ちの声が。「原発事故後の放射線被害の抑制についてはIAEAはどう考えているのか。我々が知りたい、そして日本国民の関心があるのは、まさにそこなのだ」と。

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チェルノブイリを訪問した議運委メンバーによれば、2008年チェルノブイリ・フォーラム国際会議の報告について、現地ウクライナの住民グループは「事故の影響を過小評価」と批判していたという。しかし鈴木氏は歯切れの悪い回答に終始。 http://t.co/DkhylfcC

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「被曝に伴う死者の数は、将来、癌で亡くなる人を含めて4000人にとどまる」と報告されたチェルノブイリ・フォーラム国際会議は2008年にIAEA本部で開催されたもの。しかし鈴木氏は「UNSCEAR（放射線の影響に関する国連科学委）がデータを集め国連総会に報告している機関である」と。

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鈴木氏の回答に対し、出席議員から「25年前のチェルノブイリ事故の影響評価すら諸説バラバラ。それで福島を評価できるのか。鈴木氏の配布書類にはIAEAの『主な役割』として『原子力・放射線事故に際する緊急対応に関する国際機関間の調整』と書いてあるではないか」と苛立ちの声が。

柿沢未途 衆議院議員（江東区・東京15区） 自由民主党 @310kakizawa

ここにはIAEAが果たすべき役割についての認識のギャップがあると感じる。鈴木氏や森田氏にとってIAEAはあくまで「原子力の平和利用を推進する機関」で、原子力施設の安全基準を作り、各国の適用を促すのが役割。しかし議員達は健康影響も含めた広範な原子力問題に関する指導力を求めている。

柿沢未途 衆議院議員（江東区・東京15区） 自由民主党 @310kakizawa

そして、先にチェルノブイリを見てIAEAに来た議運委メンバーと、最初にIAEAに来た復興特メンバーの感覚の「温度差」も感じた。それだけチェルノブイリの現地の話が衝撃を与えるものだったという事なのだろう。なのにIAEAはそれにレスポンスできない。それが苛立ちの元となっている。